睡眠の都市伝説の真意 =008

☆彡 睡眠の都市伝説を斬る =三島和夫・睡眠研究者= 彡☆

【この企画は“Webナショジオ・連載/睡眠の都市伝説を斬る”に追記補講した】

譲れない睡眠、「必要睡眠量」を測る =1/3= 

​​​​​​睡眠研究=1

​ 前回は睡眠時間も遺伝するという話をした。 遺伝要因が強いことで知られる身長や知能などにはやや及ばないが、睡眠時間の長短もまたれっきとした体質の1つなのだ。 ただし睡眠時間のすべてが遺伝子の支配下にあるわけではない。 私たちの睡眠時間は、基本的な生命活動を営むために必要なコア部分(必要睡眠量)と生活習慣や環境に影響される可変部分の二重構造からなり、遺伝的影響が大きいのは必要睡眠量だとご説明した。

必要睡眠量は健康生活を維持するために欠かすことのできない睡眠の屋台骨であり、他の休養法では代償の効かない“譲れない眠り”である。 睡眠不足の影響は甚大である。 短期的には翌日の眠気や倦怠感、能率低下、交通事故などのヒューマンエラーの主要な原因となり、中長期的には生活習慣病やうつ病、認知症などのさまざまな疾病のリスクを高める。 慢性的な睡眠不足は深刻な“現代病”と言えるのだ。

そのため、必要睡眠量の調節メカニズムは脳科学と医療の両面から大いに関心が寄せられてきた。 自分の必要睡眠量を知ることは、何時間眠れば心身ともにリフレッシュされ、翌日に向けてフル充電されるのか知ることにつながるからだ。 こころと体に優しい生活設計ができるはずである。 しかし睡眠時間の長さに関わる遺伝子探索を難しくしている技術上の課題があることにも前回触れた。 鍵となる必要睡眠量を測定するのが大変なのだ。

ドラえもんの四次元ポケットから取り出した睡眠時間判定機に「アナタノヒツヨウスイミンリョウハ5ジカンデス」「ジョギングヲシテモ6ジカンイジョウハムリデス」などとご託宣を受ければ諦めもつき、効くか分からない快眠グッズに小遣いを浪費せずに済むはずだが、未だそのような小道具が登場したことはない。 子供にウケそうもない地味なマシーンなので致し方ないのだが。

ちなみにドラえもんの小道具には睡眠関係のものも多い。 過去には、1錠のめば1時間で10時間分の睡眠が取れるようになる“睡眠圧縮剤”とか、予定を言いつけて目に貼ると眠りながら仕事をこなせるようになる“居眠りシール”などきわめて実用的なツールが登場している。 それだけの科学力があれば睡眠判定機など簡単に作れるだろうに……。 しかし、そもそもそのような便利な道具があれば判定機も不要だと気付いた次第である。閑話休題。

睡眠研究=2

歳を重ねるほどに睡眠時間が少しでいいという認識は間違いです。 しかし、朝早く目が覚めると老人扱いされたりしますよね。あなたの周りの高齢の方でも寝る時間は遅いのに早く起きる方って結構いませんか? 年齢とともに必要な睡眠時間というのは若干減る程度です。 年齢とともに減るというよりは、小さい子供ほど多くの睡眠を必要とし、成人から高齢者までは必要な睡眠時間というのは殆ど変わらないと考えて良いです。

個人差が大きい睡眠時間ではありますが、年齢による必要な睡眠時間の目安があります。 大まかな年齢別睡眠時間は、・新生児、乳幼児:15時間前後 / ・幼稚園児~小学生:12時間前後 / ・中学、高校生:9時間前後 / ・成人:8時間前後 / ・高齢者:7時間前後

これらはあくまで傾向として考え、時間は目安として捉えましょう。小学生以下はカラダが急成長していますので、多くの睡眠を必要とします。それ以降も睡眠時間の確保は大事で、高齢者でも、成人の方とほぼ同じくらいの睡眠は確保するべきです。

子供にとって睡眠は非常に重要です。成長には欠かせない成長ホルモンが睡眠時は大量に分泌されます。それ以外でも、睡眠には非常に多くの重要な役割がありますので、子供には特に睡眠不足にならないよう配慮してあげましょう。

子供も習い事や塾などで睡眠時間が削られている場合が多いです。 良質な睡眠は記憶の整理などの効果もあり、学習したことを効率よく覚えるためにも非常に重要です。 習い事をしても身につかなければ意味がありません。 習い事などは十分な睡眠が確保できる前提で実施した方が、かえって効率よく身につけることができます。

睡眠研究=3

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 === 続く ===

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