民族のソウル・フード探訪 =125=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

コーヒー農園発祥のデカ盛り料理とは? = 2/2= ★

​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​郷土料理ー1

 怒るステラさんに、思わず「すみません」と謝る。 バンデハは「プレート」という意味で、パイサはコーヒーの名産地であるアンティオキア県の町の名前。 つまり、もともとはパイサの農園で働く労働者が力をつけるために食べていた定食だった。世界第3位のコーヒー生産を支えているともなれば、肉ばかりなのも量の多さもうなづける。

「おかずは混ぜても、別々でも、食べ方は自由。 好きな食べ方でどうぞ」と明さんに言われて、まずはフリホレスと呼ばれる豆の煮込みからいただいた。 にんにくのきいた塩味の煮豆で、ブラジルのソウルフード、フェイジョン(前記参照)とよく似ている。 これ、不思議なくらいごはんと合うんだよなあ。

チョリソーはちょっとピリ辛、スペアリブも味はしっかりとついているが、揚げバナナや目玉焼きと一緒に食べると、まろやかでやさしい味わいになる。 一年中暑いアンティオキアのバンデハ・パイサは辛めだが、ステラさんの出身地である首都ボゴタはマイルドで、辛くしたい場合はサルサソースを入れるのだという。

「うちのバンデハ・パイサの具はごはんを入れて10種類。 でも本当はもっといろいろな肉がのっていて、14種類くらいが基本です。日本では手に入らないものが多いのよ」とステラさん。 とくに、豚の皮をカリカリに揚げたチチャロンは欠かせないようだが、「日本ではなかなか手に入らない」のだと嘆く。

10種類でも十分多いと思うけれども。 しかも、毎日のように食べる地方もあるらしい。 店で食べることもあるというが、家族のぶんをつくる母親は大変だ。 感心していると明さんが言った。 「うちのお母さんは7歳のときからつくっていたそうなんです」

ステラさんの実家は農家。 父親が家畜を育て、母親は羊毛で糸をつくって売っていたそうだ。 きょうだいは兄が2人いたが、下に妹が7人もいて、ステラさんが中心となって家事をこなしていた。 食事はすべてステラさんがつくっていたという。「コロンビアの女の子はみんな小さい頃から料理をつくるんですよ。 お母さんのやり方を見ながらね」

7歳の頃から日常的につくっているとは恐れ入るが、コロンビアではそうやって母を手伝いながら味が受け継がれていく。それも、家族にお腹いっぱい食べてほしいという思いとともに。 明さんが言った。

「お母さんもいっぱい食べろって言うけれど、おばあちゃんのバンデハ・パイサはお母さんよりも山盛りでした。 それじゃ足りないだろ、もっと食べろもっと食べろって言って」

その言葉を聞いて母親を思い出した。 たまに帰ると大皿に盛られて出てくる鶏の唐揚げ。 大好物ではあるのだが私もアラフォー、昔ほどは食べられない。 しかし、お腹いっぱいだといっても母は次々に揚げる。 もったいないと思っていたが、ひどく体調を崩したときに「ちゃんと食べなさい」と書かれた手紙が届いて、いっぱい食べさせることが“おふくろの思い”だということに気づいた。 農業従事者の食事だったバンデハ・パイサがコロンビア全土に広まったのは、子どもにたくさん食べて欲しいと願う母親の思いを体現する料理だったからかもしれない。

「実はコロンビアのホテル協会は、料理名をバンデハ・モンタニエラに変えてしまったんですよ」と明さんが言った。これだけよく食べられているのだから、国を代表する料理としてアピールしていこうと国に申請したのだという。 「パイサだと田舎くさいから、イメージアップのために“山”を意味するモンタニエラに変えたようです」

「そんなの誰もピンとこないわよ。やっぱりバンデハ・パイサでなくっちゃ」とステラさんは言う。 私もそう思うなあ。コロンビアの農民たちを支えるために生まれ広がった料理であることを忘れないためにも。

郷土料理ー2

南米・コロンビヤの食事

コロンビア料理の主食は、トウモロコシの粉で作ったエンパナーダやトルティーヤ。 グルメ向きの凝った料理は少ないが、代表的なコロンビア料理では、鶏肉をジャガイモやトウモロコシと煮込んだアヒアコと呼ばれるシチューが有名だ。 そのほかにも、牛のモツ肉と野菜を煮込んだモンドンゴ、食堂の食事の定番で豆の煮込みや豚肉のフライ、目玉焼き、アボガドなどをご飯に載せたバンデハ・パイサもある。 飲み物はコーヒーがよく飲まれているほか、アロマティカというフルーツティーも一般的。 お酒はビールのほかに、ラム酒がよく飲まれている。

特別なマナーや習慣はなく、西洋式の食事マナーを守っていれば特に問題はない。 ナイフは右手、フォークは左手で、持ち替えはしない。料理を素手でつかんだり、口に食べ物を入れたまま話したりしない、大声でウェイターを呼ばないなどは基本。 また、コロンビアでは昼食が一日のうちで一番大切な食事なので、地元の人とのランチには時間がかかることを想定しよう。 高級レストランでは、Tシャツや短パンなどあまりラフすぎる格好は避けること。

コロンビアの北西部に位置するサンタンデルという町を代表するアリ料理は、コロンビア料理の中でも一番風変りで珍しいエキゾチックなメニューと言えます。 歴史をさかのぼるとなんと500年以上前に先住民がアリを食料として用いはじめたのが最初、そのあとスペイン人の征服にあいますがそのスペイン人に受け継がれたこの習慣が今に至っています。 知れば知るほど衝撃なこの習慣。

郷土料理ー3

 === 続く ===

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