睡眠の都市伝説の真意 =045=

☆彡 睡眠の都市伝説を斬る =三島和夫・睡眠研究者= 彡☆

【この企画は“Webナショジオ・連載/睡眠の都市伝説を斬る”に追記補講した】

朝の目覚め感をよくするには =3/3=

 睡眠研究=1

​​ テスト勉強で睡眠不足のまま試験に臨むのは仕方がないとしても、試験前にウトウトするのは禁物である。 特に数学の試験の場合は要注意。 20分程度の居眠りでも目覚めた直後は計算能力が約20%ダウン、50分の居眠りでは35%ダウンするという研究結果もある。 学生諸君は試験会場で眠気が出ないように普段からこつこつ頑張っていただきたい。

ふだんの眠りで目覚め感をよくするための誰でもできる秘策はない。 すぐに思いつくのは、6時間後や7時間半後などレム-ノンレム睡眠周期である90分の倍数で覚醒する(目覚ましをかける)方法である。 明け方のレム睡眠が終わった直後の浅い睡眠段階で覚醒することを狙ったものだが、レム-ノンレム睡眠周期には個人差があるのでなかなか理論通りにいかないことが多い。 しかもその日の疲労度や就床時刻によってもレム睡眠が出現するタイミングが変化する。

現時点ではさまざまなレム-ノンレム睡眠周期で目覚め感をモニターし、睡眠慣性が最も小さくなる自分なりの時刻設定を試行錯誤で見つけ出すしかない。 自宅でも簡単に測定できる簡易脳波計の開発が進んで値段も10万円を切るところまで来ている。 脳波判読ソフトの精度も日進月歩なので、浅い睡眠で心地よく起こしてくれる目覚まし時計も遠からず登場するだろう。 私のみるところ数年以内には「高級置き時計」くらいの値段で発売されるのではないだろうか。

最後に、睡眠慣性が強いとその夜の睡眠の質が悪かったのではないかと考えがちだが、それは正しくないことは指摘しておきたい。 今回ご説明したように睡眠慣性は覚醒直前の睡眠深度が関係するのであって、睡眠時間や一晩を通しての睡眠深度とは直接関連しない。 逆に睡眠慣性が少ないからといって睡眠の質がよいとも言えない。睡眠時無呼吸症候群や不眠症などでは睡眠が浅いためむしろ睡眠慣性が軽いことすらある。

次回は睡眠慣性を抑え、目覚め感をよくするための秘技「自己覚醒」についてご紹介したい。 誰もができるわけではないが、ちょっと不思議な覚醒能力を持っている人がいるのである。

睡眠研究=2

=資料・文献 (The Wallstreet Jouurnal)= 

睡眠の質を高めるには―有能な人の睡眠時間は平均8時間36分 (2/2)

今夜、1時間余分に睡眠が取れるかどうかで、翌日が惨めな1日となるか良い1日となるかが分かれる。15~30分といったちょっとした違いでも断然違ってくる。 かぎは1日に7~9時間の熟睡を目指すことだ。 これくらい長い睡眠を毎晩取るのは言うほど簡単なことではないが、睡眠の質を改善するちょっとしたコツがいくつかある。

就寝前の数時間に何をするかが最も重要だ。 米国民の90%以上が就寝前の1時間に電子ツールを使用していることを認めている。 これは明らかに問題だ。 あなたが認識していないかもしれないことは、こうした機器からの光だけでも、メラトニンの水準は最大20%も抑制されるということだ。 このメラトニンの抑制は睡眠にとってもっと直接的な脅威となる。 こうした問題を回避するために、通常の就寝時間の1時間前には電子機器の使用をすべて停止し、就寝前の数時間は明るい光を避けたほうがいい。

睡眠に適した寝室の環境を整えることも、眠りに落ちる良いスタートとなり得る。 日中慣れている温度より数度低い部屋で眠るほうが容易だ。 そうすれば、自然な体内時計のために夜中に目覚めることを回避できる。 同じ原理が騒音についても言える。 ホワイトノイズ(白色雑音)アプリといった機器の使用によって、不必要に起こされるような騒音をかき消すことができる。 質の良い眠りに重要なのは、できるだけ変化を取り除くようなルーティーンを作り上げることだ。

7~9時間の質の良い睡眠を何よりも優先すべきだ。 まず睡眠を優先すれば、しっかりとした運動を行ったり、仕事でもっと多くを達成したり、愛する人々にもっとよく接したりできる公算が高まる。 睡眠時間はコストではなく、前向きな投資だということを覚えていてほしい。 この話題に関するすべての調査は、睡眠は家庭でも職場でも本質的な価値と考える必要があることを示している。

睡眠を犠牲にすることは、もはや強さの証しとはならない。

睡眠研究=3

 === 続く ===

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民族のソウル・フード探訪 =148=

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【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

味の七変化を楽しむ チリの庶民料理 =1/3= ★

​ ​​郷土料理ー1

​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ きっかけは1月末に発表された財務省の貿易統計。 日本における昨年のボトルワインの輸入量(スパークリングワインを除く)で、南米のチリ共和国が長年トップだったフランスを抜いて1位になったという。

