睡眠の都市伝説の真意 =009=

☆彡 睡眠の都市伝説を斬る =三島和夫・睡眠研究者= 彡☆

【この企画は“Webナショジオ・連載/睡眠の都市伝説を斬る”に追記補講した】

譲れない睡眠、「必要睡眠量」を測る =2/3=

​​​​​​睡眠研究=1

必要睡眠量は普段の生活では割り出せない

本人にしっかりと日々の睡眠時間を記録してもらい、そのデータから必要睡眠量を割り出すことはできないのかというご質問を受けることが多いが、事はそう簡単に運ばない。 残念ながら、現時点では在宅で記録した睡眠パターンから必要睡眠量を割り出す試みは成功していない。

普段の生活では、残業やレジャー、夜勤など社会的ニーズに合わせて恣意的に睡眠時間を延長・短縮できる。このような睡眠の冗長性が多様なライフスタイルを支えているわけだが、同時に必要睡眠量の推定を困難にさせている。 読者の皆さんは前回筆者が開陳した睡眠エビ天理論をご記憶だろうか。 揚げ方が一定しない素人のエビ天から具の大きさを“透視”するのは困難なのだ。

サッカーファンであれば、ワールドカップが開催されていた時期のご自分の睡眠パターンを思い出していただきたい。 睡眠記録が時期や環境によって如何に大きく影響されるか思い当たるはずである。あの1カ月とその後の1カ月、同一人物のものとは思えないほど睡眠パターンは異なっているはずである。 こと、ブラジル人ともなれば躁からうつにスウィッチしたような変貌ぶりであろう。 また、照明や室温、湿度、ベッドパートナーの睡眠習慣などさまざまな要因の影響を受けて睡眠時間は変動する。

必要睡眠量を測定するにはこれらの“雑音”を取り除き、十分に長い期間(少なくとも1、2週間)にわたって自然発生的な睡眠時間を観察する必要がある。 実験室で必要睡眠量を測定するときには、周囲からの刺激をシャットアウトした環境(隔離実験室)で毎日最低12時間消灯して眠れるだけ寝てもらう。 日中の運動量も最低限に抑え、食事も標準必要摂取カロリーと栄養素量に調整にする。

そのような生活を何日も続けていると、当初は睡眠不足のリバウンドにより長時間寝ていた人でも睡眠時間は徐々に短縮してくる。 エビ天理論で言えば“衣”が取れてくるのである。私たちの実験ではエビが剥き出しになるのに平均1週間弱必要であることが明らかになっている。

普段の生活をしながら必要睡眠量を割り出せれば楽なのだが、これはミッション・インポッシブル。 だって、目覚ましにも、スマホにも、子供にも、ペットにも、カーテンから差し込む朝日にも邪魔されずに寝たいだけ寝るなどという優雅な生活は普通のサラリーマンや主婦には望むべくもないから。 ましてやそれが1週間……。例えば私の場合、「3日間好きなだけ寝倒した」それすらいつであったか全く思い出せない。

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 経験的に感じている「私なりの満足できる睡眠時間」を答えてもらっても、たいがいは精密な測定結果からずれてしまう。 睡眠不足後の爆睡体験など極端なイメージが邪魔をするからである。 必要睡眠量は週末にやりがちな寝だめよりも短いのが普通である。 現代人の多くは蓄積した睡眠不足を抱えており、それを解消するには何日もかかる。 週末2日程度の寝だめでは睡眠不足を完全に解消するのは難しい。  え? 2日で眠気はとれる? それは自覚的な眠気が消えただけであり、代謝やホルモン分泌への影響などは残存していることも明らかになっている。時間をかけてゆっくりと睡眠不足を解消しないと真の回復は得られないのだ。

※ 睡眠不足をあまく見ている方も多いですが、心身に与える悪影響は大きなものです。 以下に、睡眠不足によって引き起こされる症状を4つご紹介します。

1.情緒不安定になる

「睡眠不足でイライラする」という話を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。 実際に睡眠不足で普段よりもイライラしやすくなった経験がある、という方もいるかと思います。 睡眠不足はこのようなストレスだけではなく、強い不安感や倦怠感も引き起こすと言われています。 これらが悪化すると、最終的にはうつ病に至る場合もあります。

2.太りやすくなる

睡眠不足は活動時間が長い分、十分な睡眠をとった場合よりも多くエネルギーを摂取する傾向にあります。スタンフォード大学の研究によると、食欲を司るホルモンのバランスが乱れ、ついつい食べ過ぎてしまう人が多いとのことです。 肥満が健康に悪影響であることは皆さんもご存知のことと思います。

3.免疫力が低下する

睡眠不足は体力の低下、そして免疫力の低下を招きます。 睡眠不足の日が続いて体調を崩しただけでなく、風邪をこじらせてしまったという経験をされた方もいるのではないでしょうか。 さらには睡眠不足により、脳卒中のリスクが高まるという研究結果も出ています。

4.心臓病などのリスクが高まる

睡眠時間が短いと、高血圧になりやすい傾向があります。 高血圧になると、心臓発作などを引き起こすリスクが高くなってしまいます。 また、睡眠不足自体も心臓発作を誘発するホルモンを分泌するのです。

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 === 続く ===

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