睡眠の都市伝説の真意 =052=

☆彡 睡眠の都市伝説を斬る =三島和夫・睡眠研究者= 彡☆

【この企画は“Webナショジオ・連載/睡眠の都市伝説を斬る”に追記補講した】

“睡眠禁止ゾーン“って何?   =1/2=

 睡眠研究=1

​​  今回のテーマは「睡眠禁止ゾーン」である。 馴染みのない表現だと思うが、睡眠禁止といっても眠ってはいけないということではなく、眠ろうとしてもなかなか眠りに入りにくい、といった意味合いである。 ゾーンとは彼女の前とか会議室など場所のことではなく、生理的に眠りにくい特定の時間帯を指す。

 1日の中でどの時間帯に一番目が冴えているか、頭がすっきりしているかと問われれば、その答えは人によってだいぶ違う。 「朝に冷たい水で顔を洗った後」なんて答えた人も通勤電車の中でグースカ寝てしまうこともあれば、昼過ぎの会議で白河夜船を漕いでいた人でもアフターファイブをエンジョイできる。 かように眠気の強さは日々の生活の中で容易に変動する。

これは疲労度や睡眠不足度が日によって大きく異なるからで、加えてストレス、仕事、運動、食事、喫煙、カフェイン、アルコール摂取などによって眠気(眠りにくさ)は刻々と変動する。 しかし、このような生活要因をできるだけ排除した特殊な方法で眠気を測定すると、1日を通じた眠気の強さにはある特徴的な変動パターンがあることが見えてくる。

それを可能にする測定方法の1つが、1日を20分のブロックに細かく分断して各ブロック内での寝付きの良さを連続的に測定する方法で、「7/13分超短時間睡眠覚醒パラダイム(7/13 ultrashort sleep-wake paradigm)」と命名されている。 7/13とは20分の内訳で、7分間は暗所で脳波をモニターしながら睡眠をとらせ(眠れなくてもOK)、13分は覚醒させる(眠くても寝かせない)。 これを24時間、つまり、72ブロックに渡って繰り返す。 私たちも以前この7/13分パラダイムを行ったことがあるが、実に大変な実験である。

さて、この7/13分パラダイムを駆使して、脳波上入眠するまでの時間(寝つきやすさ)、深睡眠量(睡眠ニーズ)、レム睡眠量(夢)が1日のどの時間帯で増減するか精密に測定することで眠気の日内変動パターンが見えてくる。

図に示したのはイスラエルの研究者が7/13分パラダイムで測定した1日の眠気の変動である。 このデータをじっくり読み解くと、人の睡眠調節(いや覚醒調節と呼ぶべきか)の巧妙なメカニズムが見えてくる。 あえて一言で表現すれば、私たちが効率良く活動できるように眠気は実にうまくコントロールされている。 結果の解説の前に日常生活で日中に眠気を抑え込むことの意味を考えてみよう。

睡眠研究=2

=資料・文献 (The Wallstreet Jouurnal)= 

早く、ぐっすり眠るためのヒント(2/2)

運動すると眠りに就きやすくなるか? :  昼間の運動は眠りの改善に役立つ。運動で疲れることによって早く、長時間眠れるようになる。 ただし、就寝1時間前の激しい運動は控えること。

代わりに就寝前の1時間は、淡い照明の中で静かな活動をすることをお勧めする。 テレビを見たり、電子メールを確認したり、アイパッドやアイポッドを使用する「iサーフ」は控えること。これらの明るい周辺光によってメラトニンの分泌が阻害されてしまうからだ。 暗めの照明で読書するか、あるいは照明の柔らかい電子書籍端末「キンドル」の使用をお勧めする。

ただし、読書も気をつける必要がある。あまりおもしろい内容だと、夢中になり、何時間も読み続けてしまうことになりかねない。 集中力をかき立て覚せいさせてしまうようなものよりも、退屈な本やリポートなど、あまり刺激のない内容のものがいいだろう。

眠りに就きにくい人は、就寝のどのくらい前からカフェイン含有飲料の摂取を控えるべきか?

カフェインは長時間作用し、夜眠気を抑えたり、夜中に何度も目を覚ましやすくする。 カフェインの半減期、つまりカフェインが切れるまでの時間は約8時間。 したがって、就寝前の8時間は極力カフェインの摂取を控えること。

時差ぼけ対策には、どのようなことをすべきか?

時間帯の異なる場所に移動したら、朝になるべくたくさんの光を浴びること。そうすることで覚せい段階が増え、体内時計の同期が促され、睡眠が改善する。メラトニンは鎮静剤としても、体内時計を新しい時間帯に適応させるためにも役立つ場合がある。

睡眠研究=3

 === 続く ===

前節へ移行 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/08/09/

後節へ移動 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/08/11/

 ※ 下線色違いの文字をクリックにて詳細説明が表示されます ⇒ ウィキペディア=に移行
*当該地図・地形図を参照下さい

—— 姉妹ブログ 一度、訪ねてください——–

【疑心暗鬼;民族紀行】 http://bogoda.jugem.jp/

【浪漫孤鴻;時事心象】 http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/

【閑仁耕筆;探検譜講】 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon

広告

民族のソウル・フード探訪 =155=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

知ってほしいクルドの味 =2/3= ★

​ ​​郷土料理ー1

 隣のキッチンではクスクスを使ったスープ、ロホケ・マストをつくっていた。 これもポピュラーな家庭料理だという。 クスクスはデュラム小麦を原料にした、いわゆる“粒状のパスタ”。 北アフリカ発祥とされるが、「クルドでも食べるのかあ」と思って見ると、なんと水をいれてクスクスをこねている。 塩コショウ、玉子、唐辛子、粉末のナーネ(ミント)も入れ、パン生地のようにこねあげていく。 けっこうな力仕事だ。

