睡眠の都市伝説の真意 =050=

☆彡 睡眠の都市伝説を斬る =三島和夫・睡眠研究者= 彡☆

【この企画は“Webナショジオ・連載/睡眠の都市伝説を斬る”に追記補講した】

え!? 花粉症で眠りの三重苦!!!!  =2/3=

 睡眠研究=1

​​ 第2の苦難は、アレルギー反応で産生される免疫物質によって慢性的な眠気が生じてしまうこと。 スギ花粉などアレルギーの原因物質(抗原、アレルゲン)が体に入ってくると、免疫細胞から抗体(Ig E)が放出され、その後、さまざまな細胞に作用してインターロイキン、ロイコトリエンなどの炎症性メディエイターと呼ばれる免疫物質が連鎖的に放出される。 これらの免疫物質がくしゃみ、鼻水を引き起こすのだが、中には強い眠気を生じるものが幾つもあるのだ。

「体を温めてゆっくり休みなさい」という健康法が人気を集めているが、もともと人にはそのようなシステムが備わっており、風邪を引くと免疫物質によって体温が上昇し、ウイルスの活動を弱め、免疫細胞の活性が高まり、同時に睡眠がとりやすくなるのだ。 しかし花粉症の時期にずっと日中にも眠気が続くのはかなわない。

ただでさえ眠いのにさらに追い打ちをかけるのが第3の苦難、治療薬による眠気である。 最近でこそ眠気の少ない鼻炎治療薬が登場したが、アレルギー治療薬と言えば抗ヒスタミン薬、抗ヒスタミン薬と言えば眠くなるというイメージをお持ちの方も多いだろう。 ヒスタミンはアレルギー性鼻炎のくしゃみ、鼻水の原因となるホルモンだが、同時に非常に強い覚醒効果を持つ脳内神経伝達物質としても働いている。 それに抗するのだから眠くもなろうというもの。

眠気のない抗ヒスタミン薬の条件は、鼻に効いて脳内では働かないことだが、古いタイプの抗ヒスタミン薬は血液中から脳内に移行するため大脳皮質にあるヒスタミン受容体に結合して強い眠気を生じてしまう。 これを改良して脳内に移行しにくくしたのが第2世代の抗ヒスタミン薬である。 今では第2世代が治療薬の主流になりつつあるが、未だに旧世代の抗ヒスタミン薬を好んで処方するドクターもいる。

その理由の1つがアレルギー治療と不眠対策の「合わせ技一本!」狙いである。 鼻閉がある、息苦しい、眠れない……。 そこで眠気があって鼻炎にも効くなら「寝る前に」服用すれば一石二鳥ではないかと、そのように考えるのは自然である。 しかしこれは2つの理由から誤りであることが分かっている。

第1の理由は副作用としての過剰な眠気である。確かに旧世代の抗ヒスタミン薬を服用すると寝つきは良くなる。ところがその眠気は朝になっても取れないことが多い。 それはなぜかというと抗ヒスタミン薬はいったん脳内ヒスタミン受容体に結合するとなかなか離れにくいからである。 ある脳画像研究によれば、旧世代の抗ヒスタミン薬を服用してから12時間以上経過しても、その半分は脳内ヒスタミン受容体に結合したままであったという。 血液中からは大部分が排出された後でも、である。 旧世代の抗ヒスタミン薬はなかなかしぶといのである。

その結果何が起こるのか。 私たちは以前にある旧世代の抗ヒスタミン薬と、睡眠薬、プラセボ(偽薬)を健康な若者に就寝前に服用してもらい、翌日に記憶力、計算能力、特定の刺激に対する反応時間など高次脳機能に及ぼす悪影響を比較したことがある。結果は旧世代抗ヒスタミン薬の惨敗であった。 眠いだけではなく、仕事の能率が低下すること間違いなしの結果であった。

睡眠研究=2

=資料・文献 (The Wallstreet Jouurnal)= 

完璧な昼寝とは―睡眠は芸術と科学の融合

昼寝(ないし、うたたね)にはコツがある。 各種の研究によると、昼寝のタイミングや時間にそれぞれ違ったメリットとデメリットがあるほか、その効果もその人の年齢によって異なることが分かった。 遺伝的なものが影響している可能性もあるという。

米ペンシルベニア大学ペレルマン医学大学院の睡眠科学者デービッド・ディンガス氏は、「昼寝は本当のところ、われわれが認識する以上に複雑だ」と指摘、「いつ昼寝するのか、どのくらい昼寝するのか、そして仕事ないしその後の予定に関連して昼寝を活用したいのかを慎重に検討する必要がある」と述べる。

日曜の午後にソファで昼寝するのは、責任ある大人が休息を取る完璧な方法のように思えるかもしれない。 しかし、3人に1人が睡眠不足を訴える現代では、たとえ短いものであれ、昼寝をする人が増えれば生産性が向上する可能性がある、と研究者らは指摘する。

睡眠の専門家は睡眠をいくつかの段階に分けるが、脳はおよそ90分から120分ごとにサイクルを繰り返す。 これらの段階は大きく分けると、急速眼球運動を伴う「レム睡眠」と、そうではない「ノンレム睡眠」の2つに分けられる。ノンレム睡眠は第1段階と第2段階に分かれる。 これは軽くて中程度の睡眠と、その後に起きる徐波睡眠(slow-wave sleep)と考えられている。

睡眠で一番深いタイプの徐波睡眠から目を覚ますと、医師が言うところの睡眠慣性、ないし睡眠酩酊(めいてい)を引き起こす。 これは意識がもうろうとすることで、この解消にはしばらく時間がかかる可能性がある。 このほかにレム睡眠がある。夢を見るのは通常この段階だとされる。

カリフォルニア大学リバーサイド校のセーラ・メドニック助教授(心理学)によると、最も有効な昼寝は、その人が何を必要としているのかによって変わるという。 専門家によると、注意力を短時間で高めるためには、10分から20分間のパワーナップ(軽い睡眠を取り心身の回復を図ること)をとってから仕事に戻るのが適切だ。

しかし、メドニック助教授によると、認知記憶の処理においては、60分の昼寝の方が高い効果が得られるという。徐波睡眠を含むことは、事実、場所や人々の顔を覚えるのに役立つ。 デメリットは起きたときに多少意識がもうろうとすることだ。

90分間の昼寝だと、睡眠のサイクルが完全に含まれている公算が大きく、創造性や、自転車の乗り方など手続き的、感覚的な記憶を支援する。レム睡眠をとったあと起きると、通常、最小限の睡眠慣性がある、とメドニック氏は言う。 専門家によれば、昼寝の理想的な時刻は総じて午後1時から午後4時までの間だ。 その後に睡眠をとると、夜間の睡眠に悪影響を及ぼす恐れがあるという。

睡眠研究=3

 === 続く ===

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