睡眠の都市伝説の真意 =033=

☆彡 睡眠の都市伝説を斬る =三島和夫・睡眠研究者= 彡☆

【この企画は“Webナショジオ・連載/睡眠の都市伝説を斬る”に追記補講した】

もっとバナナを!!! 冬季、鬱の自己治療   =3/3= 

​​ ​​​​睡眠研究=1

 トリプトファンはバナナやプロセスチーズ、豆乳などに多く含まれる。 栄養バランスのよい食事を摂っていればトリプトファンが不足することはない。 しかし脳内セロトニン機能が低下している冬季うつの患者さんは、できるだけ多くのトリプトファンを体内に(そして脳内に)取り込むために無意識のうちにある行動を取るようになる。 それは「甘いもののドカ食い」である。

通常、うつ状態では食欲は低下する。 しかし、冬季うつの患者さんはひどく甘い物を欲しがり、体重が増加する。1日中チョコレートを手放せない、夜間に菓子パンを大量に食べてしまうなどの不思議な症状がみられる。 甘い物(糖質)、すなわち炭水化物をとることがセロトニンとどのように関係するのだろうか。

食物から摂取されたトリプトファンは血液で脳まで運ばれる。トリプトファンが血管内から脳内にどれだけたどり着けるかは、血管壁を乗り越える時の競争相手であるその他のアミノ酸(チロシンやロイシンなど)との濃度比に大きく左右される。 専門的な説明は割愛するが、炭水化物を摂取すると膵臓から分泌されるインスリンの影響で血中のトリプトファンの比率が高まり、脳内にたどり着く割合が増加することが明らかになっている。

一言で言えば、甘い物を食べると脳内のセロトニン濃度が高まるのである。 しかも数時間のうちに。したがって、冬季うつにみられる炭水化物の欲求は、無意識的に行っている自己治療行動self-medicationであるとも言える。先に紹介したLambertらの研究と合わせて考えると、朝に炭水化物をしっかり取って、日照を浴びると午前中に気分が回復するのに効果的であることが分かる。

実際、冬季うつの患者さんに糖質リッチな食事を摂らせると、高タンパク食摂取時に比較して活力と多幸感が増大する。 間接的に抗うつ薬であるSSRI(セロトニン再取り込み阻害剤)を服用しているようなものだ。 女性がイライラしているときに甘味を求めるのも似たような機序ではないだろうか。

今日はクリスマス。 辛いことがあった人、寂しい人は、昨晩のクリスマスケーキに引き続き、今日もバナナケーキを食べてハッピーな気分になりましょう。メリークリスマス!

次回は本シリーズの最終回で、我々が失ってしまった季節を知る能力と冬季うつとの関係についてご紹介する。

睡眠研究=2

=資料・文献 (The Wallstreet Jouurnal)=

子どもの就寝時間で重要なのは規則正しさ(その二)=米研究

今回の研究は7月に英医学専門誌の疫学地域保健雑誌のウェブサイトに掲載されたもので、1万1178人の子どもたちを対象に就寝時間と認知能力の成績を調べたものだ。

対象となったのは、全英規模で長期的に行われたミレニアムコホート研究に参加した2000年から02年の間に生まれた子どもたちだ。

母親たちは子どもが3歳、5歳、7歳のときに就寝時間を尋ねられた。3歳の子どもの20%近くは決まった就寝時間がなかった。その数値は5歳では9.1%へ下落し、7歳では8.2%に減った。母親たちは社会経済学や人口統計学に関することや、家族の日常生活についても聞かれた。

子どもたちは7歳のときに読解力、算数、それに空間認知能力に関わる評価を受けた。サッカー氏によると、その結果、最も成績が悪かったのはかなり早い時間か、もしくはかなり遅い時間に就寝しているか、または就寝時間が一定していない子どもたちだった。しかし、家庭内の他の要素が加味されると、就寝時間が一定していない子どもたちだけが点数が低いことが分かったという。

重要なのは一定の睡眠パターンだ。サッカー氏は「3つの年齢のいずれでも、不規則な就寝時間の子どもたちの方が、就寝時間が一定している子どもたちより成績が目立って悪かった」と指摘する。特に3歳から7歳の間に規則的な就寝時間を確立しなかった女児に顕著だという。

今回の研究の共同執筆者で、UCLの疫学と公衆衛生のイボン・ケリー教授は、なぜ女児の方が影響を受けやすいのか不明だと話す。ただ、読解力と空間認知能力で男女の点数には統計学上目立った違いはなかったが、算数で顕著だったという。

睡眠研究=3

>

 === 続く ===

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