睡眠の都市伝説の真意 =035=

☆彡 睡眠の都市伝説を斬る =三島和夫・睡眠研究者= 彡☆

【この企画は“Webナショジオ・連載/睡眠の都市伝説を斬る”に追記補講した】

光は「いつ浴びるか」より「浴びた量」 冬季うつのメカニズム =2/3=

 睡眠研究=1

​​ さて、人でも日長時間を通じて季節を感知する能力が残っているのであろうか?

残念ながら、一般人ではその能力はだいぶ弱くなっているようだ。ワシントンD.C.の郊外にあるベセスダに居住する健康成人を対象にした調査では、夏と冬でメラトニンの分泌時間にまったく差が見られなかった。ベセスダは北緯38度53分、日本だと新潟や山形あたりにあり、それなりに日長時間の季節変動は大きい。

なぜ人で日長時間の感知能力が衰退したかその原因は分かっていない。現代生活では人工照明が発達したため、日長時間の季節間差が乏しくなっているからであろうか。低緯度地域で進化の初期を過ごした人類が、その後に高緯度地域に移動していく際に、季節を感知できない人間の方がより多く生き残れたという説を唱える研究者もいる。

ところが、である。どうやら冬季うつの患者さんではこの季節感知能力が残存しているらしいのだ。同じベセスダに居住する患者さんで調べたところ、夏と冬でメラトニン分泌時間に明瞭な差があったのだ。しかも、である。冬の分泌時間には健常者との間に差が無く、夏の分泌時間が有意に短くなっていたのである。

日照不足で発症することから光に対する感受性が低下しているイメージがあったが、むしろ敏感であったのだ。光に過敏であることが何故にうつ症状をもたらすのか詳細は不明である。しかし、秋から冬にかけての光環境の落差が何らかのトリガーを引いて、気分や食欲、睡眠に関わるセロトニン神経機能の低下をもたらしていると考えられている。

次に、日長時間や日照時間よりも、日照量が少なくなるのが問題なのではないかという意見が医療現場から湧き上がってきた。いくら夏の日長時間をシミュレートするのが効果的とはいえ、慌ただしい朝夕に数時間も光療法器の前に座っているのは大変である。もう少し負担を減らす方法はないだろうか。 これが患者さんと治療者の悩みであった。そのため、朝だけ、昼だけ、時間があるときに行う、などさまざまな変法で光療法が行われるようになった。

その結果、光療法の時間帯を変えても効果に違いが無いのではないか? そのような印象を持つ治療者が増えていった。冬季うつが広く知られるようになった1980年代後半、私は新米精神科医として秋田で診療をしていた。冬季うつの患者さんをおそらく日本でも最も多く診察していたと思うが、やはり同じような印象を持っていた。「いつ浴びるか」より「浴びた量」だと。

1990年代に、さまざまな時間帯における光療法の効果検証試験が多数行われた。体内時計(生体リズム)に及ぼす影響は光を浴びる時間帯によって大きく異なるため、どの時間帯の光療法が最も有効であるか知ることは冬季うつの病因論にもつながる関心事でもあった。

睡眠研究=2

=資料・文献 (The Wallstreet Jouurnal)=

 自分に最適な就寝時刻の見つけ方(2)

睡眠周期

人はまた、夜間に身を守る必要性から90分を周期とする睡眠法を身につけた。「人間は90分ごとに20秒から30秒間、短く目覚めるようにできている。その間に周囲を見渡し、皆が無事であることを確認し、そしてまた眠りに戻る」。母親が夜中に授乳して再び眠ることができるのもこのためだ。

「ベッドに入って眠りかけている時に戸締まりが気になり始めたものの、睡魔に負けたとしよう。ところが3、4時間後には結局、起き出して戸締まりを確認しているはずだ」。 この護身術の必要性は深く身についており、安全な環境が提供されていることが睡眠に入るための最善の方法なのだ。

心を静める

昔から「午前0時前の1時間の睡眠は、午前0時以後の2~3時間の睡眠に匹敵する」と言われるが、これは全くの間違いだとペラーヨ氏は言う。「早すぎる時間に寝るのは間違い」だとし、「体が覚醒していたいときに眠ろうとするのは、流れに逆らって泳いでいるようなものだ」と指摘。

良い方法は、起きる時刻を固定し、自分の通常の睡眠時間を制限内にとどめることだと言う。(それはよく言われるような8時間ではないかもしれない)。「睡眠時間を制限することで、就寝時間が遅くなるかもしれないが、生物学的な力が働き、より早く、より深く眠れることになるだろう」

ペラーヨ氏の理論によると、「理想的な就寝時刻は寝たいと思う約10~15分前」だという。「朝7時半の起床で、睡眠時間は7時間半必要であれば、前の晩は午後11時45分にベッドに入るべきだ」

社会の中で最も理想的な睡眠をとれるのは8歳の子供だという。家庭で決められた就寝時間にまだ従っており、何の心配事もなく眠れるからだ。子供のように穏やかに眠るためには、「気を楽にし、一日が終わったと声に出して言い、ベッドで過ごす時間をあまり長くせず、そして、毎朝必ず同じ時刻に起きること」が大事だという。

睡眠研究=3

 === 続く ===

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