睡眠の都市伝説の真意 =018=

☆彡 睡眠の都市伝説を斬る =三島和夫・睡眠研究者= 彡☆

【この企画は“Webナショジオ・連載/睡眠の都市伝説を斬る”に追記補講した】

眠気に打ち克つ力 その二 《米国の学会が若者に“寝坊の勧め”》 =2/2= 

​​ ​​​​睡眠研究=1

= 米国小児科学会の声明 =

1)学業と心身の健康を維持するためには毎日8.5~9.5時間の睡眠時間が必要で、睡眠不足を昼寝や週末の寝坊で穴埋めするのは無理である。
2)思春期は人生で最も体内時計が夜型化する年代なので、(あくまで平均だが)23時前に寝て、朝8時前に目覚めるのは難しい。
3)したがって睡眠時間を確保するためには現在の一般的な登校時間である朝8:30は早すぎるので、もっと登校時間を遅くするなど工夫が必要である。

なんと!早寝早起きではなく寝坊のススメである。 誤解されては困るので再度繰り返すが、夜更かしを薦めているのではない。 生理的に早寝早起きが難しい年代であるから、努力だけでは限界がある、起床時刻が早いとどうしても睡眠不足になる、では制度変更で対応してあげよう、ということなのだ。

この声明を読んで、「今更遅いわい! 自分の学生時代に言ってほしかった!」とうめき声を上げた方も少なくないはず。 勉強やスポーツで忙しいのならやむを得ないが、生理的にマッチしない登校時間のために睡眠不足になって授業中寝ているのでは本末転倒である。 米国には登校時間が朝7時前の進学校もあるそうで、いくら何でも無茶である。 小児睡眠学の専門家は登校時刻を9時にすることを薦めている。

さすが米国、提言をするための実証研究もすでに行われており、始業時間が早いことにより学業成績の低下、メンタルヘルスの悪化、通学中の交通事故の増加などさまざまな問題が生じることが明らかになっている。 そこで次のステップとして、始業時間を遅くすることでこれらの問題が改善されるのかチャレンジした学校があった。その結果を紹介しよう。

この試みは、米国ロードアイランドの私立校に通学している9-12年生(日本の中学3~高校3年生に相当)を対象に行われた。 2カ月間にわたって始業時間をそれまでの午前8時から8時半へと30分遅くしたのだ。 親の同意が得られた201名の学生が試験に参加している。

その結果、参加した学生の睡眠時間は試験前の平均7時間7分から7時間52分へと45分長くなり、授業中の眠気が顕著に減り、集中力が上がるようになったのだ。 30分寝坊できるようにしただけで、なぜ睡眠時間が45分長くなったのか理由は明らかでないが、授業中の居眠りが減ったため早い時間帯に眠気が出るようになったのであろう。

実は、参加した学生には更に特筆すべき変化が見られたという。 始業時間を遅らせることで抑うつ感や倦怠感が改善し、健康に対する不安を訴えることが少なくなり、学習や課外活動へのモチベーションが高まったのだ。 逆に言えば、思春期の夜型体質のために睡眠不足に陥り、その結果、眠気だけでなくココロと体にさまざまな悪影響を蒙っている若者が多いことを如実に示した結果であった。

さて、お父さん、今回のお話し如何だったでしょうか。 「言い分は分かった。しかし夜更かしを正当化されたら困る、ウチの子には黙っとこ。」 仕方がありません……。 でも拳ではなく少し優しく叱ってあげてください。 いや、気味悪がってかえって眠れなくなるか。

睡眠研究=2

=資料・文献 (The Wallstreet Jouurnal)=

睡眠不足が人間関係を壊しかねない理由(1)

—- 他人の微妙な表情が読み取りにくくなるうえ、感情表現が貧弱になる

睡眠不足がいかに心の平穏を乱すかについて、科学者らは新たな洞察を得ている。  寝不足であれば他人の表情、特にその微妙な動きを読み取りにくくなることが分かってきた。寝不足の人は例えば、配偶者がイライラしているのか落ち着いているのかを区別しにくいという。

弱になり、例えば何かが面白いと感じても笑顔が少なくなる。科学者らは神経画像から、睡眠不足が引き起こすだろう感情の起伏に関連すると見られる脳の活動パターンを発見した。

「十分な睡眠を取っていない場合、情緒の安定性ほど早く深く乱されるものはあまりない」と、カリフォルニア大学バークレー校のマシュー・ウォーカー教授(神経学・心理学)は指摘する。疲労による誤認や間違いが人間関係を台無しにすることさえあるのだ。

一般的に、専門家らは健康な成人で1日に7時間から9時間の睡眠を取るよう勧めている。だが米疾病予防管理センター(CDC)が2014年に44万4000人以上を対象に実施した調査結果によると、米国では成人の3分の1以上が平均で7時間未満の睡眠しか取っていない。5時間以下しか寝ていないと答えたのは、全体の12%近くに上った。

ドイツの脳科学誌「エクスペリメンタル・ブレイン・リサーチ」に掲載された2014年の研究では、健康な49人のヤングアダルトが2つのグループに分けられた。一方のグループは寝ずに夜を明かし、もう一方は通常の睡眠を取ってもらった。

睡眠研究=3

 === 続く ===

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