睡眠の都市伝説の真意 =053=

☆彡 睡眠の都市伝説を斬る =三島和夫・睡眠研究者= 彡☆

【この企画は“Webナショジオ・連載/睡眠の都市伝説を斬る”に追記補講した】

“睡眠禁止ゾーン“って何?   =2/2=

睡眠研究=1

 日中には活動時間に比例して疲労が蓄積する。 疲労を解消するのが睡眠の大きな役割の1つである。 したがって朝起きてから昼、夕、夜と時間が経つにつれて眠気が強くなるはずだがそうはならない。 仕事にせよ学業にせよ、日中の就業時間を通して私たちはパフォーマンスをほぼ一定に維持することができる。 そればかりか、必要があれば夕方以降も眠気に悩まされることなく残業や宿題をこなすことができる。 これを可能にしているのが蓄積した疲労(眠気)に拮抗する覚醒力である。

7/13分パラダイムの結果を見てみよう。確かに朝から夕方(16時頃)に向けて眠気は徐々に高まっていくが、そのときの眠気は普段の就床時刻(24時頃)での眠気に比べれば軽度にとどまっている。 その後も眠気が強まると思いきや、むしろアフターファイブには眠気が低下する逆行現象が見られる。 特に就寝時刻の2~4時間前(20~22時頃)は1日の中でも脳波上最も眠りに入りにくい時間帯であり、別名「睡眠禁止ゾーン」とも呼ばれる。

眠気に拮抗する覚醒力がなければ昼頃にはすでに疲労感や眠気に悩まされ、夕方には疲労困憊状態となるサラリーマンが続出するだろう。 アフターファイブともなればデート中に居眠りをしてビンタを張られる彼氏が街にあふれ、居酒屋は閑古鳥が鳴き、今以上に人口減少と不景気に拍車がかかることになるはずだ。 しかし、睡眠禁止ゾーンのおかげで街には昼間以上に元気なサラリーマンやOL、学生諸君が闊歩している。

睡眠禁止ゾーン以降の展開は急激で、普段の就床時刻の1、2時間前になってから夜間睡眠に直結する強い眠気が一気に出現してくる。 脳温は睡眠禁止ゾーン近辺でピークを迎えて覚醒度を支え、その後急降下して眠気の創出に一役買っている。 脳温と眠気の関係は「お風呂で快眠できるワケ」でも詳しく説明したので、ご興味のある方はそちらもどうぞ。 ほかにも、この時期には血圧や心拍数の低下、催眠作用のあるメラトニンの分泌開始、覚醒作用のある副腎皮質ホルモンの減少など眠るための準備作業が連動して生じる。

睡眠禁止ゾーンを維持している「覚醒力」の源は生物時計(視床下部にある視交叉上核)である。 それが証拠に、生物時計を壊した動物では睡眠リズムが不規則になるだけではなく1日の総睡眠時間が増加する。 同様の現象は視交叉上核の変性が生じる認知症などでも認められる。 生物時計が覚醒を促す神経メカニズムも徐々に明らかになってきているが紙幅の関係から詳細は割愛する。

実はこの睡眠禁止ゾーン、不眠症や認知症の患者さん、施設や病院に入院中の人々、発達障害の子供たちなど多くの人々で睡眠問題を悪化させるトラップになっている。 睡眠禁止ゾーンの存在を念頭におけば不眠症状の泥沼から抜け出せることも少なくない。 次回は睡眠禁止ゾーンを踏まえた効果的な睡眠習慣についてご紹介する。

睡眠研究=3

=資料・文献 (The Wallstreet Jouurnal)=

快眠に理想的な姿勢を探すために一晩中寝返りを打つことはありませんか?(1/3)

専門家によると、正しい寝方はないという。ただ、特定の痛みや病状によっては、その悪化防止だけでなく、緩和さえ期待できる姿勢がある。 一方、毎晩同じ姿勢で寝ていると、首や肩などの痛みを引き起こす場合もある。

米ニューヨーク市で整形外科理学療法士をしているペギー・ブリル氏は「自分が寝ている時の姿勢についてあらためて考えてみることが大切だ」と言う。 昼間に蓄積したストレスから「筋骨格系を回復させるには睡眠を取ることが重要」なのだそうだ。 そのため「睡眠時に筋肉にタンパク質を補給して体の若返りを図る際には、健全な姿勢を保つことが望ましい」と指摘する。

米マットレス・メーカー、テンピュール・ペディックが全米2000人以上を対象にした調査によると、寝る姿勢で最も一般的なのは横向きで、少なくとも57%がこの姿勢で睡眠を開始するという。 次に多かったのがあおむけで17%。うつぶせは11%だった。 そして残りの回答者の大半は毎晩違った姿勢で床に就くと答えた。

夜中に寝返りなどの動きをするのは普通だ。 録画を使った睡眠研究では、成人が一晩に寝ている姿勢を変える頻度は少ない人で3回、多い人で36回であることが分かり、平均すると約12回だという。 姿勢の変更回数は加齢に伴って減少する傾向だ。

睡眠研究=3

 === 続く ===

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