睡眠の都市伝説の真意 =049=

☆彡 睡眠の都市伝説を斬る =三島和夫・睡眠研究者= 彡☆

【この企画は“Webナショジオ・連載/睡眠の都市伝説を斬る”に追記補講した】

え!? 花粉症で眠りの三重苦!!!!  =1/3=

 睡眠研究=1

​​ 3月と言えば花粉症の季節である。 アレルギー性鼻炎はその代表だろう。スギ、ヒノキなんて文字を見ただけで鼻水が……などという悲惨な人も含めてこの時期は老若男女を問わずマスク姿が激増する。 日本人のマスク好きは海外でも有名らしく、この季節に来日する海外からの旅行客は市中に出てそのマスク姿の多さにギョッとするようだ。花粉症の患者は増加する一方なので、そのうちにインフルエンザ→スギ・ヒノキ→ざわちん→ヨモギ・ブタクサ→インフルエンザ、と1年中マスクピープルだらけになってしまうかもしれない。

アレルギー性鼻炎では、くしゃみ、鼻水、鼻詰まりが3症状と言われる。 そのまま鼻炎薬のCMのうたい文句になっているほどだが、これら以外にもさまざまな症状に悩まされる。勉強や仕事に集中できない、思考力や記憶力が低下する、人付き合いが煩わしい、倦怠感、疲労感、いらいら、ゆううつ、などなど。そして忘れてはならないのが、これらの症状を直接間接に引き起こしているのが睡眠問題だということだ。

たとえばアレルギー性鼻炎がある人を対象にしたある睡眠調査がある。 回答者の平均年齢は40歳だが75%以上が睡眠で困っており、同年代の一般人に比較して寝つきが悪い、夜中に目が覚める、熟眠できないなどさまざまな不眠症状が高率にみられた。 また50%以上の回答者が日中の眠気に悩んでいたという。 これはとんでもなく高い数値である。アレルギー性鼻炎によってなぜこれほど多くの人が夜はウツラウツラ、昼はボーッとした春先を過ごさなくてはならないのだろうか。 その理由は、彼らが眠りと目覚めを妨げる三重苦を抱えているからなのだ。

第1の苦難は、鼻づまり(鼻閉)によって眠りの質が悪くなってしまうことだ。 鼻閉はとりわけ夜間に悪化する。鼻から息が吸い込みにくいため喉の奥(咽頭)に陰圧がかかってつぶれてしまい、ひどいときには息が止まってしまう。睡眠時無呼吸症候群は肥満だけではなくアレルギー性鼻炎でも起こるのである。 苦しくなって口呼吸をすると口内や喉が乾燥してこれまた気道を塞ぎやすくなる。 当然ながら息が止まれば血液中の酸素濃度が低下して苦しさから睡眠がとても浅くなってしまう。たとえ中途覚醒がなくても睡眠がそのような状態では疲れが取れず、朝からグッタリしてしまう。

睡眠研究=2

=資料・文献 (The Wallstreet Jouurnal)= 

家族が一緒に寝ることの効用

 シーツの奪い合い、いびき、体のほてり──。 全米睡眠財団によると、これらは4分の1の米国人夫婦がベッドを分かつ理由のほんの一部にすぎない。 しかし、同じベッドで寝ることのプラス面は、こうしたマイナス面を補って余りあるのではないか。 ジョンズ・ホプキンス大学睡眠センターの副ディレクター、レイチェル・E・サラス氏は、こう考えている。

安全さと暖かさ

睡眠の歴史を研究してきたサラス氏は、人間の家族は何千年もの間、1つのベッドで寝てきたと指摘する。 「穴居時代だけでなく、もっと最近になっても人間は頻繁に入浴もせず、服もあまり持っていなかったので裸で寝ていた。 一緒に寝ることは暖かくするために必要だった」と言う。

そして、現代では、そばで誰かが寝ていることで人間は安心できるとサラス氏は考える。

触れあいの科学

 カップルが一緒に寝ることについての科学的研究はほとんどない。 しかし、体を寄せ合うといった身体的な接触が、いわゆるラブ・ホルモンの一種であるオキシトシンの分泌を増やす。 それは体をリラックスさせて血圧を下げ、ヒーリング効果を及ぼすとサラス氏はみている。 また、愛情や安心、恋愛に関連した感情を高めるという。

最近の研究によると、睡眠の質と夫婦の日中の触れ合いとの間には関係があるという。 男性の場合、睡眠の質が高いと、翌日の二人がより円滑になるとサラス氏は言う。 女性の場合は、日中の夫とのやり取りが険悪でなければないほど、その分、ゆっくりと睡眠を取れる。

「特定の研究を挙げることはできないが、神経学を専門とする学者として、守るべき人がそばにいるとか、守ってくれる人がそばにいるということが、睡眠の質を上げる神経伝達物質の分泌を高めるのではないか」とサラス氏は話す。

目覚ましの役目

 睡眠の質が上がると生活の質が改善されるとサラス氏。無呼吸症候群や夜驚症(やきょうしょう)、夢遊病のような睡眠障害の人は夜、一緒に寝ている人がいれば病気に気づいてくれるかもしれない。 ただし、一緒に寝ることが害になる場合もある。「そばで寝ている人がちょっとした音で目を覚ましたり、更年期で体がほてったりすることがあるなら、一人で寝る方がいい」とサラス氏は言う。

「人間は社会的動物である」

夫婦が別々に寝るというのは比較的最近の現象だ。 文化によっても異なる。「私の父はメキシコから来て、母はテキサス出身だ。 どちらも大きくなるまで兄弟や姉妹がみんな一緒に寝ていた」とサラス氏は話す。 今でも家族が一緒に寝ている国もある。「人間は社会的な動物で、誰かにそばに居てもらいたいものだ」と同氏は考えている。

睡眠研究=3

 === 続く ===

前節へ移行 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/08/06/

後節へ移動 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/08/08/

 ※ 下線色違いの文字をクリックにて詳細説明が表示されます ⇒ ウィキペディア=に移行
*当該地図・地形図を参照下さい

—— 姉妹ブログ 一度、訪ねてください——–

【疑心暗鬼;民族紀行】 http://bogoda.jugem.jp/

【浪漫孤鴻;時事心象】 http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/

【閑仁耕筆;探検譜講】 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon

民族のソウル・フード探訪 =152=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

麺大国・中国 驚きの麺料理バリエーション =2/3= ★

​ ​​郷土料理ー1

「昔の山西省では肉が貴重な食べ物でした。 だから日常的に食べる刀削麺に入れることはなかなかできません。 でも、トマトは育てるのが簡単なので、みんな自分で育てて刀削麺に入れて食べるんです。 刀削麺と聞いて山西省の人間がイメージするのがこの西紅柿・鶏蛋麺。 子どもの頃から慣れ親しんだ味なんですよ」

李さんの言葉を聞いて、思い出の味をいただくことにした。 出てきたどんぶりの中には潰したトマトと炒り卵がたっぷりかかった刀削麺。 しっかりと混ぜてから麺をすすると、トマトの香りがふわりと広がった。 シンプルな塩味でさっぱりとしているが、トマトの甘みや玉子のまろやかさが麺を包み、なんともやさしい味わいだ。

トマトって麺に合うんだな~としみじみ堪能していたら、「やたらと麺が太いトマトソースパスタって感じですね」とKさん。 あ、そうか、そりゃ合うはずだ~ってKさんたら冷静。 ちなみに、刀削麺をつくるにはへの字に曲がった長方形の専用包丁を使うが、持っていない家庭も多く、 その場合は食感が少し異なるものの、普通の包丁で生地を切るという。 それを聞いたKさん、 「うどんですね」。だから、冷静すぎだって……。

さて、刀削麺をじっくり楽しんだところでやはり麺のふるさと、他の麺も食べてみたい。 メニューを覗き込むと、そば粉の麺にえん麦の麺と約20種類の麺料理が並んでいる。 えん麦の麺は現地でも食べたなあと思い出していたら、「ブランズ」というジャガイモの蒸し麺焼きそばなるものが目に飛び込んできた。 細切りにしたジャガイモに小麦粉をまぶして蒸すらしい。

