睡眠の都市伝説の真意 =031=

☆彡 睡眠の都市伝説を斬る =三島和夫・睡眠研究者= 彡☆

【この企画は“Webナショジオ・連載/睡眠の都市伝説を斬る”に追記補講した】

もっとバナナを!!! 冬季、鬱の自己治療   =1/3= 

​​ ​​​​睡眠研究=1

 冬季うつに関するインターネット上の記事を見ると、押し並べて「冬の日照不足→うつ気分、過眠、過食→日光で改善」というストーリー展開である。 このシナリオは間違いではないが、それだけでは冬季うつ、ひいては日光と健康との関係を考える上で深みがなく残念である。 冬季うつの病因や治療についてもう少し掘り下げてみよう。

確かに冬季うつは日照時間が短くなる冬に発症することが多く、高緯度地域すなわち北国に多いのは事実である。 しかし前回、鹿児島県名瀬市(現在の奄美市)の例でご紹介したように低緯度地域(南国)でも天候不順がちの場所では発症率が高くなる。

また、春先にいったん症状が改善しても、梅雨に再燃することもある。更に言えば、春でも夏でも天候次第で気分が悪くなることがある。 とすれば、いったい冬季うつとはなんぞや? その回答は以下の通りである。

冬に特異的に発症するうつ病なのかと問われれば、答えはNO。 /  冬に症状が悪化する可能性の高いうつ病なのかと問われれば、答えはYES。 すなわち冬季うつの冬季とは冬に症状が出現しやすいといった程度の意味合いなのだ。

冬は曇天日が多くうつ症状が日々連続して出現するため不調(疾病)として認識されやすい。 冬以外でも気分不良は感じることがあるが単発であることが多く、症状も軽めであるため生活に大きな支障が生じない。 しかし、この天候に依存した気分の変わりやすさこそが冬季うつの本質的な問題なのである。

ここにメルボルンの研究者であるLambertらが行った興味深い研究がある。 彼らは101名の健康ボランティアを集め、首の奥にある動静脈から血液を採取して脳内でのセロトニン利用率(代謝回転)の季節変動を算出したのだ。この研究が行われた2000年当時は、このような凄まじい方法をとらなければ脳内のセロトニン利用率は正確に測定できなかったのだ。 彼らの努力の結果判明したのは健康な人でも冬に脳内セロトニン利用率が顕著に低下すると言うこと。

その後、PET(positron emission tomography:陽電子放出断層撮影)を用いた先端的研究により、冬に脳内のセロトニン神経機能の活動が低下することが確定した。

睡眠研究=2

=資料・文献 (The Wallstreet Jouurnal)= 

昼と夜のリズムはいつから?生後8週間で体内時計が始動

赤ちゃんはどのように昼と夜の区別がつくようになるのだろうか。

新たな調査で、覚醒と睡眠を統制する24時間周期の体内時計は生後約8週目から働き始め、数週間で完全に機能するようになることが明らかになった。 新生児や周産期医療に関する国際医学誌「Archives of Disease in Childhood, Fetal & Neonatal Edition」の1月号に掲載された調査論文によると、ストレスへの対処を手助けする「コルチゾール」と呼ばれるホルモンによって、成人同様の睡眠パターンを開始するよう合図する一連のかすかな生理的変化が促されるという。

研究者によると、成長中の胎児の概日リズム(1日の行動リズム)はおおむね母親によってコントロールされるが、新生児がいつ自らの概日リズムを確立するのかは不明だった。

そこで英国の研究者が2007年~08年にかけて、生後6週間から18週間の健康な満期出産乳児35人を対象に調査を行った。 2週間ごとに乳児の体温を夜通し記録し、アンティグラフと呼ばれる足首に付けた装置で睡眠時間を測定した。正午と夜中の12時に尿サンプルを採取し、コルチゾールと6-スルファトキシメラトニン(MT6s)を解析した。 MT6sは夜になると多く分泌される睡眠ホルモン「メラトニン」の主要代謝産物。 さらに、1週間ごとに2日にわたって6時間おきに口腔粘膜を採取し、概日リズムを制御する遺伝子の発現を解析した。

その結果、コルチゾールの分泌が成熟したパターンになり、夜よりも昼に多く分泌されるようになるのは平均で生後8.2週目からであることが分かった。 さらに約1週間たつとMT6sの分泌の概日リズムが確立される。 つまり、生後9週目あたりから乳児は昼よりも夜に長く寝るようになる。

生後10.8週目あたりになると、体温リズムが成熟し、眠り始めてから数時間は中核体温が一貫して低下するようになる。 概日遺伝子の発現が最大となるのは生後11週目だ。

注:研究者によると、睡眠時間の測定を目的としたアンティグラフィ(活動量測定検査)の乳児への使用は有効性が認証されていない。 調査は少数の、満期出産乳児のみを対象に行われた。

睡眠研究=3

 === 続く ===

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