睡眠の都市伝説の真意 =034=

☆彡 睡眠の都市伝説を斬る =三島和夫・睡眠研究者= 彡☆

【この企画は“Webナショジオ・連載/睡眠の都市伝説を斬る”に追記補講した】

光は「いつ浴びるか」より「浴びた量」 冬季うつのメカニズム =1/3=

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旧年の話題で恐縮だが、2014年の冬至は12月22日であった。今年は冬至と新月が重なる19年に一度の朔旦冬至(さくたんとうじ)で、昼夜を通して最も明かりが少ない1日らしい。これ以降は明るくなるばかりということでお目出度い日とされているらしいが、暗いのが苦手な冬季うつの方にとっては迷惑この上ない。縁起物のカボチャはトリプトファンをたっぷり含んでいるので、日光浴と合わせて冬を乗り越えていただきたい。

これまで2回にわたり日照時間の話ばかりしてきたが、実は冬季うつの発症に「日長」と「日照」のどちらが大事か? というかなりマニアックな科学論議がされてきた。この2つの違い、お分かりですか?

日長時間とは日の出から日没までの時間である。一方、日照時間は1日のうちで「直達日射量」が120W/m2以上になる時間と定義される。ざっくりと言うと直射日光で物の影ができる程度の日差しが出ている時間である。日長時間と日照時間は概ね比例するが、もう1つ日照には「量」という考え方がある。日照時間は同じでもお天気次第で日照量は大きく異なってくる。

冬季うつは高緯度地域でよく発症することが疫学調査ではっきりしたので、当初は日長時間の大きな季節変動が主な病因と考えられていた。緯度が高くなるほど日長時間の季節変動が大きくなるからだ。日長時間は夏至で最長、冬至で最短となり、札幌では4時間半もの変動が生じる。

冬季うつに有効な高照度光療法も朝と夕方に数時間ずつ太陽光に近い強い光を浴びる、すなわち夏季の「日長時間」をシミュレートするという極めて単純な発想から始まった。人工光でニセの日の出と日没をでっち上げ、脳と体を夏と勘違いさせようというのである。ジョークのようなその試みは大成功した。1980年代初めのことである。速効性があり、治療効果の大きい患者さんでは数日でうつ症状が改善する場合もある。

実際、日長時間の季節変動は多くの生物の行動に大きな影響を及ぼしている。例えば、動物では渡り、回遊、生殖などが、植物では花芽形成、落葉などが日長時間に応じて特定の時期に精確に生じており、このような現象を「光周性」と呼ぶ。

光周性のメカニズムもかなり詳しく解明されていて、メラトニンがその鍵を握っている。メラトニンは体内時刻を体中に伝えるホルモンだが、別名Dark hormone(暗闇を伝えるホルモン)とも呼ばれる。というのも、メラトニンは昼にはほとんど分泌されず夜になると活発に分泌される特徴があり、日長時間に応じて分泌時間が変動するためだ。鳥やネズミなど多くの動物は日長時間をメラトニンの分泌時間の長短という信号に変換して季節を感知しているのだ。

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=資料・文献 (The Wallstreet Jouurnal)= 

自分に最適な就寝時刻の見つけ方(1)

多くの人は自分を「早寝早起き」タイプか「宵っ張り」タイプかに分類している。だが、そうした人でも最適な就寝時刻をなかなか見いだせないでいる。 そこで、スタンフォード大学医学部の睡眠医学科で臨床教授を務めるラファエル・ペラーヨ氏に話を聞いた。 ペラーヨ氏は就寝時刻を見つけるためのコツや、なぜ8歳の子供は理想的な睡眠が得られるのかについて語った。

脳は時を刻んでいる

ペラーヨ氏によると、脳の視床下部の近くにある、視神経が交差する視交叉上核(しこうさじょうかく)は1日約24時間10分の時を刻んでいる。「夜になると眠たくなるのはこのためだ」という。実際、この体内時計は非常に重要であるため、脳の他のどの部位よりも血流が多く、たとえ脳卒中に襲われても、ここはほとんど破壊されない。「時間を刻む能力はかなり根本的に必要とされているものだ」とペラーヨ氏は言う。人間は昼行性であり、成人の寝る時刻は通常「日によって変わる」ものではない。

生存するために身につけた警戒能力

人間の警戒レベルは常に一定というわけではない、とペラーヨ氏は指摘する。長い進化の過程で人間は睡眠パターンを発展させ、生存するための必要性に応じて警戒力を身につけてきた。

「人は睡眠をガソリンのようなものだと考えている。だがよく眠れた朝は燃料タンクが一杯だから警戒力も最高かというと、そうではない」という。「人は午前の中頃と、寝る直前に最も警戒力が強くなる。昼下がりの時間帯には警戒心が弱まるが、それは一日のうちで最も気温が高い時間帯であり、ライオンが襲ってくる可能性が低いためだ」。朝食後ではなく、昼食後に眠たくなるのはこのためだ。

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 === 続く ===

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