民族のソウル・フード探訪 =122=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

ハワイの伝統料理「ラウラウ」を食べてみた = 2/3= ★

​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​郷土料理ー1

 口に入れると、まず広がったのは旨みたっぷりの肉汁。 包まれていたのは豚肉のようだ。葉の中にぎっしりとつまっていて噛み応えもある。葉はやわらかくて茶葉のような風味。 独特な甘みが肉の味に変化を添える……って、これ豚肉だけじゃないぞ。なにか白い身が入っている。塩気くらいしかないシンプルな味付けなのに、噛むほどに複雑な味わいになっていく。

「豚の肉と脂、鶏肉、鱈の身をタロイモの葉で一緒に包んで蒸したものです」とリョウジさん。 なんと、肉が2種類に魚まで入っていた。 「宴の料理だけあって贅沢ですね」とほおばりながら言うと、「いやいや」とリョウジさんは首を振る。 「このスタイルは食材が豊かになってからのこと。 昔のラウラウは魚だけだったんですよ。ハワイには家畜がいませんでしたから」

火山活動によって形成されたハワイに人類が住むようになったのは、諸説あるものの約1500年前とされる。 トンガやサモアなどに暮らすポリネシア系の人たちが移住してきたのだ。 人びとは魚や鳥を獲り、タロイモやバナナなどを栽培して食していた。 「ハワイに住む人が最初に食べた家畜は犬だと言われています。 犬や豚はアジアなどからポリネシア、そしてハワイへと伝わってきたのです」とリョウジさんは話す。

「だから、最初は階級の高い者しか食べられないような貴重なものでした。 ハワイではイムで料理をつくるのが伝統ですが、できたものはまず階級の高い者が食べ、残ったものを庶民が食べるので、豚肉などの貴重な食べ物には一般人はなかなかありつけなかったそうです」

イムとは地面に穴を掘ってつくる土窯だ。底に熱した石を敷いて食材を入れ、バナナの葉などでフタをして蒸し焼きにする。 ラウラウもタロイモの葉を巻いたあとに、さらにティ(和名はセンネンボク)の葉で包んでイムで蒸し焼きにするのが本来のつくり方だという。

「電気がなかった時代の伝統的な調理法です。 ラウラウだけではなく、伝統料理の多くはイムでつくったし、いまでもルアウの時にはイムで調理します。 とくに、カルアピッグは最高ですね」

なんだなんだ、最高の料理とは気になるではないか。カルアピッグとは「蒸し焼きの豚」という意味。 豚のお腹から内臓を取り出して塩を塗りこみ、熱した石を詰めて一頭丸ごとバナナの葉で包む。 それをイムで一日かけて蒸し焼きにするという。 お祝いの席にぴったりの豪快な料理だ。カルアピッグも店にあるというので食べさせてもらうことにした。

もちろん、お店は一頭丸ごとではないが、肉は細く割いて皿に盛るのが一般的だそうだ。 じっくりと蒸し焼きにされた肉に余分な脂はない。 バナナの葉に包んで長時間蒸し焼きにするからか、燻製のような奥深い風味。 食べ物は水分量が少ない方が長持ちする。常夏の島で食べ物を保存するという意味でも、イムは理にかなったものだった。

郷土料理ー2

ハワイ料理・食に関する禁忌

中世のハワイは神話に基づく独自の宗教観を持つ社会であり、カプ(タブー)と呼ばれる厳格な戒律の下、食に関する制約も数多く存在した。

具体的には、調理は男女それぞれが別々に行う、男女が共に食事をしてはならない、男女が同一の獣の肉を食べてはいけない、アウマクア(その家の守護神)とされる動物は絶対に食べてはならない、神の食べ物とされる食材(オヘロの実など)は口にしてはいけない、女性は男性を象徴するとされる食材(豚・バナナ・ココナッツ・サメ・クジラ・ウミガメなど)を食べてはいけない、ムア(男性が食事をとる家屋)やタロパッチ(タロイモを作る水田)への女性の立ち入りは許されない、などである。

これらの戒律は、19世紀になってカメハメハ2世の名のもとに廃止されるまで続いた。

ハワイのローカル(ロコ)料理

アメリカ合衆国や日本、ポルトガル、プエルトリコ、中国、朝鮮半島、フィリピンなどからの移民たちの食文化の影響を受けて成立した、今日のハワイ州民の日常食。家庭やレストランで食べられるほか、プレート・ランチとして、好みの料理にアイスクリームのスクープ2杯分の白飯とマカロニサラダやポテトサラダを添えて供される。また、あらかじめ小型の容器に詰められたものは日本同様にベントー(弁当)と呼ばれている。 黎明期のハワイの外食産業には日本人、特に沖縄出身者が多かったため、日本料理および沖縄料理の影響が随所にみられるのが特徴である。

パシフィック・リム料理

パシフィック・リム料理とは、近年誕生した新作ハワイ料理のこと。 1990年代の初頭にハワイの新進若手シェフたちが集まり、新しい料理の流れを創り出すプロジェクトを起こしたのが始まりとされている。 一般にお洒落な高級料理とされ、レストランの内外装などにも凝った店が多い。 これらの店に共通するコンセプトとしては、

  • 「地元ハワイで採れる新鮮なシーフードや野菜を使い」
  • 「アジアを中心とする各国の料理のテイストや料理法を加味し」
  • 「まったく新しいスタイルのオリジナル料理を創り出す」

という点が挙げられる。

郷土料理ー3

 === 続く ===

前節へ移行 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/07/06/

後節へ移動 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/07/08/

 ※ 下線色違いの文字をクリックにて詳細説明が表示されます ⇒ ウィキペディア=に移行
*当該地図・地形図を参照下さい

—— 姉妹ブログ 一度、訪ねてください——–

【疑心暗鬼;民族紀行】 http://bogoda.jugem.jp/

【浪漫孤鴻;時事心象】 http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/

【閑仁耕筆;探検譜講】 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中