睡眠の都市伝説の真意 =030=

☆彡 睡眠の都市伝説を斬る =三島和夫・睡眠研究者= 彡☆

【この企画は“Webナショジオ・連載/睡眠の都市伝説を斬る”に追記補講した】

もっと光を!! 冬の日照不足と鬱の深~い関係  =3/3=

​​ ​​​​Wife having conflict with husband

 物事の常で、視覚性作用があれば、非視覚性作用もある。 光情報の一部は視覚野ではなく、その他の広範な脳領域に向かう。 その出発点はやはり網膜に存在するメラノプシンと呼ばれる特殊な感光色素をもつ神経細胞(神経節細胞)である。 メラノプシン含有細胞から出た神経シグナルは視神経の途中で分かれて視床下部の視交叉上核に向かう(網膜視床下部路)。

視交叉上核に入った神経シグナルは、さらに他の視床下部や脳幹部にある重要な神経核に向かい、自律神経機能や気分の調節のほか、図に挙げたような多様な非視覚性作用を発揮する。 すなわち、光は物を見ること以外にも我々の心身機能にさまざまな影響を及ぼしているのである。 しかし我々が非視覚性作用を実感することは少ない。

冬になって曇天が続いたり、北国のように日照時間が短くなっても、室内照明もあるし生活に不便なし! そのような考えは大きな誤りである。 物を見るには十分な明るさでも、非視覚性作用にとっては不十分、真っ暗闇、という場合もあるのだ。 少なくとも日照の季節変動に過敏な人々にとっては、冬季の日照不足が眠気やうつなど心身の不調の原因になっている。 極端に日照時間が変動する極地圏では一般生活者の生殖活動にすら季節変動が認められるとのレポートもある。 逆に、盲目の人でも網膜視床下部路が正常に働いて非視覚性機能が保たれている場合もある。

以上をプロローグとして、次回から冬季うつを引き合いに光環境が我々の心身に及ぼすユニークな作用やその対処法についてもう少し詳しくご紹介する。

ちなみに「もっと光を!(Mehr Licht!)」という実にベタなタイトルについてご説明すると、死の床にあったゲーテを安静にするため召使いが窓を閉めて部屋を薄暗くしていたところ、少し元気になったゲーテが「もっと光が入るように、寝室の窓のシャッターを上げてくれ(Mach doch den Fensterladen im Schlafgemach auf, damit mehr Licht herein komme.)」と語ったのを、後年の伝記作家が現在のように書き直したのだとドイツ語学者の信岡資生氏は指摘している。

薄暗い部屋でゲーテも気分が滅入ったに違いない。 「もっと光を!」を「さらなる啓蒙を」という意味に捉える向きもあるようだが、信岡資生氏の解釈の方が私にはしっくりくるのである。

睡眠研究=2

=資料・文献 (The Wallstreet Jouurnal)= 

7時間睡眠が8時間より有効かもしれない理由 =3/3=  あなたの最適睡眠時間を見つけるには

これまでに行われた研究の大半は、認識や健康の衰え、体重増加など、睡眠時間が少な過ぎることによる影響に焦点を絞ってきた。推奨される最小限の睡眠時間である7時間よりほんの20~30分少ない睡眠を繰り返すだけでも認識速度が鈍化し、注意散漫が悪化する可能性があると指摘する専門家もいる。

専門家によると、最適な睡眠時間を見つけるため、3~7日間の試験をしてみるといい(休暇中が理想的だ)。目覚まし時計を使用せず、疲れたら寝る、という生活を試してみるのだ。過剰なカフェインやアルコールは避け、就寝前2時間は電子機器の使用を控える。日記か実際の睡眠時間を計る機器を使って睡眠の記録を取る。日中に気分がすっきりして集中していられると感じれば、それがあなたにとっての最適の睡眠時間だろう。

医学誌「Journal of Clinical Sleep Medicine」最新号に発表された研究では、健康な成人5人を、ドイツで2カ月以上にわたり、電気や時計、水道のない石器時代さながらの状況に置いた。被験者たちは通常の生活で推定されるよりも約2時間早く眠りにつき、睡眠時間が平均して1.5時間長かったという。一晩の平均睡眠時間は7.2時間だった。

睡眠研究=3

 === 続く ===

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