民族のソウル・フード探訪 =110=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

まるでおにぎり?マレーシアの定番朝ごはん = 2/3 = ★

​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​郷土料理ー1

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「あ~うまそう。早く食べたい」とTさん。この人、美味しいものへの嗅覚がとにかく鋭い。 やはり共同スペースにある円卓に皿を並べて座り、ナシレマッお食事会がスタートした。

「食べ方は混ぜてもいいし、とくに決まっていない」とアマンダさん。まずはメインのココナッツライスを口に入れる。 ココナッツの甘い風味が口の中に広がるが、ショウガも一緒に炊いているからかさほどしつこくはない。 サンバルは思ったより辛くなく、魚の旨みがたっぷり。 味が濃いめなのでキュウリやピーナッツがほどよいアクセントになる。

意外とマイルドな具だくさんのチキンカレーとの相性も抜群で、Tさんは早くも「お代わりしていいですか」と皿を持ってキッチンへと向かった。 坂道を上るときの足取りの重さはどこへいったんだ……。

「昔はナシレマッといえば朝ごはんでしたが、今は朝昼晩いつでも食べます。 夜ちょっと小腹がすいたら夜食にするし、週に何回も食べますね」と、ナシレマッが朝ごはんの定番なのか改めて問うと、アマンダさんは教えてくれた。

マレーシアは多民族国家で、料理もマレー料理、中華料理、インド料理、そしてマレーと中華が合わさったニョニャ料理と大きく4つに分類される。ナシレマッは、マレー料理の1つ。 マレー料理は、7世紀にスマトラ島で興り、現在のマレーシアやインドネシア一帯を支配したシュリーヴィジャヤ王国のマレー民族が伝統的に食べてきた料理だ。 そのためマレーシアとインドネシアは似た料理が多いが、ナシレマッはマレーシアの料理として捉えられていて、国内では民族関係なく広く食べられているようである。

「マレーシアはもともと外食が多いんですが、ナシレマッが食べられるお店はとくに豊富。専門店はもちろん、市場やフードコートにも絶対にあるし、カフェでも置いてます。あまりにたくさんあるので、家でつくることはほとんどないかも」

添えられる料理や価格もさまざまなようで、「屋台では100円くらいで食べられるし、私の知っている限りで一番高いお店は1800円くらいです」とアマンダさん。 「1800円って日本のランチでも高い!」と驚くと、「そこはすごく有名なカフェで大きな海老や蟹が付いているんですよ」と笑う。

「国民みんながよく食べるので、客をつかむためにお店ごとに独自性を持たせているんです。 専門店で成功してお金持ちになり、豪邸を建てたような人もいます。 ナシレマッが人気で、チェーン店の先がけとなったマレー料理店『マダムクワン』も最初は小さなお店だったそうです。 私は市場の中にある家庭的なお店のナシレマッのほうが好きですけどね」

マレーシアにはナシレマッ御殿があるのか……。 感心しながらココナッツライスにいろいろな料理と佃煮のようなサンバルが付くナシレマッに、50年以上前に一軒の大衆食堂から始まった大戸屋を重ね合わせて、日本でいうならば「定食」のようなものでしょうか、と言うとアマンダさんはう~んと首を傾げる。

「あくまでナシレマッはココナッツライスとサンバル。 屋台のシンプルなナシレマッは基本の食材だけですし、伝統的にはココナッツライスにサンバルや卵をのせてバナナリーフで包むんです。 いまでもテイクアウトではそのようにして売られています」

そういって写真を見せてくれた。手の平サイズで三角形に包まれたナシレマッは定食というよりは「おにぎり」。 なるほど、これなら手軽で朝ごはんにもちょうどいい。 こんな身近な国民食だからこそ、人気を獲得すれば、御殿を建てるのも夢じゃないのだろう。 ナシレマッには“マレーシアンドリーム”があるのだ。 そして店が競い合い、ナシレマッを豪華にしたから朝ごはんに留まらず昼や夜にも食べるようになったのかもしれない。

郷土料理ー2

マレーシア料理の主食(食材)

東アジア、南アジアの他の国でもそうであるように、マレーシアにおいても多くの場合は米(nasi)が主食である。 マレーシアでは、在来種の香り米や北のタイ米が食べられることが多い。 上質のインドのバスマティは、長い粒状と芳しく優雅な風味のため、ビリヤーニ料理で使用される。 マレーシア人が新しい味覚を取り入れるのに従い、食卓には徐々に日本の短粒米などの米も見られるようになっている。

一般的な米料理には、ココナッツミルクニンニクニオイタコノキ(pandan)で蒸して独特の芳香をあたえ、揚げたカタクチイワシ科の雑魚(ikan bilis)、ピーナッツ、キュウリ、固ゆでした卵および辛いチリペーストであるサンバルとともに盛り付けるナシルマッ(nasi lemak)があり、朝食の定番となっている。 ママックによる「サンバル」はやや辛い傾向があるが、ナシルマッに添えるマレーの「サンバル」はやや甘い傾向にある。

しかしながら、多能なナシルマッはさまざまな習慣で食べられるため、それは一日中どんな時間でも食べられる。 よりしっかりとした食事では、ナシルマッとともにカレー、鶏のフライ、またはルンダン(rendang)と呼ばれる牛肉の辛い煮込みを添えて食べる。

郷土料理ー3

 === 続く ===

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