睡眠の都市伝説の真意 =019=

☆彡 睡眠の都市伝説を斬る =三島和夫・睡眠研究者= 彡☆

【この企画は“Webナショジオ・連載/睡眠の都市伝説を斬る”に追記補講した】

眠気に打ち克つ力 その三 《知らぬ間に膨れ上がる寝不足ローンにご注意》 =1/2=

​​ ​​​​Woman posing at roof at the end of bright sunset.

「寝だめ」――よく使われる言葉だが、正確には貯金ではなく平日に溜め込んだ睡眠不足の借金返済である。 借金をしているという認識があればまだしも、「ツケで飲める馴染みの店から送られてきた月末の請求書を見て吃驚!」「リボ払いが重なって気付いたら返済不能!」みたいな密かに膨れあがる借金型の睡眠不足が多いので要注意である。 そこで今回は「眠気に打ち克つ力」の第3回目として、知らず知らずのうちに危うい状態にまで蓄積してしまう睡眠不足の実態についてご紹介する。

ここで第1の質問。  「あなたは毎日十分に満ち足りた睡眠時間を確保できていますか?」「自然な目覚めで朝を迎えていますか?」

この問いに「イエス!」と答えたあなたは今回の話は気楽に読み飛ばしていただいて結構です。  しかし読者の多くは「少し寝足りない」日々を過ごしているのではないだろうか。 ――睡眠不足でバタンキューというほどではないが、できればもう1時間、せめて30分寝たい、でも遅刻はマズイから這うようにして寝床から出て出勤。

そんなあなたに第2の質問。  「少し寝足りないことで、日々の生活に支障が出ていますか?」

睡眠不足にもイロイロある。徹夜の影響は分かりやすい。 眠気が強くて会議で居眠りをしてしまった、イライラして部下に辛く当たってしまった、逆に少しハイになりオヤジギャグを口走って後悔した、などといった経験をお持ちの方も多いだろう。

もちろん徹夜明けは危険が一杯なのだが、「一睡もしていない」という危機感があるため運転も含めて無茶はしないのが普通だ。

かたや、普段の生活でもしばしば経験する「少し寝足りない」についてはどうだろう。「起きるのは大変だけど、いったん職場に出るとそれなりに仕事はこなせている」「徹夜はマズいけど、6時間くらい寝ていれば何とかなる」――ついつい軽視しがちだが、さほど問題ない、眠くなければ大丈夫、などという判断は非常に危険であることが数多くの研究から明らかにされている。

ここで今回のキーワード。  「少し寝足りない日々が1、2週間続いただけで徹夜以上のダメージが生じる」

少し借りたつもりでも法定外金利で膨れあがる借金、それが睡眠不足なのである。少し寝足りない状態が人の認知機能に及ぼす影響を調べたユニークな研究がある。 21~38歳の被験者48名を4グループに分け、3グループにはそれぞれ14日間にわたって4時間、6時間、8時間睡眠で過ごしてもらい、不運な残る1グループには3日連続の徹夜(!)に耐えてもらった。 それぞれのグループの眠気や認知機能(刺激への反応能力)の変化を表したのが下図である。

8時間睡眠のグループはさすがに2週間の試験期間中を通じて眠気が強まることはなかった。 しかし、4時間睡眠と6時間睡眠のグループは試験開始直後から眠気が強まり、4時間睡眠では1週間を超えると1晩の徹夜と同じレベルの眠気を感じるようになる。

「少し寝足りない」状態が認知機能に与える悪影響はさらに甚大である。6時間睡眠ですら10日を超えると徹夜明けと同じレベルにまで認知機能が低下する。 これでは運転や危険作業に従事するのは非常に危うい。

睡眠研究=2

=資料・文献 (The Wallstreet Jouurnal)=

睡眠不足が人間関係を壊しかねない理由(2) —-他人の微妙な表情が読み取りにくくなるうえ、感情表現が貧弱になる

その翌日、被験者には感情表現の度合いが異なるさまざまな顔写真が提示された。 寝不足のグループに属する人々は全ての顔写真で感情を読み取るのが格段に遅く、悲しい顔を正確に読み取ることがあまりできなかった。

別の研究によると、特に微妙な表情の場合、寝不足の人は怒った顔と幸せな顔を区別するのが困難になる。 睡眠不足に関する研究の多くでは、被験者が眠れないのは一晩だけだ。 ただ、慢性的に睡眠が足りていない現実世界での経験にもこの結果が当てはまるだろうと科学者らは述べている。

ペンシルベニア大学ペレルマン医学大学院で睡眠について研究しているナムニ・ゴエル氏は、睡眠不足が公共の安全に影響を及ぼす可能性があると話す。 軍人や警察官には、正確に他人の顔の動き(そして動機)を読み取らねばならない場面が多いと同氏は指摘する。

同大学院精神医学部のデビッド・F・ディンジス教授は、寝不足の人がささいなことに過剰反応しやすくなる科学的な証拠をつかんでいる。

ディンジス氏は2012年に同僚たちと行った実験で、片方のグループには眠らずに夜を明かしてもらい、もう一方には普段通り睡眠を取ってもらった。 翌日、被験者は数学問題など一連のタスクをこなした。 問題には簡単なものも難解なものもあった。ディンジス氏らは被験者からタスクの成果についてフィードバックを受けた。 それにはポジティブなものもネガティブなものも含まれていた。

難解な問題を終了した後、両方のグループからストレスがたまるとか、イライラするとか、不安になるとか、気が重くなるといったネガティブな意見が返された。 一方で簡単な問題を終了した後は、寝ていない被験者は睡眠を取った人よりも高いストレスや怒り、不安にさらされていたことが分かった。

ディンジス氏は「寝不足はストレスを感じる敷居を低くする。 感情面でストレスに対処しにくくなる。 ささいなことに怒るのはそのためだろう」と述べた。

睡眠研究=3

 === 続く ===

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