ジャガイモの麺なんてあるのかと驚いていると、さらに「これも麺なんでしょうか」とKさん。 視線の先には「ヨウミェンラオカオカオ」の文字。 えん麦の一種であるヨウ麦の麺のせいろ蒸しということのようだが、写真にあるのは薄い筒状の生地をハチの巣のように並べた不思議な料理。 「麺料理には見えないけれど……」と言うと、李さんは笑って説明してくれた。

「中国では穀物の粉を練った生地を使うものは麺というんですよ」。 もともと麺は小麦粉という意味だったが、いまはほかの穀物の粉にも用いられるようになり、広くとらえれば餃子やワンタンも麺となるらしい。 そういえば、現地には雑穀麺の専門店もあったし、トウモロコシ粉を使った蒸しパンのような料理も麺のメニューの中にあった。 刀削麺一つにいてもいろいろな具がある。そう考えると麺料理300種というのもわかる気がしてきた。

そこに「ジャガイモは穀物じゃないですね」とKさんの素早いツッコミ。 確かに……でも、緑豆の麺なんかもあるらしい。 穀物と同じような食べ方もするから含まれるのかもよ、広い大陸だからきっと細かいことにはこだわらないんだよ、とKさんに適当なことを言って、この2つを食べてみることにした。

先に出てきたのはジャガイモ麺。香ばしく炒めてあるが、小麦粉をまぶして蒸したジャガイモはもちもちとしていて確かに麺っぽい。 細切りとあったが、小麦粉にマッシュポテトを混ぜてつくるニョッキのような感じなのかも。 塩、ネギ、唐辛子、ニンニクによる味付けはピリ辛く、ついつい後を引く味だ。

郷土料理ー2

=資料=

 : 麺の誕生には諸説あり定かではない。

中国に小麦が伝わったのは前漢(紀元前1世紀前後)時代に西方との交易路が開けてからであると言われているが、他の穀物を使った麺が地中海地域で小麦粉のものに変えられた可能性も考えられる。 現在までに発見された最も古い麺類の遺物は、中国青海省民和回族トゥ族自治県の喇家遺跡で見つかった、およそ4000年前のものである。 これは小麦粉ではなく粟(あわ)で作られていた。

他に、栽培小麦発祥の古代メソポタミヤから遊牧民によって餃子(ぎょうざ)の形(アフガニスタンのオシャク、ウイグルのジュワワ)で伝わり、華北で皮が別れて麺條(生地を細長く伸ばしたもの)が生まれたとするものもある。

後漢の『説文解字』には「麺」の本字である「麪(ミエン)」は麦の粉とある。 「麵」は「麪」の音を表す部品「丏」を同音の「面」に置き換えた異体字である。 も日本の餅とは違い、小麦粉の生地をいう。 『説文解字』に「餅(ビン)」は小麦をこねた食べ物とある。 加熱法で蒸餅、焼餅、油餅、湯餅に分類された。 北魏の『斉民要術』には水引という、水中で餅を延ばして麺を作る方法の記述がある。

唐時代には2年3毛作などにより小麦が大量に収穫できるようになった。 この頃、遣唐使が唐菓子と果餅を持ち帰ったことが、日本での麺と菓子の始まりとされる。 宋(王朝)時代には南北の食文化の複合がおきて現代の麺料理の原型が誕生した。 そして、留学僧(鎌倉時代から室町時代)によって宋の麺料理が伝来した。 宋・元時代の『居家必用事類全集』には14種類の麺料理の記述がある。

郷土料理ー3

 === 続く ===

前節へ移行 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/08/06/

後節へ移動 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/08/08/

 ※ 下線色違いの文字をクリックにて詳細説明が表示されます ⇒ ウィキペディア=に移行
*当該地図・地形図を参照下さい

—— 姉妹ブログ 一度、訪ねてください——–

【疑心暗鬼;民族紀行】 http://bogoda.jugem.jp/

【浪漫孤鴻;時事心象】 http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/

【閑仁耕筆;探検譜講】 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon