睡眠の都市伝説の真意 =037=

☆彡 睡眠の都市伝説を斬る =三島和夫・睡眠研究者= 彡☆

【この企画は“Webナショジオ・連載/睡眠の都市伝説を斬る”に追記補講した】

『夢はレム睡眠の時に見る』のウソ =1/3=

睡眠研究=1

​​  いまさら正月の話題で恐縮だが、みなさんは新年にどのような初夢を見られたであろうか。 縁起の良い初夢としてよく知られているのは、 一富士(いちふじ)、二鷹(にたか)、三茄子(さんなすび)。  ここまでは有名だが、それ以降もあって、四扇(しおうぎ)、五煙草(ごたばこ)、六座頭(ろくざとう)。  それぞれ、末広がり、上に登る、毛がない(怪我ない)など由来があるようだ。

 残念なことに、このようなおめでたい夢、ほのぼのとした夢は比較的少ないのが普通だ。 夢の内容はどちらかと言うと奇異で、非合理で、脈絡がなく、不可思議な内容であることが多い。 不安や恐怖を伴うこともあり、時には悪夢を見てぐったり疲れて目覚めたり……。

考えてみれば夢というのは不思議な現象である。なぜなら「できるだけ何もしない」のが睡眠の大事な目的の1つだからである。 エネルギー消費を抑えて乏しい食料環境の中で生き残ることが睡眠の大命題であるのに、夢を見るときに私たちの脳はかなりエネルギーを消費してしまうのだ。

睡眠には大きく分けてレム睡眠とノンレム睡眠があるが、レム睡眠は爬虫類や両生類などの下等動物にもみられる発生学的に古い睡眠である。レム睡眠では筋肉が弛緩し、無動状態となり、エネルギー消費量は低下する。 これが生き残り戦略としての睡眠の始まりだと考えられている。 一方、ノンレム睡眠はより高等な生物にみられ、特に霊長類など大脳皮質が発達した動物では主要な睡眠となる。

さて我々は夢をいつみているのだろうか、というのが今回のお題である。睡眠に詳しい読者の方は「レム睡眠=夢見睡眠」と覚えておられるのではないだろうか。 夢は高等動物に特有の現象なのにノンレム睡眠ではなくレム睡眠と関連が深いとは考えてみれば奇妙なことである。

レム睡眠は1953年、今から60年前にシカゴ大学のKleitman教授とその大学院生Aserinskyが発見した。 その当時すでに脳波計は開発されていたが、睡眠中の脳波は覚醒時に比較して周波数も遅く単調であったため、睡眠は単なる脳の低活動状態だと考えられており、脳科学的には大きな関心の的ではなかった。

博士号のためとはいえ、ひたすら夜中に脳波測定と行動観察をさせられていた大学院生のAserinskyもずいぶん地味な仕事だとボヤいていたとかいないとか。 ところが、彼らはそれまで知られていたのとは異なる3つの特徴を持つ睡眠状態を見つけたのである。 1953年、今から60年前のことである。

第1の特徴は、その睡眠状態では眼球がキョロキョロと急速に動くことである。

通常、睡眠中には眼球はゆっくりとした動きを示す。 そこで彼らは急速眼球運動(Rapid Eye Movement)の頭文字を取ってREM sleep(レム睡眠)と呼ぶことにした。 それ以外の睡眠はやや安直ながらNon-REM睡眠(ノンレム睡眠)と命名された。

睡眠研究=2

=資料・文献 (The Wallstreet Jouurnal)= 

赤ちゃんのように眠ると瞬時に学習、睡眠が知識習得のカギ (2/2)

4時間後、研究チームはこれらの乳児が新しい文をどのように聞くかを調べることで、乳児が「1語目と3語目」の原則を習得したかどうかをテストした。 一部の新しい文は乳児が聞いた文章と全く同じ原則にのっとっていた。 中には「1語目と3語目」の原則に従っているが、意味のない全く別の単語を使っているものもあった。

驚いたことに、そのまま起きていた乳児は、4時間前に聞いた文に隠されている一定の原則、例えば「pel」と「jic」の原則を習得していた。 もっと驚いたことに、文を聞いた後に昼寝をした乳児は、「1語目と3語目が重要である」というより抽象的な原則を習得していたようだった。 それは、実際の単語が何であれ、習得していたようだ。

今月発表されたドイツ・テュービンゲン大学のイネス・ウィルヘルム氏率いる研究チームの論文は、より成長した子どもも睡眠中に学習していることを示している。 実際、彼らは大人よりも良く習得した。 同チームは子ども(8-11歳)と大人に、格子状の8つの光が一定の順序で何度も点滅する様子を見せた。 半数の被験者は夜の就寝前、残りの半数は朝の起床後にそれを見た。 10-12時間後、研究チームは被験者にその順序を説明させた。

朝に見てそのまま目覚めていた子どもと大人の正解率は約半分で、就寝前に見た大人の正解率はそれをわずかに超える程度だった。 しかし、就寝前に見た子どもはほぼ全問正解し、就寝前と起床後のどちらの大人よりもかなり良い結果を残した。

子どもがこれほどたくさん寝るのは、学習することがたくさんあるからかもしれない(幼児たちは、あの「恐怖の就寝時間」の慰めにほとんどならないと思うかもしれないが)。 逆説的なことに、われわれは子どもたちに朝早起きさせて学校に行かせ、夜は宿題のため遅くまで起こして、学ばせようとしているのだ。

報道によると、コリン・パウエル氏(元国務長官)は、イラク戦争開戦を前にして、赤ちゃんのように眠り、2時間ごとに叫びながら目を覚ましたと述べている。 しかし、本当に赤ちゃんのように眠れば、われわれはみなもっと賢くなるのかもしれない。

睡眠研究=3

 === 続く ===

前節へ移行 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/07/25/

後節へ移動 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/07/27/

 ※ 下線色違いの文字をクリックにて詳細説明が表示されます ⇒ ウィキペディア=に移行
*当該地図・地形図を参照下さい

—— 姉妹ブログ 一度、訪ねてください——–

【疑心暗鬼;民族紀行】 http://bogoda.jugem.jp/

【浪漫孤鴻;時事心象】 http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/

【閑仁耕筆;探検譜講】 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中