民族のソウル・フード探訪 =139=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

  ★ マカロニ・アンド・チーズは米国版ママの味 = 3/3= ★

郷土料理ー1​​​

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   「昔はランチでよく食べました」とレイチェルさん。 学校給食の定番で、大学の学食にも必ずといっていいほどあるらしい。なぜ子どもが好きなのかと問うと、少し考えてから教えてくれた。 「ニンジンやセロリなど、子どもって好き嫌いが多いでしょう。でも、この料理に入っているのはマカロニとチーズ、バターだけ。シンプルでクリーミーな味がいいんでしょうね」

大人になると好みが広がるため、自らはそれほど食べなくなる人も多いという。 「それでも時々食べたりすると、昔大好きで食べていた頃のことを思い出してハッピーな気分になれます」と、レイチェルさんは微笑む。 映画『ソウル・フード』でマカロニ・アンド・チーズがたっぷり入ったお皿を手渡す笑顔の食卓が、ふと思い起こされた。

しかし、マカロニ・アンド・チーズの歴史は、アフリカ系アメリカ人のソウルフードとは少し異なるようだ。 一説ではあるが、19世紀初頭に、第3代大統領トーマス・ジェファーソンによって考案されたといわれているのだ。 大使としてフランスに滞在していた頃、イタリアのパスタに魅せられたジェファーソンは、大統領になった後に手動のマカロニ製造マシーンを作製。 当時のアメリカにはなかったマカロニにチーズを絡め、焼いて食べたという。

ジェファーソンはそれをパーティーに出したりもしていた。 つまり、最初は上流階級が食べる高級料理だったのだ。その後、マカロニも一般化して高級食品としての要素は薄れていったが、マカロニ・アンド・チーズが国民食となるきっかけは1929年の世界大恐慌によるところが大きいようだ。

失業率は25%にまで上昇し、物価も高騰。 食料の一部が配給制となるなか、アフリカ系アメリカ人たちが配給チーズと、当時は安価でお腹にもたまるマカロニでマカロニ・アンド・チーズをつくって食べるようになった。 それがまず彼らの社会に広がり、さらに黒人文化を受け入れる白人が増えるにつれてより大衆化したようである。

ちなみに、クラフト社のマカロニ・アンド・チーズが発売されたのは1937年。 この年は戻りつつあった景気が再び後退した年である。 マカロニ・アンド・チーズはアメリカ人の食のピンチを救ってきた料理のひとつといえるのかもしれない。

「最近は高級レストランでもマカロニ・アンド・チーズがメニューにあるんですよ。 ロブスターや肉料理と一緒に提供するのが流行っているんです」とレイチェルさん。 インスタントというイメージが強いこの料理を再評価しようという流れがあるらしい。「大人になったから食べないなんて、もったいないですもんね」と私が言うと、レイチェルさんは懐かしそうな目をした。

食事をしながら、レイチェルさんはマカロニ・アンド・チーズにとどまらないアメリカの食事情について話してくれた。 次回は、やはり国民的な食べ物としてレイチェルさんがあげてくれたバーベキューを中心に話をすすめようと思う。

郷土料理ー2

アメリカのマカロニ・アンド・チーズ(国民食)

一説には、アメリカ第3代大統領トーマス・ジェファーソンがアメリカ独立戦争後のアメリカ大使として1787年にフランスに行った際、イタリアから持ち帰ったパスタ製造機で作ったのがマカロニ・アンド・チーズの原型だと言われている。 しかしパスタ製造機がアメリカに合わないものだとはっきりわかった後は、ジェファーソンはマカロニとパルメザンチーズを自分の邸宅であるモンティチェロに輸入していた。 1802年、ジェファーソンは『マカロニと呼ばれるパイ』を州のディナーパーティーで出した。

マカロニ・アンド・チーズ自体のレシピは1824年出版、メアリー・ランドルフ執筆の料理本である『バージニアの主婦』において初めて見られる。 ランドルフのレシピはマカロニ、チーズ、バターという3つの材料を用いており、これらを層にして熱くしたオーブンで焼くというものである。 料理史研究者のカレン・ヘスによれば、この本は19世紀において最も影響を与えた料理本であったという。

1880年代半ばまでには、最も西でカンザス州までの料理本はマカロニ・アンド・チーズ・キャセロールのレシピを含んでいる。主要な原材料を工場生産することはマカロニ・アンド・チーズの価格を手頃にし、またレシピをより身近なものとしたが、それでもまだとりわけ人気な料理ではなかった。 社会により広く浸透するにつれ、高級料理としてのマカロニ・アンド・チーズの価値は失われていった。

アメリカにおいて7月14日は、ナショナル・マカロニ・アンド・チーズ・デイと制定されている。 また1937年には、アメリカの大手食品会社クラフトフーヅが、アメリカとカナダで、箱入りのインスタント食品・クラフトディナー(Kraft Dinner)としてマカロニ・アンド・チーズを販売、長く愛される国民食となる。

郷土料理ー3

 === 続く ===

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