チリワインの魅力を一言で言うと「安くて美味しい」。 もともとの物価に加えて、2007年に結ばれた日本・チリ経済連携協定によって段階的な関税の撤廃が決まったことが理由にあるらしい。 そのうえ、ワインの産地であるチリ中部はブドウ栽培に適した地中海性気候。良 質なブドウが栽培され、ワインのほかにブドウの蒸留酒「ピスコ」もつくられている。

確かにチリワインは酒屋でも飲食店でもよく見かけるようになった。 だけど、チリ料理はどうだろうか。考えてみたがこれというものが浮かんでこない。 そこで、日本に数軒しかないチリ料理のお店のひとつ、東京・中野の「ラ・カーサ・デ・エドゥアルド」を訪ねることにした。

東京メトロの新中野駅を出てすぐ、店頭にはドンとモアイ像が置かれていた。 「そうか、イースター島はチリ領だったな」とつぶやきながらドアを開けると、壁にかかっているのは南米の民族衣装であるポンチョとソンブレロ(つばが広い帽子)。 ラテン的な店内の雰囲気に気持ちも高ぶってくる。

応対してくれたのは、チリから来日して約20年という店長のアントニオさん。 さっそくチリ料理について尋ねると、「代表的なのはバーベキューですね。 チリに限らず、南米では家族や友人たちと集まるとバーベキューを楽しむんです」と言う。なるほど、確かに店頭のモアイ像のすぐそばにバーベキューグリルが置いてある。アントニオさんは話を続けた。

「でもそれは屋外で食べる場合。そのほかにチリでは、家族が集まった時に必ずといっていいくらい食卓に上る料理がありました。 それは私にとって、とても思い出深い料理です」。アントニオさんの心に残る料理とはどんなだろう。 その話を聞こうとすると、「まずは食べてみて」とその料理をだしてくれた。

「パステル・デ・チョクロです」

丸い耐熱容器に入ったそれはグラタンのように見えた。 しかし、こんがり焼けた表面の黄色はチーズではないという。「トウモロコシのペーストです。 スペイン語でチョクロがトウモロコシ、パステルはケーキを意味するんです」と、アントニオさんが教えてくれた。 つまりは、トウモロコシケーキってこと!? 甘いお菓子なのかなと想像しながら、スプーンですくってみる。

トウモロコシペーストは見た目以上にフワフワ。 その下には炒めた牛ひき肉と玉ネギをベースに、ゆでたまご、オリーブ、干しブドウが入っている。 口に入れるとペーストがほろりとくずれ、豊かな香りが広がった。トウモロコシのほのかな甘みはあるものの、牛肉やオリーブの塩気が強く、お菓子という感じではない。 しかし、具材それぞれがトウモロコシと絡み合って、口に入れるたびに味わいが変化するのがおもしろい。

郷土料理ー2

アサードとは、パラグアイやウルグアイやアルゼンチンでも食される、焼肉料理であり、チリの国民が愛する郷土料理。 因みに、アサードはスペイン語で「焼かれたもの」を意味する。

19世紀後半にガウチョの食文化が都市に伝播して生まれた。 味付けは基本的に岩塩だけであったり、チミチュリと呼ばれるタレに浸す場合もある。 家族や友人、親戚を招いて食べるのが基本であり、シェハスコのように火が立つ炭火で炙るように焼くのとは違い、火も弱まった熾火の熱で部位そのままのブロック肉を燻すように焼くため焼き上がりまで1時間強程の長時間を要し、加熱調理し終わった頃がそのまま食事時となる。

店舗などでは程よく焼けた頃合いのものを注文に応じて切り分けて供され、南米スペイン語圏においてアサードは人々の交流を深めるための役割を果たしている。 トーストしたパンにアサードで加熱調理した(チョリソー)ソーセージを挟んだ「チョリパン」は庶民の定番軽食。

カスエラはチリで一般的な料理である。 最も一般的なカスエラは鶏肉もしくは牛肉から作るものだが、豚肉や七面鳥を用いて作るカスエラも存在する。

一般的なチリのカスエラの材料としては、骨付き肉(牛肉の場合はスペアリブ、鶏肉の場合は手羽先)、ジャガイモ、カボチャであり、さらにこれらの材料を一緒に茹でた出汁も使用する。 また、出汁を使用して調理した米や、細麺、サヤインゲン、セロリ、スライスした人参、大蒜、キャベツ、その他の野菜を加える事もある。 夏季には、カスエラにトウロモコシを加える事もある。

カスエラは通常最初に液体状の出汁をすべて飲んだ後、次に肉と大きめの野菜(ジャガイモ、カボチャ、人参など)を食べる。 しかし、肉と大きめの野菜は薄くスライスされている場合もあり、この時はスープと同時に食べることもできる。

チリのカスエラはスペイン植民の料理、オジャ・ポドリーダとよく似ているが、チリのカスエラもまた”korrü”と呼ばれるマプチェの出汁にそのルーツがある。

郷土料理ー3

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