睡眠の都市伝説の真意 =044=

☆彡 睡眠の都市伝説を斬る =三島和夫・睡眠研究者= 彡☆

【この企画は“Webナショジオ・連載/睡眠の都市伝説を斬る”に追記補講した】

朝の目覚め感をよくするには =2/3=

 睡眠研究=1

​​  1日の中で覚醒直後の成績は最も悪く、平均してピーク時の65%に過ぎず、徹夜明けよりも大幅に低い水準であった。 この睡眠慣性による認知機能の低下は短時間では回復せず、覚醒から1時間たってもピーク時の80%台にとどまり、午後の眠気のある時間帯や深夜帯と同水準であった。

 睡眠慣性があると頭が働かず事故のリスクが高まるのは当然で、見かけ上は覚醒しているが脳はまだ半覚醒だからである。 実際、脳波を測定すると周波数が低いままである。 脳波は周波数の高いものから順に、β波(ベータ:14~30Hz)、α波(アルファ:8~13Hz)、θ波(シータ:4~7Hz)、δ波(デルタ:1~3Hz)の大きく4つに分けられる。しっかりと覚醒し注意力が高い状態ではβ波が多くみられる。

閉眼して安静にしているときはα波が主体となり、ウトウト(まどろみ)状態になるとα波が減少して代わりにθ波が出現してくる。 徐波睡眠(深い睡眠)になるとδ波が主体となる。睡眠慣性があるときの脳波ではθ波やα波が多くみられ、目は開いていても脳はウトウト状態なのである。

当然ながら、脳活動が低い深睡眠(睡眠段階3、4)から急に覚醒すると睡眠慣性が強く出やすい。 たとえば寝ついてから1時間後~3時間目あたりは深睡眠の真っ最中で、この時期に急に起こされるとひどい睡眠慣性が生じる。 一方、浅い睡眠(睡眠段階1、2)から覚醒したときは比較的短時間で睡眠慣性から回復できる。

睡眠慣性は昼寝でもみられる。昼休みや仕事の合間、授業中、休日の午後などに軽くうたた寝のつもりが1時間以上寝てしまい、目が覚めてもしばらくボーッとして仕事にならなかった経験はないだろうか。 それは昼寝の間に深い睡眠段階にまで入ってしまったためである。過ぎたるは及ばざるがごとし。 昼寝も適度に抑えた方が目覚め感がよく効果的なのだ。

特に若い人の場合には入眠してから深睡眠に至るまでの時間が短いので要注意。 30分ほども寝ると半数以上では深睡眠に入ってしまい目覚め感がかえって悪くなる。そのためスマホでタイマーをかけるなどして20分程度の短い昼寝にしておいた方がベターだし、その程度の昼寝でも眠気はかなり解消できる。 同じことは長距離運転中の仮眠にも言える。 睡眠慣性が長引くような長い仮眠はむしろ危険である。

睡眠研究=2

=資料・文献 (The Wallstreet Jouurnal)=

睡眠の質を高めるには―有能な人の睡眠時間は平均8時間36分 (1/2)

1980年代に米中西部の労働者階級の家庭で育ったこともあり、私は睡眠が真っ先に削ぎ落とすべきコストであることを学んだ。私が若いころに尊敬していた人たちは決まって、ほんの数時間の睡眠しかとっていないことを自慢していた。これはまじめな労働倫理に基づくものだが、私は睡眠が必要だということを弱さの象徴とみなすようになった。 そして今でも私は職場でこうした認識を持ち続けている。 職場ではプロジェクトに携わり、夜遅くまでオフィスに残ることが名誉だとみなされている。

問題は、1時間睡眠を減らすことが1時間の残業と釣り合いがとれないことだ。 多くの場合、その反対だ。睡眠が1時間減れば、翌日の満足度や生産性、健康、思考能力が低下する。 K・アンダース・エリクソン教授が実施した人間の能力に関する研究の1つでは、最も能力を発揮する人々は1日あたり8時間36分睡眠をとっていることが分かった。 ちなみに、米国民の平日の平均睡眠時間は6時間51分だ。

睡眠が十分取れていないときには同じ人物とは思えないようになり、それは明確に現れる。睡眠が十分でなければ、ネガティブな出来事の連鎖につながりかねない。 仕事ではあまり成果を出せず、いつもしている運動ができず、食生活も乱れる。

睡眠不足は犠牲を伴う。ハーバード・メディカル・スクールの調査によると、米国では睡眠不足のために失われた生産性のコストが年間630億ドル(約6兆5800億円)に達する。問題は睡眠を理由に人々が仕事を休むということだけではない。それ以上に重大な問題は、人々が寝不足の状態で仕事をしていることだ。 ある科学者は、4時間の睡眠不足は缶ビール6本を飲んだのと同じくらいの機能障害を生じると主張している。 米国立睡眠財団の調査によると、調査対象となった人々の約3分の2は平日は十分な睡眠が取れていない。

睡眠研究=3

 === 続く ===

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民族のソウル・フード探訪 =147=

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【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

  ★ 下町で味わう 東欧の秘境モルドバ料理 =2/2= ★

​ ​​郷土料理ー1

​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​「結婚したばかりの頃、朝起きると彼女がキッチンに立っている。 朝食の準備をしてくれているのかと思って聞くと、なんと夕食の準備をしていたんです」。 びっくりしてディアナさんを見ると笑顔でうなずく。特別な日ならいざ知らず、日常的なことらしい。

「パンやペレメニ(餃子のような料理)の皮はもちろん、チーズやサワークリームも自分でつくっているんです。 モルドバでは買うこともあるけれど、日本のチーズはしょっぱくてモルドバ料理に合わない。 だから余計に時間がかかっているかもね。今日も朝食べるパンに練りこむチーズをつくっているところですが、これは32時間くらいかかるんですよ」

 パンの材料をつくるのに32時間……。 しかし、ディアナさんは楽しそうでサワークリームを味見させてくれた。 まろやかでコクがあるのに後味はさっぱり。 手づくりならではのキメの細やかさがある。 思わず、「すごいなあ」と感心すると、「私はまだまだ勉強中です」と意外な言葉がかえってきた。 「私のお母さんは30年もお店のキッチンに立っていた人で料理がすごく上手。お母さんの味にはかないません」

それなら、やっぱりお母さんに料理を教わったのか。 そう尋ねると、これまた意外にも首をふる。 「子どもの頃、手伝おうとするとお母さんは決まってこう言うんです。 いまはやらなくていいのよ、結婚したらいっぱいつくれるんだからって。 それでも美味しくつくれるようになりたいから、お母さんがつくっているところを見ながら覚えました」

そして結婚したディアナさんは旦那さんやお子さんのために料理をつくるようになった。 とはいえ、まさか店を開くとは思っていなかったそうだ。 それも日本で。ディアナさんはダンサーで、国の派遣で日本にやってきた。 そして各地で公演しているなかで、共通の友人を介して倉田さんと知り合ったという。 居酒屋を始めたのは、モルドバという国を日本人に知ってほしいと思ったからだとディアナさんは言う。

「ロシア料理の店はたくさんあるけれど、モルドバ料理はどこにもなかった。 それにモルドバはワインの国。 美味しいワインがたくさんあって日本にも入ってきているのに、日本人はフランスとモルドバだったらフランスを選ぶでしょう。 ここでモルドバワインを飲んでファンになってくれたらと思ったんです」

モルドバは欧州では特に古いワインの産地で、紀元前3000年頃にはつくられていたという。国の主要産業として栄え、英国をはじめ欧州各国の王室でも愛飲されている。 都市部を除いてモルドバ人の多くはブドウの自家農園を持っていて、自分たちでもワインをつくるそうだ。 すすめられて赤ワインを1杯いただいた。ほどよいコクで渋みが少なく、華やかな香りが鼻腔に残る。

「店を始めて1年余り。日本人の常連さんもたくさんできました。 それに在日のモルドバ人やルーマニア人、ロシア人も来てくれます」と倉田さん。 モルドバは15世紀にルーマニア系の人たちが設立した国だが、オスマン・トルコの支配下に入り、その後もロシアとルーマニアの間で領有権が争われるなど複雑な歴史をたどってきた。

料理もその影響を受けていて、ボルシチはモルドバでも食べられるし、文化も言語も近いルーマニアではママリーガはとてもポピュラーな料理だ。 店にはロシア人やウクライナ人のスタッフもいて、ロシア料理も出すという。 この居酒屋に国境はない。

「今度、在日モルドバ人みんなでモルドバパーティをするんです。 モルドバの料理を並べて、モルドバのワインで乾杯する。在日モルドバ人は数が少ないし、住んでいるところもバラバラでなかなか集まれなかったけど、この店ができたことが気楽に集まるきっかけになった気がします」

ディアナさんは笑顔で言う。 もちろん、ママリーガとトカナは欠かせないそうだ。 「モルドバ人が店にくる時は誰もが決まって注文するんです。それに大切な家族が集まった時に食べる料理ですからね」

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