民族のソウル・フード探訪 =128=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆ 

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

  ★ ハンガリーの国宝豚でつくるラード料理 = 1/3= ★

​​​郷土料理ー1

 あなたはパンに何を塗って食べますか?

とあるネットの調査によると、1位がマーガリンで62.2%、次いでジャム、バター、チーズと続く(2009年「ディムスドライブ」調べ)。ちなみに、私はマーガリンとジャムのコンボ。とくに甘酸っぱいイチゴジャムにマーガリンのコクが合わさると……もう、食パン何枚でもいけてしまう。そしてそのあと、豊かなお腹周りを見て後悔する。

しかし、そんな後悔なぞ吹き飛ばすような食べ方をしている国があった。それは中央ヨーロッパの小国・ハンガリー。なんと、ラードを塗って食べるのが一般的だというのだ。

「ラードって豚の脂の、あのラードですよね」

その話を聞いたとき、思わず聞き返してしまった。カロリーだけで見れば、ジャム&マーガリンも変わらないかもしれない。だがしかし、あんなギラギラして豚肉特有の獣臭漂うあれを塗るなんて……。想像しただけで胃が重くなってくる。

「私も初めて聞いたときはそう思いましたよ」と笑うのは設永(のぶなが)優子さん。東京・港区にあるハンガリー料理店「パプリカ ドット フ」のゼネラルマネージャーだ。国内でも珍しいハンガリー料理店を見つけたので、どんな料理を食べるのかとたずねたところからそんな話にいたったのである。

「でも、意外とあっさりしていて美味しいの。ちょうど次の料理教室でラードをつくるので参加してみてはどうですか」

店では月に一度、ハンガリー料理の教室を開催しているという。設永さんのお誘いに「ラードをつくる? あっさり?」などと、いろいろなクエスチョンを抱えながら、私は東京メトロの白金高輪駅からほど近い店を訪れた。

「今日の料理はテペルトゥです」

店に集まった参加者に料理の説明を始めるオーナーのキス・アティラさん。日本に来る前はハンガリーの人気アイドルグループの一員だったという異色の経歴の持ち主だ。方向性の違いからグループを解散し、以前から興味があった日本にやってきた。日本人にハンガリーのことを知ってもらいたいと店を始めて6年目になるという。

「テペルトゥは豚の脂身を炒めて溶け出た油で、その脂身を揚げた料理です」とアティラさん。つまりラードのから揚げであり、テペルトゥが完成したあとに残る溶け出た油を冷やし固めた「精製ラード」をパンに塗って食べるのだそうだ。

「ハンガリー人にとってテペルトゥはアペタイザーやおやつとしてとてもポピュラーだし、ラードを塗ったパン、ジーロシュ・ケニェールは朝食の定番なんですよ」

郷土料理ー2

ハンガリー料理は、マジャル人の歴史に影響されてきた。 ハンガリーの食における肉の重要性は家畜の重要性とマジャール人の遊牧民的な生活習慣により明らかであり、グヤーシュのような、火で調理する伝統的な肉料理に反映されている。 煮込み料理ペルケルトや辛い川魚のスープ、ハラースレーは、伝統的に屋外で火にかけてボグラーチ(釜)で調理する。

15世紀に、マーチャーシュ1世とナポリ出身の妃ベアトリクスはイタリアで興隆していたルネッサンス文化に影響され、ニンニク、ショウガ、メース、サフランおよびナツメグやタマネギのような新しい調味料や香辛料や、果物を詰め物に用いたり肉と一緒に調理する料理法をハンガリーにもたらした。

これらの香辛料のうち、ショウガやサフランは現在のハンガリー料理ではもはや使われていない。 これ以降、非常に多数のサクソン人(ドイツ系民族)、アルメニア人、イタリア人、ユダヤ人、セルビア人がパンノニア平原トランシルヴァニアに移住した。 オスマン帝国ハンガリーの時代には、様々な古典的トルコ料理の要素が取り込まれた。

テレクメーズ (törökméz) と呼ばれる白いヌガーマルメロの菓子、ロクムハルヴァトルココーヒーベイグリ (Bejgli) と呼ばれるケーキ、トランシルヴァニアに見られるピラフのような米料理、パドリジャーンシャラータ(padlizsánsaláta, ナスのサラダ) 、ドルマに影響されたテルテット・パプリカ (Töltött paprika) やテルテット・カーポスタ(Töltött káposzta, 具詰めキャベツ)のような肉と野菜の料理などがこれに当たる。

また、トウガラシはオスマン帝国時代に伝来した。 そしてハンガリー料理はオーストリア・ハンガリー帝国の下、オーストリア料理の影響を受けた。 料理および調理手法がオーストリア料理から取り入れられ、またグヤーシュのようにハンガリー料理が逆にオーストリア料理に影響を与えた例もある。

ハンガリーのケーキと菓子には、ドイツ・オーストリアの強い影響が見られる。現在のハンガリー料理は、古代アジアの要素にドイツ、イタリア、スラヴの要素を統合したものと言われている。 ハンガリーの食文化は、ユーラシア大陸の食文化のるつぼであると考えることができる。

郷土料理ー3

 === 続く ===

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