睡眠の都市伝説の真意 =016=

☆彡 睡眠の都市伝説を斬る =三島和夫・睡眠研究者= 彡☆

【この企画は“Webナショジオ・連載/睡眠の都市伝説を斬る”に追記補講した】

眠気に打ち克つ力 その一 《睡眠不足に強いのは勝ち組か?》 =2/2= 

​​睡眠研究=1 ​​​​

 次に主婦の睡眠を見てみよう。 旦那(有職者)に比べると週末の寝だめが少ないがナゼだろう? 休みでも炊事や洗濯で寝てられないのかな?と同情しかけたが、よく見ると平日は逆に主婦の方が長い……「あなた朝ご飯できたわよ」「お帰りなさい、お風呂にする、それともお食事?」では無理な話である。 さすが家庭の大蔵大臣。借金が嫌で「まだ寝てる、帰ってみればもう寝てる」を実践しているのか? 共稼ぎの主婦のデータが気になるが残念ながら見つからなかった。 この種の話しは深掘りすると危険なので、次へ。

無職の人はさすがに睡眠不足がないようだ。ものの見事に平日と週末で差がない。しかし借金のない生活が無職でないと達成できないとはなんたる皮肉であろうか。一方、同じ無職ながら学生さんの寝だめの大きさは圧倒的である。 平日もそれなりに寝ているが全く足りないようだ。 若くて運動量も基礎代謝も睡眠のニーズも大きいためである。 「前記:ゾウの睡眠、ネズミの睡眠」風に言えばやっぱり「燃費が悪いなぁ」。

それにしても、老若男女かなりの国民が睡眠不足の帳尻を合わせようと悪戦苦闘しなければならない社会は異様である。 誰が決めたのか知らないが現代の社会スケジュールは朝型でかつ睡眠時間がやや短めの人向けである。 でもそんなラッキーな人は少数派である。大部分の人は週末の寝だめで何とかやり繰りしているのが現状だ。 そんな生活は、例えてみれば倒産するのが明らかなのに会社を整理できず借金を重ねる自転車操業と同じで先は見えている。

ここで今回のお題に戻ろう。このような寝不足社会で「眠気に打ち克つ力」がある人は勝ち組だろうか? 明け方に眠気をこらえて原稿を書いている身としては思わず「イエス!」と答えたくなるが、正解は「ノー」である。 それはナゼか? なまじ眠気に打ち克つ力があると、体とココロの赤信号が点灯しているのに気付かず、睡眠不足に対するリスクヘッジを怠ってしまうのだ。 痛い痒いがない病気は発見が遅く手遅れになりがちなのと同じである。

さらには変に自信を持ってしまうと、赤信号に気付いていながら「渡りきれる!」と過信して横断歩道に踏み出してしまう。 信号無視をしても交通事故に遭わなければ良いのだが(編集部注:良くありません)、残念ながら睡眠不足によって健康被害に遭遇する確率は交通事故より圧倒的に高い。 もっと詳しい説明は別の回に譲るとして、今回は交通事故に絡めて一例を挙げるに止める。

朝目覚めてから仕事をこなして16時間以上経過すると(8時起床なら深夜0時以降)、それまで踏ん張っていた注意力やパフォーマンスが一気に低下することが知られている。 その低下度たるや酒気帯び運転で検挙されるレベル(血漿中アルコール濃度0.03%)を大幅に超え、その後もどんどん低下してゆく。 実際の交通事故もまさにその午前0時から明け方にかけて急増する。

普通なら危険を感じパーキングエリアで仮眠をとるシチュエーションである。 しかし睡眠不足に打ち克つ力がある(と思っている)人は運転を続けてしまうのだ。 ポイントは眠気を感じていなくても注意力やパフォーマンスは着実に低下してゆく点である。 その夜は事故に遭会わずに逃げおおせても、長年続けていると心身機能にさまざまな問題を抱えることになる。 例えば心筋梗塞や脳出血の罹患率は睡眠不足で急増する。こちらもまさに死亡事故である。

次回は引き続き「眠気に打ち克つ力 その2」である。 ごく最近、子供たちの睡眠不足に対処するため米国小児科学会からユニークな提言が出されたので取り上げたい。 またその趣旨に沿って行われた教育現場での取り組みも合わせてご紹介する。 そろそろお尻に火がつき始めた受験生や進学率を高めたい校長先生は必見です!

睡眠研究=2

=資料・文献 (The Wallstreet Jouurnal)=

バージニア州シャーロッツビルにあるマーサ・ジェファーソン病院睡眠医学センターの医学責任者で睡眠の専門家であるW・クリストファー・ウィンター博士に聞いた。

Social Jet Lag(社会的な時差ぼけ)

専門家は、平日と週末の睡眠習慣の変化がもたらす影響を「社会的な時差ぼけ」と呼ぶ。 平日は真夜中まで起き、土曜日は昼まで寝て睡眠不足を解消しようとすると、体が混乱する。ウィンター博士によれば、これは「6時間の時差があるところに旅行すると、気分が優れないのと似ている」という。多くの人は睡眠を延長すると意識がもうろうとするとか、鈍い頭痛がするなどと訴えるが、主観的には彼らは仕事をよりうまくこなせると感じる。

同博士は「睡眠を延長したドライバーが運転する車の助手席と、単に睡眠不足のドライバーが運転する車の助手席とで、どちらを選ぶかと聞かれたら、わたしは睡眠を延長した方の助手席を選ぶ」と述べ、「目覚めたときのもうろう感は数分でなくなるが、追加的な睡眠の効果は数時間続く」と付け加えた。

Routine Naps(習慣的な昼寝)

定期的な昼寝は、睡眠を後から取り戻したり、寝だめしたりするより健康に良い。 ウィンター博士は「長く寝ると意識がもうろうとすることがあるため、わたしは(その人が必要と感じるのであれば)毎日同じ時間に短い昼寝をするよう常に勧めている」と述べた。 同博士によれば、25分間が理想的なのだそうだ。同博士自身、Zeoという端末で自分のアルファ波と睡眠の質を追跡し、Sound Oasisという機械をセットして、25分後に目覚められるようにしている。

同博士によれば、「短い昼寝を定期的にすると、体がそれを予測し、深い眠りへと誘わずに、活動のペースを落とす」という。こういった気分をすっきりさせる定期的な休息は、不定期で体を混乱させるような週末の長い睡眠より良いという。 同博士は「体は習慣的な行動を好む。 事前に準備できると、より効率的に機能する」と話した。

睡眠研究=3

 === 続く ===

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