睡眠の都市伝説の真意 =021=

☆彡 睡眠の都市伝説を斬る =三島和夫・睡眠研究者= 彡☆

【この企画は“Webナショジオ・連載/睡眠の都市伝説を斬る”に追記補講した】

快眠グッズって、ほんとに効くの? =1/2=

​​ ​​​​睡眠研究=1

 「風水、竹炭、波動、CD」と聞いても何のことか分かる人は少ないだろう。  「手袋、ストッキング、ソックス、パジャマ」とくれば、このコラムをご覧になっている方であればピンとくるはず。後は、「耳栓、アロマ、マットレス、布団、アイマスク、サプリ、枕」とメジャー級が登場する。  これらはある通販サイトで快眠グッズを検索した時にヒットする品々を逆順で並べたものである。他にも快眠効果を謳う商品は枚挙にいとまが無い。

各商品の味付けも実に凝っている。例えば快眠グッズ界の東の横綱「枕」。抱き枕を筆頭に、低反発、形状記憶型、香り付き、冷却ジェル入り、ダメになる、など形容詞はさまざまだ。 さらにサブタイプがあって、抱き枕には横向き用、仰向け用、腰痛持ち用、妊婦用、独身用? などきめ細かなニーズに対応している。

中には膝枕という商品もあって、画像を見ると膝を折ったミニスカートの女性の脚らしき形状の物体に心地よさそうに頭を乗っけている中年男性が……。「ナルホドッ!」と膝を打った次第である。あやうく「買い物かごへ」を押すところであったが何かがダメになりそうなので思いとどまった。

快眠に絡む品々のヒット数からみて相当な売れ行きなのであろう。 日経産業新聞の記事によると、寝具、照明、アロマなどの快眠グッズの国内市場規模は2012年度で1400億円ほどらしい。上記の周辺商品も入れるとさらに金額は膨れあがるだろう。

私はこの領域については全くの素人だが、メディア取材で「効果がありますか?」とよく問い合わせを受ける。 専門外なのでと断っても「個人的な意見でも、体験でも、印象でも何でもいいので」と粘る方もいて、気の弱い私はついつい真面目に答えてしまうのである。

まず「何の効果について聞きたいのですか?」と問うと「何の効果がありますか?」と問い返されることがあり、「分かりません」ということで取材は即時終了になる。

「不眠症などの睡眠障害にも効果がありますか?」ときかれたらやはり即答で「効果が確認された快眠グッズはありません」とお答えする。 実際、患者さんに使ったことないし。

「寝心地が良くなりますか?」という質問であればかなり気軽に「そうなんじゃないですか」と答えることにしている。 ヒンヤリして気持ちよいとか、良い香りに癒やされるとか、独り寝が寂しくないとか、何らかのリラクゼーション効果があることは間違いないだろう(と思う)。 実際、私も三日月型の抱き枕を使っている。 私は右半身を下にして寝ることが多いのだが、左手と左膝がしらの収まりが良くてとても気に入っている。

ここら辺で引き下がってくれれば良いのだが、「いや、睡眠の質が良くなるとか、睡眠が深くなるとか、もっと具体的な睡眠改善効果があるか聞きたいのですが」とか突っ込まれると軽く戦闘モードになって受話器を握る手にグッと力が入る。 仕事が忙しくて機嫌が悪いときは「睡眠の質ってなんじゃい」「睡眠の深さと快眠、熟眠感は必ずしも比例せんぞ」とか小1時間問い詰めたくなるのだが、そこは堪えて「大部分のグッズではそこまで調べてないと思いますよ」とオトナの対応をしてみせる。

この種の質問は答えに窮することが多い。 なぜなら、そもそも快眠とは何か? どのような睡眠を取れば熟眠感、回復感、爽快感が得られるのか? という基本命題ですら睡眠学の未解決問題だからだ。 睡眠時間がこのくらい長くなれば、睡眠がこのくらい深くなれば快眠が得られると分かっていれば答えようもあるが、そのような「快眠バロメータ」は現時点では明らかになっていないのである。

睡眠研究=2

=資料・文献 (The Wallstreet Jouurnal)=

睡眠不足のとき食べ過ぎてしまうのはなぜ?(2)

スパエス氏によると、睡眠時間が制限されたあとの安静時の消費カロリーは制限がないときと比べて約42カロリー少なかった。  「時間の経過と共にこれが積み重なっていく可能性がある」とスパエス氏は指摘している。

解明が進んでいない疑問はもう1つある。 睡眠の質が食物の摂取量にどのように影響するのかという問題だ。 これまでの研究では、徐波睡眠と呼ばれる深い眠りが少ないときはブドウ糖の処理能力が低下し、2型糖尿病の発症リスクが高まることが分かっている。

睡眠時間の増加と体重減少の関係については、シカゴ大学の研究チームも連邦政府の資金で研究を進めている。 研究責任者のエスラ・タサリ医学准教授によると、体重過多の成人が1日当たりの睡眠時間を1.5時間延ばした場合、エネルギーバランスに変化があるか、最終的に体重は減少するのかを観察しているという。  研究は5年間かけて行う予定で、研究チームは最大80人の被験者を募集している。

コロンビア大学医療センターのマリー=ピエール・サントンジュ医学准教授は被験者27人について神経画像検査を行い、睡眠時間を制限したときと十分に睡眠をとったときで食べ物の画像を見たときの神経反応に違いがあるかどうかを調べた。 その結果、睡眠時間が制限されているときは、報酬中枢に関係する脳の領域の神経反応が大きくなったことが分かった。 この研究は2012年に学術誌「アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション」で発表された。

サントンジュ准教授はこの結果について、シカゴ大学による内因性カンナビノイドに関する研究と一致するところが多いと語った。 サントンジュ氏が最近、2012年の研究のデータに基づいて二次分析を行った結果、食べたものが睡眠の質に関係している可能性があることが分かった。  被験者に好きなものを何でも食べてもらったところ、食物繊維を多く摂った被験者は徐波睡眠が長く、飽和脂肪の摂取量が多かった被験者は徐波睡眠が短かった。

さらに、糖質の摂取量が多いと夜中に目が覚める回数が多いことも分かった。  この研究結果は今年1月に学術誌「ジャーナル・オブ・クリニカル・スリープ・メディスン」で発表された。 サントンジュ氏は「昼間、何を食べるかが睡眠の質に影響する可能性に注意すべき」と話している。

睡眠研究=3

 === 続く ===

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