睡眠の都市伝説の真意 =043=

☆彡 睡眠の都市伝説を斬る =三島和夫・睡眠研究者= 彡☆

【この企画は“Webナショジオ・連載/睡眠の都市伝説を斬る”に追記補講した】

朝の目覚め感をよくするには =1/3=  

 睡眠研究=1

  意識の片隅でベルが鳴っているのは分かる。 腹立たしい。 バシッと叩いて止める。 また鳴る。叩く。 何度か繰り返すうちに「そろそろマズイ」と状況認識ができるようになる。 なんとか上半身を起こすが、そのまま反対方向に倒れ込む。体が重い……ここは木星か? 重力に抵抗してようやくベッドの重力圏から離脱するのは目覚めてから10分以上も後のこと。

10分なんて甘い! 私は30分かかる、いや俺は1時間、など各所から悲鳴が聞こえてきそうだが、毎朝泥から這い出るように苦労してベッドから抜け出している人は数多い。 単なる睡眠不足のためではない。 同じような睡眠時間でもすっきり目覚める日とそうでない日があることに気づいている人も多いだろう。 どのようなメカニズムで寝起きの感覚は決まっているのだろうか。

目覚ましなどで無理矢理起こされたときに多いのだが、覚醒直後に眠気や気怠さが強く残り、頭はぼんやりして、疲労回復感がないことがある。 睡眠科学の世界では、このような睡眠から覚醒状態に切り替えができない一過性のぼんやり状態を睡眠慣性(sleep inertia)とか睡眠酩酊(sleep drunkenness)と呼ぶ。 今回はこの睡眠慣性について少し深掘りしてみたい。

睡眠慣性があると思考がうまく働かず、刺激に対する反応速度も低下するため危険業務は厳禁である。 運転中に眠気を感じてパーキングエリアで仮眠をとり、目覚めた後に運転を再開したのはよいが睡眠慣性のために逆に事故を起こしてしまったなどといった笑えない話もある。

米国で行われたある実験を紹介しよう。 参加したのは9名の健康被験者(平均年齢29歳)。 3週間にわたって毎日8時間の睡眠をとり、睡眠不足を十分に解消してから実験に臨んだ。被験者に実験室で寝てもらい目覚めた直後から認知機能テストを開始し、その後丸々24時間(徹夜込み)にわたって2時間おきに測定した結果、以下のことが判明した。

睡眠研究=2

=資料・文献 (The Wallstreet Jouurnal)=

薬に頼らず簡単に寝つく方法―アプリの催眠術が有効?(2/2)

次に「SleepEasily MP3」のパッケージを試した。 これはコロラド州デンバー在住の行動学的睡眠コンサルタントのリチャード・シェーン氏によるプログラムだ。ダウンロード用のリンクがうまく作動せず、結局、電子メールのやりとりを経て音声ファイルを手に入れるまで10日かかった。 さらに、使用方法をまとめたカードと「からだの内側の睡眠呼吸」をよく聞くための耳栓が入った一式が自宅に郵送されるまでは注文から2カ月を要した。 シェーン氏はその後、同様の問題が続いたため、注文履行会社との契約を打ち切り、ダウンロードの問題を解決するためサイトを更新したという。

ダウンロードしたプログラムには使用方法が書かれた38ページのPDFファイルが含まれている。 そこには耳栓の使用方法も記載されている。 音声のMP3ファイルにはシェーン氏がアゴの筋肉の弛緩をイメージし、「内側の睡眠呼吸」のために喉を開くよう指示する声が入っている。 睡眠呼吸とは浅くて落ち着いた静かな呼吸だという。

音声は21分間続くが、シェーン氏の言葉は貝殻の音や子守歌をイメージするよう指示しながら次第にゆっくりしたものに変わっていく。 だが彼の指示に従ってリラックスするのが難しく、私たちは途中で聞くのを止めた。シェーン氏によると、目的は眠りに入るときのからだの感覚を覚えるものだという。

最後に試したのがiPhoneと音楽プレーヤー「iPad(アイパッド)」で仕えるアプリ「ABC of Better Sleep」だ。 英国の催眠術療法士マックス・カーステン氏が開発したもので、より良い睡眠のためのヒントと、熟睡するための23分間の催眠術が含まれている。 催眠術にかけられるのは少し怖かったが、カーステン氏は催眠術から目覚められることと、緊急の場合には警告があることを約束した。

カーステン氏はまずユーザーに12分間の模擬セッションを経験させ、そこでプログラム名の「ABC」とは何かを説明する。 Aは「Are my eyelids so relaxed that I couldn’t open them if I tried?(まぶたは開けようとしても開けられないくらいリラックスしているか?)」の冒頭のA。Bは「breath(息)」のB。そして深呼吸し、いったん息を止め、体中の筋肉を使って息をはくようカーステン氏は指示を出す。 Cは「sea(海)」。 水中に浮かんでいることをイメージするためだ。

アプリにはベッドの中で行う23分間の催眠術が含まれている。催眠術が終了する頃には私たちは寝ついていた。翌朝の気分は最高だった。カーステン氏はアプリの中で、1週間このアプリを使用すれば、その後必要なくなると言っている。 1週間後、確かに、私たちは自力で簡単に寝つくことができるようになった。

睡眠研究=3

 === 続く ===

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民族のソウル・フード探訪 =146=

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【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

  ★ 下町で味わう 東欧の秘境モルドバ料理 =1/2= ★

​ ​​郷土料理ー1

​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​失礼ながらその国を知らなかった。 ルーマニアとウクライナに挟まれた、九州よりもやや小さい面積の国・モルドバ共和国。存在を知ったきっかけはあるニュース。 昨年12月8日に在日モルドバ大使館が、そして今年1月1日に在モルドバ日本国大使館が開設されたと聞いたからだ。

大使館ができたということは、両国にはそれなりの交流があるはず。 調べてみると、モルドバは農業国であり、特にワインの生産が盛んで、近年は日本にも入ってきているようだ。 日本には159人(2014年6月時点)のモルドバ人が住んでいて……そして見つけました、日本唯一らしいモルドバ料理の店を。

 その店は東京の葛飾区亀有にあるという。 亀有といえば、漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』で知られる「ザ・下町」。昭和のにおい漂う町並みにモルドバの店がどう溶け込んでいるのか、そんな興味も抱きつつJR亀有駅に降り立った。

住宅と商店が混在するエリアで、その店は大きな国旗を掲げて主張していた。 しかし、店の入り口に立って少し戸惑う。屋根が付いた和風の引き戸。 そして看板には……居酒屋 NOROC(ノーロック)?

「2014年の12月にオープンしたんですが、ここは下町ですからね。 レストランにすると敷居が高くなる。 ましてやモルドバなんて知られてない国は敬遠されかねないので、親しみやすい居酒屋にしたんですよ」

そう教えてくれたのはオーナーの倉田昌明さん。 店内にはテーブル席のほかに座敷もあってまさに居酒屋。 それでいて、モルドバの風景写真やロシアの民芸品マトリョーシカが飾られて異国情緒も醸す。 この肩の力が抜けた雑多な空間、不思議と居心地がいい。

しかし、メニューにあるモルドバ料理は本格的。担当するのは倉田さんの奥様でモルドバ出身のディアナさんだ。 モルドバのソウルフードを尋ねると、「国民みんなが好きな料理の中で、特に私の思い入れが強いものです」と言って出してくれた。

「ママリーガとトカナです」

お皿に乗っていたのは、角切りにした肉の煮込みと蒸しパンのようなもの。 ニンニクの香りがふわりと漂い食欲をそそる。

「ママリーガはモルドバの主食の一種。トウモロコシ粉に水と塩を入れて、弱火にかけながら練り上げます。ある程度固くなったところでバターを混ぜてできあがり。 トカナのような肉料理やチーズと一緒に食べます」

郷土料理ー2

 まずはママリーガだけを口に入れた。見ためよりもギュッとしていて固め。 バターの風味がふわっと香り、やがてトウモロコシの自然な甘みが舌に伝わってくる。 クセがないのでどんな料理にも合いそうだ。

一方、トカナは玉ネギの煮汁で豚肉を煮込んだ料理で、豚肉が口の中でほろりとくずれるほどやわらかい。 ニンニクと唐辛子などのスパイスで味付けをしているが、ニンニクがきいたパンチのある味なので、マイルドなママリーガがよく合う。 ママリーガに肉とトロトロの玉ネギをのせて、マリアージュが生み出すうま味をゆっくりとかみしめる。

「トカナは休日に家族と一緒に食べる料理なんです。 どこの家庭でも同じですが、私にとって思い出深いのは、年末の休みに田舎の祖父母の家にいくと、おじいさんが家畜の豚をほふって大きな鍋でトカナをつくってくれたこと。 それをママリーガと一緒に家族みんなで食べるのが美味しくて。 いつも楽しみにしていたんです」

トカナは何時間もかけて煮込むという。孫たちを喜ばせようと準備しているおじいさんの後ろ姿がまぶたに浮かぶ。

「トカナはお家ごとに味が違って私も家の味を受け継いでいるけれど、日本に来てから唐辛子を少し入れるようになりました。モルドバは塩とコショウがメインのシンプルな味だけど、日本人は辛い料理とか好きだからね」とディアナさん。 そこに、「トカナに限らず、モルドバ料理はすごく時間がかかるんですよ」と倉田さんが話を継ぐ。

郷土料理ー3

 === 続く ===

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