「これを団子にするんです。さあ、手にオリーブオイルを塗って」と、スープ担当の女性に促されて手の平にオイルを塗る。団子を丸めやすくするためのようだ。 よーし、やるぞと意気込むが、またびっくり。 団子というからミートボールサイズかと思いきや、大豆サイズじゃないか。 生地はハンドボールくらいの大きさがある。これから大豆サイズの団子を一つひとつ丸めるのか……。

「これはなかなか根気のいる作業ですねー」と生徒の一人が笑った。 「ほんと、ほんと」と、団子を丸めながらの会話が弾む。クルドの女性たちも世間話をしながらみんなでつくるそうだ。 「粘土遊びみたいで楽しいね」。 そうMちゃんが言うと、「楽しいのは最初だけで、だんだん面倒になるんですよ」とクルドの女性たちは笑った。

団子づくりに没頭しているうちに、ナスとピーマンの具材詰めが始まったようだ。 いったん手を止めて見にいく。 具は米にひき肉、トマトペースト、みじん切りにした玉ネギとニンニクを混ぜ、塩コショウと唐辛子、レモンスズなどで味付けしたもの。レモンスズとは粉末レモンのようなすっぱい調味料。 クルドの家庭には必ずあり、サラダなどいろいろな料理に使うそうだ。

「ひき肉は羊です。 クルド人は羊が一番好きで、私が生まれた地域ではみんな飼っています。 山の草を食べさせる夏はミルクやチーズがすごく美味しいんですよ。 料理に羊の脂を使うことも多い。 うちは6人家族だから一カ月に30キロくらい食べますね」

グレさんが言う。 1人当たり5キロとはけっこうな量だ。 具材はナスやピーマンにつめるほか、塩漬けにしたブドウの葉でも巻く。 「ブドウの葉はやわらかいので小さな子どもでも食べやすい。 クルドでは歯が生えてきたら、この料理を食べます」とグレさん。離乳食くらいの時期から食べるってことか!?

辛いが大丈夫なのかと問うと、「小さい頃から日常的に食べているから大丈夫」とグレさんは笑う。 乳幼児には刺激が強い気がするのだが、これも文化か。 「お、ビールのつまみになりそう」と言うのは、ブドウの葉を味見したMちゃん。 日常的に酒を飲むことが文化の酒好きである。

具を詰めたら蒸してできあがりだ。 ピスタチオを使ったデザートも次々と焼き上がり、サラダもできあがっている。 あとはスープかな、と振り向くと……まだ団子をつくっていた。 こりゃ大変だと手伝いに走る。 みんなで無心にコロコロと団子を丸め、ようやく生地がなくなった時には歓声が上がった。

しかし、まだ終わりではない。 羊のすじ肉を煮込んだスープにひよこ豆を加え、沸騰させてから団子を投入。 ニンニク、塩コショウで味付けし、ヨーグルトをたっぷりと加えて、最後に唐辛子粉とナーネを入れて熱したオリーブオイルを豪快に入れて完成。 なかなか手の込んだ料理だ。 「つくるのが大変だからあまり好きじゃないのよ」なんて笑う人もいた。

郷土料理ー2

= 資料 =

日本クルド文化協会によると難民などで、構成される在日クルド人の数はおよそ2000人とされる。 特に埼玉県蕨市(わらびし)や川口市を中心とした埼玉県南部には、1990年代にトルコ政府の迫害を恐れたクルド人たちが友人を頼って来日し、トルコ国籍のクルド人の難民約1300人が集住している。蕨市周辺はワラビスタンとも呼ばれている。

背景として、川口市は鋳物産業が盛えた工業の街で、中堅・中小企業が集積しているため外国人労働者に寛容だったようである。 日本政府による難民認定を申請しているものの、後述の理由もあり実際に認められるのは稀である。 日本人女性と婚姻して滞在許可を得ることを画策する人も少なくないが、不法滞在者や特別許可による滞在が大多数を占めている。

ネブロスと呼ばれるクルドの新年を祝う祭りなどを蕨市内の公園で盛大に祝う、など、彼らはクルド文化を紹介するイベントを開催し、周辺住民と積極的に交流している。 また、クルド人はもともと宗教的な民族ではなく世俗主義的であるため、イスラム主義とは距離を置いている人が多く、お祈りをしない人も珍しくない。

クルド人は建設業や飲食業で働く人が少なくない。 不法就労するものも少なくないが、日本人との婚姻等で永住権を取得するなどして合法的な就労ビザを取得した人の中には起業する人もおり、日本国内にはクルド人が設立した会社がおよそ20社ほどあるとされる。 クルド人が日本で定住を始めてから長い年月が経ち、生まれも育ちも日本というクルド人も生まれている。 しかし、就労許可が無いために大学を卒業しても就労できない者が出るという問題も起きている。

郷土料理ー3

 === 続く ===

前節へ移行 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/08/09/

後節へ移動 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/08/11/

 ※ 下線色違いの文字をクリックにて詳細説明が表示されます ⇒ ウィキペディア=に移行
*当該地図・地形図を参照下さい

—— 姉妹ブログ 一度、訪ねてください——–

【疑心暗鬼;民族紀行】 http://bogoda.jugem.jp/

【浪漫孤鴻;時事心象】 http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/

【閑仁耕筆;探検譜講】 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon