民族のソウル・フード探訪 =134=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

  ★ コリアンタウン新大久保のキムチ物語 = 1/3= ★

​​​郷土料理ー1

​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​

 東京・新大久保の路地。女性専用サウナが入った建物から出て体を伸ばす。 私は疲れが限界に達すると、癒しを求めてマッサージ店やスパ施設にふらりと出かける。 この日は汚れも疲れも落としてやろうと、韓国式アカスリにやってきたのだった。

すっきりしたらお腹が減ったな……。 新大久保といえば国内有数のコリアンタウン。せっかく来たので辛い料理で精をつけていこう。そう思って近くの韓国料理店に入った。料理を注文すると、まず出てきたのは和え物や漬け物がのったいくつもの小皿。 ミッパンチャンと呼ばれる、日本でいうお通しだ。

料理を待ちながら、小皿にのった白菜のキムチを口に入れた。 ピリッとした唐辛子の辛味を舌に感じながらふと思う。「韓国料理といえば必ずといっていいほどキムチが出てくるなあ。 韓国の人にとってキムチってどんな存在なんだろう」

「食卓にはいつもある」「毎日食べるよ」と、私の問いに店のスタッフは教えてくれた。 私の実家の冷蔵庫には必ず漬け物と納豆があるが、そんな感覚なのだろうか……そう考えながらまたキムチを口に入れる。

「韓国人にとってキムチは魂ですね」

後日、私の疑問に答えてくれたのは金根熙(キム・クンヒ)さん。 新大久保で韓国の料理店やスーパーマーケット、化粧品店などを経営する株式会社韓国広場の代表だ。 金さんが新大久保に初めて店を出したのはおよそ20年前。 「当時は韓国人が行く食堂くらいしかなかった」という新大久保をコリアンタウンへと発展させた中心的な人物に、話を聞く機会を得たのである。

「キムチはかつて朝鮮漬けと呼ばれていたように、日本では漬け物と同じものだと思われがちですが、韓国人にとってはそれにとどまらない、なくてはならない食べ物なんです」と金さん。 キムチは白菜や大根を生姜やニンニク、唐辛子などを混ぜてつくるヤンニョム(調味料)で漬けた発酵食品。 韓国の専門機関によると、ゴボウ、サツマイモなどの根菜類にカキ、カニといった海産物と素材も幅広く、その種類は190近くにおよぶという。

「いつも食卓にのっているから小さな頃から自然と食べるようになります。 うちの社員の3歳の娘さんも大好きで『お母さんのように辛いキムチを食べたいから早く大きくなりたい』と言ってましたよ」

キムチには辛くない「白キムチ」という種類もあるという。 「キムチは辛いものだと思っていた……」と驚く私に「食べてみますか?」と金さん。 そこで、金さんが経営する韓国料理店「高麗」でいただくことにした。

テーブルの上に何種類かのキムチが並べられた。 さっそく白菜の「白キムチ」をいただく。 発酵しているのでしっかりと酸味があるが、全体的にはあっさり。 シャキシャキとした歯ごたえが小気味よく、白菜の甘みが染み出てくる。なるほど、これなら子どもや辛いものが苦手な人も食べられる。

郷土料理ー2

キムチは、もともとは朝鮮半島の厳寒期に備えた保存食であり、野菜を塩で漬けただけのものからはじまった。 これに香辛料としてのニンニクやサンショウなどを加えるようになったのが、キムチの原型である。 サンショウはその後、栽培や加工が容易な唐辛子に取って代わられ、今日のキムチに近い風味となったが、それは唐辛子が16世紀に、日本から朝鮮半島に伝えられて以降のことである。

唐辛子の強い刺激、野菜の甘味、乳酸発酵による酸味・うま味と塩辛さが複雑に混じり合った風味が特徴である。 多くの場合は魚介類やニンニクなどを使用するため、濃厚な匂いと強い風味を持つ。

辛いものを食べて体を温めるという発想で理に適っているが、食べ過ぎると東洋医学での『火』(体内に熱がこもり、「怒」の病になりやすい)が起こりやすくなるとされている。 そのため、韓国での鍼治療では『瀉血』がよく行われる。

朝鮮半島だけではなく、朝鮮民族が多く暮らす国・地域では、市場などでキムチを売っていることが多い。 ソビエト連邦時代に沿海州から朝鮮系住民(高麗人)が移住したウズペキスタンでは、市場やレストランでもキムチ(シムシャとも呼ばれる)が見られる。

郷土料理ー3

 === 続く ===

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