民族のソウル・フード探訪 =157=

郷土料理ー1

冒険心をくすぐる国。 マダガスカルにはそんなイメージを抱いていた。 日本からはるか遠くアフリカ大陸の東南に位置する島国で、童謡でおなじみのアイアイや体の色を変化させるカメレオン、サン=テグジュペリ作の童話『星の王子さま』に登場するバオバブの木など、珍しい動植物が多く生息する。 そんなワクワクする国の料理が東京で食べられると聞いたら、行かないわけにはいかない。

降り立ったのは東京・御茶ノ水駅。 楽器店やライブハウスが軒を連ねる「音楽の町」だ。 おもしろいことに、マダガスカル料理が食べられる店もライブハウスだという。 地下へと続く階段を降りてドアを開けると、グランドピアノが置かれたしっとりとした店内。 1969年創業の老舗ジャズ・ライブハウス「NARU」である。

「マダガスカル料理の提供を始めたのは3年くらい前からです」と話すのは、2代目オーナーの成田広喜さん。 なぜ、そんな珍しい国の料理を出すようになったのかと成田さんに尋ねる。

「偶然なんですよ。 新しいシェフを探していたら、知人からおもしろい人がいるよと紹介されて。 会った瞬間にこの人と働いてみたいと思ったんです」

それが、マダガスカル出身のエリック・ピエールさんだった。 エリックさんの専門はイタリア料理で、ある料理対決番組では川越達也シェフに勝ったこともあるという経歴の持ち主。 「だから夜はイタリアンなんですが、せっかくだからとランチでマダガスカル料理を出すことにしたんです」と成田さん。 マダガスカル料理は事前予約に限って夜も食べることができるという。

「マダガスカル料理は絶対に日本人の口に合うと思うんですよ」

そう言いながらエリックさんが厨房から出てきた。 そんな言葉を聞いたら、ますます食べるのが楽しみになるじゃないか。本来は日替わりでデザートも付いたランチセットなのだが、事前に相談していたソウルフードを出していただく。 エリックさんは私の目の前に料理がのった皿を置いた。

「これは、エノキソア・プティポワです」

エノキソアは豚、プティポワはグリンピースという意味で、豚肉とグリンピースを煮込んだ料理だという。 しかし、皿に視線を落として驚いた。 よく煮込まれているのだろう、赤みがかったスープがしみ込んだ豚のブロックとグリンピース、それがホカホカの白いごはんの上にかけられていたのだ。

盛り付けはきれいなのだが、言うなれば豚丼である。 日本人に合うどころか親近感すら覚えてしまう。 聞いたところ、ごはんはエノキソア・プティポワには含まれないそうだが、「ごはんと一緒に食べて」とエリックさん。かき込みたい衝動を抑えて、スプーンで口の中にいれた。

郷土料理ー2

=資料=

マダガスカル料理又はマラガシ料理とは、インド洋に浮かぶ島、マダガスカルに伝わる多様な料理伝統・食文化を指す。 マダガスカルで食される食品は、東南アジア、アフリカ、インド、中国及び欧州といった多様な地域から同島へ移住が行われてきたという歴史を反映している。 なお、同島の最初の移住者は、紀元1世紀から5世紀の間にボルネオ島から海を越えてやってきた航海者たちであったと考えられている。

マダガスカルの食文化において基本をなす米は、これら最初の居住者らにって、根茎類など他の東南アジアの作物とともに栽培された。 また、作物栽培を補うかたちで野生生物の狩猟がおこなわれたが、そのことは、同島の一部の鳥類や大型哺乳動物が絶滅するきっかけを作った。 これら食料源の欠けたところは、紀元1000年ごろに移入してきた東アフリカの人々によって導入されたコブウシの肉で、のちに補完されることとなった。

インド洋を媒介にしたアラブやインドの商人との交易、さらには大西洋を越えたヨーロッパ人との交易により、新しい果実、野菜、香辛料が紹介され、マダガスカルの料理伝統は豊かなものとなっていった。

米飯をベースにして、付け合わせが何かがつくというのが現在のマダガスカル料理の典型であり、それは島のほぼ全域に共通して言える。 公的に「標準」とされるマダガスカル語(メリナ方言)では、米飯を「ヴァリ」、付け合わせを「ラウカ」と呼ぶ。ラウカにはさまざまな種類があり、野菜のみの場合もあれば、動物性たんぱく質を含む場合もある。 典型的にはショウガ、ネギ、ニンニク、トマト、ヴァニラ、塩、カレー粉などを材料にしたソースにより味付けされる。

南部や西部の降雨が少ない地域においては、米飯の代わりにトウモロコシ、キャッサバ、こぶ牛の乳を発酵させた凝乳を用いる遊牧民もいる。 都市部では、甘く香りのよい各種のフリッターなどの屋台料理、そして熱帯・温帯のフルーツは島のどこでも食べられる。

郷土料理ー3

 === 続く ===

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