睡眠の都市伝説の真意 =038=

☆彡 睡眠の都市伝説を斬る =三島和夫・睡眠研究者= 彡☆

【この企画は“Webナショジオ・連載/睡眠の都市伝説を斬る”に追記補講した】

『夢はレム睡眠の時に見る』のウソ =2/3= 

 

 睡眠研究=1

​​ 第2の特徴は、レム睡眠では筋肉の緊張が低下して体動がほとんどなくなることである。 下等動物で知られていたような「動かない睡眠」の痕跡が人でも確認されたのだ。 逆に、ノンレム睡眠(特に脳波活動が大きく低下する深睡眠)は、エネルギー消費を抑えるという役割以上に、脳を休める睡眠としてクローズアップされるようになった。

そして第3の特徴がレム睡眠を一躍有名にした。 その特徴とはレム睡眠中に外からの刺激で覚醒させると被験者が夢を見ていたと回答する確率が約80%と極めて高いことが分かったのである。

「夢見睡眠」としてすっかり有名になったレム睡眠だが、実はノンレム睡眠中にも我々はかなり夢を見る。 ノンレム睡眠中でも20~60%ほどの被験者は夢を見ていたと答える。 レム睡眠中よりは低いとはいえ、かなり高いと思いませんか?

レム・ノンレムに関わらず夢を見るとはいえ、自然に目覚めたときに思い出す夢はレム睡眠中に見た夢が圧倒的に多い。 ノンレム睡眠中に見た夢は覚醒後になかなか思い出せないからだ。 一口に夢と言ってもその内容には濃淡があり、濃密な夢は思い出しやすい。 そこで夢について少し分類してみよう。

まず鮮明で込み入ったストーリー性がある夢がある。夢の中での経過時間も長く、目覚めたときにその内容をかなり詳細に語ることができる、いわゆる我々が夢と聞いてイメージする夢らしい夢である。 悪夢やセクシャルな内容の夢など強烈な情動(感情)を伴う場合もある。 このような鮮明な夢はレム睡眠時に多い。

ただし夢にはもう少し曖昧なものも多い。ぼんやりとした考え、イメージ、音、声などの感覚体験を中心としたごく断片的な夢である。 景色が見えたり、人と話したりするなど、何となくストーリーがあるものの全体として短めで脈絡がない。このような淡く短い夢はノンレム睡眠時に多い。

レム睡眠とノンレム睡眠の夢にはナゼ濃淡が生じるのであろうか? そのヒントはものを考える脳である大脳皮質の活動レベルにある。

睡眠中は大脳皮質の活動は低下するが、レム睡眠時には大脳皮質が活発となり、脳波も覚醒時に近い波形になる。 下等動物でもみられるレム睡眠の最大の目的は「体を休める」ことであり、外敵が近づいた時に反応しやすいように脳活動は比較的高めに維持されている。人でもその名残があるのだ。 レム睡眠中の鮮明な夢は活発な大脳皮質活動によって作られているのだ。

夢はレム睡眠が2、30分以上持続したときに出現しやすくなる。 よく知られているように、レム睡眠は約90分~120分の間隔で1晩に数回出現し、睡眠後半に向かうほど持続時間が長くなり、その間の皮質活動も活発になる。そのため朝方に鮮明でストーリー性のある夢を見ることが多い。

ノンレム睡眠中でも一定の皮質活動は維持されるため夢を見る。その意味で夢はレム睡眠の専売特許ではないし、2つの睡眠ステージの夢に本質的な違いはない。 ただし、ノンレム睡眠時には皮質活動が低下しているため、まとまりのない曖昧な夢になりがちである。 深い眠りから急に起こされて寝ぼけた状態の時、しばらく思考が混乱し、場所や時間が分からず困惑した経験はないだろうか。 ノンレム睡眠時の夢体験はそのような皮質活動が低下しているときの思考パターンに似ている。

睡眠研究=2

=資料・文献 (The Wallstreet Jouurnal)= 

明晰夢の利点―覚醒時の能力向上に利用 (1/2)

アンソニー・ブロクスハムさん(21)は自分の家の庭に立ち、これは夢なのかと考えていた。

はっきりさせるために、彼は自分の手を見た。自分が夢を見ていることを意識している、いわゆる明晰夢(ルシッド・ドリーム)の専門家たちは、夢を見る人は現実のチェック、つまり現実の世界とは異なるように見える細かなことをチェックすべきだとしている。  実際、ブロクスハムさんの手は鮮やかな黄色をしており、彼は自分が眠っていることが分かった。

明晰夢を見る人の一部は、自分が夢を見ていると分かると、その夢の要素をコントロールできる。  現実の世界では不可能なこと、あるいはできそうもないこと、例えば飛んだり、有名人と会ったりすることができるのだ。  最近大学を卒業した英マンスフィールド出身のブロクスハムさんは、望んでいたように空中を泳いでいる感覚を思い出した。

スイス・ベルン大学スポーツ科学研究所のダニエル・エルラッハー教授は、他の人たちはこのテクニックを、問題を解決したり、創造力を高めたり、悪夢に打ち勝ったり、あるいは身体的スキルを訓練したりするために利用している、と述べた。  同教授は明晰夢の研究をしている。

研究者らは、明晰夢が人間が覚醒している時にその能力を高められるのかどうかを知るために、ブロクスハムさんのような人を対象に調べている。

英リンカーン大学の心理学者らは6月に発表した研究で、しばしば明晰夢を見る人たちは問題解決など洞察力を含む認知機能が優れていることを発見した。  他の研究者たちは、同じことをしている夢を見る人は実際の生活でもその行動において能力が改善できることを示した。   初期の証拠はまた、明晰夢はおそらくは自己管理感覚を高めることによって、うつ症状など全般的な精神面の健康状態を改善することを示唆している。

しかし専門家によると、多くの研究は規模が小さく、明晰夢が症状の改善の原因なのか、あるいは単に改善にリンクしているだけなのか、明確にすることができない。夢の内容、覚醒の度合い、それに夢の中でのコントロールについてどの程度しばしば記憶しているかは、人によって大きなばらつきがある。

ほとんどの人は、急速眼球運動(レム)睡眠として知られる睡眠時に見ることの多い夢に気付いていない。  体が非常に深い眠りに入っている時でも、心は非常に活発な働きをしている。

夢状態での覚醒や夢コントロールの能力の付加は、映画「インセプション」で描かれたように、ほとんどの人にとっては規則的に起きるというものではない。  調査では、人間の半分ほどは少なくとも生きている間に1回はこれを経験することが示唆されている。  エルラッハー博士とそのチームの研究によると、約20%かそれ以上の人は規則的に明晰夢を見ているという。

睡眠研究=3

 === 続く ===

前節へ移行 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/07/26/

後節へ移動 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/07/28/

 ※ 下線色違いの文字をクリックにて詳細説明が表示されます ⇒ ウィキペディア=に移行
*当該地図・地形図を参照下さい

—— 姉妹ブログ 一度、訪ねてください——–

【疑心暗鬼;民族紀行】 http://bogoda.jugem.jp/

【浪漫孤鴻;時事心象】 http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/

【閑仁耕筆;探検譜講】 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中