睡眠の都市伝説の真意 =047=

☆彡 睡眠の都市伝説を斬る =三島和夫・睡眠研究者= 彡☆

【この企画は“Webナショジオ・連載/睡眠の都市伝説を斬る”に追記補講した】

起きたい時に目覚める不思議なチカラ =2/3=

 睡眠研究=1-1

睡眠研究=1

​​ 自己覚醒について話すと「興奮で眠りが浅くなっているんじゃないの?」とよく問われるのだが、この自然な目覚めは眠りが浅くなるなど睡眠の質が低下して生じているのではない。 我々が行った研究では、同じ人でも自己覚醒を試みた夜は普段の夜よりも入眠直後に深い睡眠で見られる脳波(δ波)が増加していた。 効率よく脳を休めることで、睡眠後半の目覚めを楽にしているのかもしれない。 さらに、自己覚醒に成功した人の右前頭葉の血流が驚くべきことに覚醒の30分ほど前から増加することも分かった。 目が覚める前から大脳の活動が高まるのだ。

他にも、起床予定時刻の少し前にレム睡眠が登場することが多いことがいくつかの研究で確認されている。 レム睡眠時には大脳皮質の血流が増加するため、その直後に目が覚めると覚醒しやすいと思われる。 しかし、なぜレム睡眠が予定時刻の近くで増加するのか、肝心の点が不明のままである。

なかなかブレイクスルーが起こらない中、世界中の睡眠研究者や体内時計研究者を驚かせる研究が登場した。最も権威ある科学雑誌の1つである『ネイチャー』に掲載されたため大変な話題になった。 この研究では同じ被験者で日を変えて3回にわたり実験室で睡眠とホルモン測定を行ったのだが、それぞれ以下のような異なる説明をしてから消灯してもらったのである。

1)寝る前に「朝9時に起こします」と伝えて9時起こす(平常夜)
2)寝る前に「朝6時に起こします」と伝えて6時に起こす(自己覚醒夜)
3)寝る前に「朝9時に起こします」と伝えて実際には6時に「脳波計の故障で実験終了です」と言って起こす(サプライズ夜)

被験者はランダムな順番で3回の検査を受けたのだが、サプライズ夜のことはアクシデントだと思い込ませるのがポイントである。 「6時に起こされる(起きなくてはいけない)」という自己覚醒の影響をみるためには「6時に起きなくても良い」と言われた晩のデータではなく「9時まで寝るのだ」と思い込ませて突然6時に起こした時のデータと比較する必要があるのだ。 なぜなら、「6時に起きなくても良い」と言われた時点ですでに何らかの暗示効果が生じるからである。

睡眠研究=2

=資料・文献 (The Wallstreet Jouurnal)=

十分な睡眠にプラスの効果―給与や投資行動にも重要(2/3)

投資家もご注意を

ブリガム・アンド・ウィメンズ病院(ボストン)の睡眠の専門家チャールズ・サイスラー博士もこれに同意する。同博士は「一晩眠らないと、われわれの神経行動学的パフォーマンス(つまり神経の鋭さ)は法律が定義する酒酔い状態と同等にまで落ちる」と指摘した。そして、徹夜をしたときのみでなく毎晩の睡眠不足が長期にわたる場合にも同じような影響がみられると警告した。

最近、睡眠時間と賃金との関係を数値化する研究が初めて行われた。カリフォルニア大学サンディエゴ校経済学部大学院生のマシュー・ギブソン氏とジェフリー・シュレーダー氏は、賃金データと米国勢調査局の「アメリカ人の時間の使い方調査(American Time Use Survey)」で得られた睡眠時間のデータとを比較した。彼らの結論は以下のようなものだった。睡眠時間が少なすぎる人の場合、「長期にわたる平均睡眠時間が1時間増えると、賃金は16%増える。この効果は1年以上学歴が伸びたのと匹敵する」。

成人は平均で1日8時間の睡眠を必要とする、と専門家は述べる。個人によって多少の差はあるものの、多くの人が考えるよりずっと少ない。前出のサイスラー博士は、睡眠時間が足りないにもかかわらず、同じだけの生産性が維持できると考えている人は、自分をだましているのだ、と述べる。博士によれば、一晩5時間ないしそれ未満の睡眠で本当にやっていける成人の比率は「ほぼゼロ」だという。

だまされるのも無理はない。研究によると、専門的な職に就く人は疲れていても、仕事をするふりをできることが分かっている。会議に出る、報告を理解するなど、通常行っているような専門的なタスクをこなすことができるのだ。

現代の企業は、主要な従業員に睡眠不足を強制することが多く、長時間働き、夜遅くでも連絡がつくようにすることを求める。しかし、睡眠不足はよりハイレベルの脳の動きを阻害する。

われわれは疲れると、革新的な物の考え方や、創造的に飛躍したりすることが困難になる、と専門家は指摘する。自分たちの考えに新しい情報を当てはめたり、新たな教訓を学んだりすることが難しくなるのだ。非常に微妙な状況で良い判断を下すことが難しくなるほか、気分の浮き沈みが激しくなり、怒りっぽくなって、他人とうまくやっていくことも難しくなる。

英ラフバラー大学で1999年にイボンヌ・ハリソン氏とジェームズ・ホーン氏が行った研究に着目しよう。彼らは健康な若者の小さなグループを対象に睡眠不足の影響を調べる研究を行った。被験者にはゲームという形で、ビジネス状況に関する複雑なタスクや、クリティカル・リーディング(文章を正確に理解した上で、論理的に考察する)のタスクが与えられた。研究の結果、睡眠不足グループはリーディングにはついてこられたものの、複雑なゲームとなると、「ついていくふりすらできなくなった」ことが分かったという。

睡眠研究=3

 === 続く ===

前節へ移行 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/08/04/

後節へ移動 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/08/06/

 ※ 下線色違いの文字をクリックにて詳細説明が表示されます ⇒ ウィキペディア=に移行
*当該地図・地形図を参照下さい

—— 姉妹ブログ 一度、訪ねてください——–

【疑心暗鬼;民族紀行】 http://bogoda.jugem.jp/

【浪漫孤鴻;時事心象】 http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/

【閑仁耕筆;探検譜講】 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中