民族のソウル・フード探訪 =160=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

火花を散らす、中東の“ホモス・ウォー” =1/3= ★

​​​​ ​​郷土料理ー1

​ ​​まさか、道路の向こうに“中東のパリ”があるとは……。

夏真っ盛りのある日、マダガスカル料理を食べに東京・お茶の水を訪れていた私(前回参照)。 心地よい満腹感に浸りながら店を出て腹ごなしに道を歩いていると、道路の反対側に佇む一軒の店が目に留まった。

1階も2階もガラス張りのオシャレな外観なのだが、店頭に掲げられている料理の写真から感じるのは異国の情緒。 ソウルフードアンテナが反応した私は小走りで横断歩道を渡り、店の前に立った。

「ADONYS(アドニス)」というのが店の名前らしい。 その下には「レバノン料理」の文字。しかも、レストランというよりはお客さんがレジカウンターで注文し、料理を受け取ってテーブルに座る、いわゆるファストフード店のようだ。 これはおもしろい。さすがに食べたばっかりで満腹な私は、後日お腹をすかせて訪ねることにした。

レバノン共和国は地中海に面した中東の小国。 西欧風の建物が立ち並ぶ首都ベイルートは、その美しさから“中東のパリ”と呼ばれている。 数日後、改めて店の前に立つと、白と黒を基調にオレンジでアクセントを効かせたアドニスの店構えにも、洗練された雰囲気が漂っていた。

「いらっしゃいませ」

レジカウンターで応対してくれたのはカッセム・ハッシュハサンさん。 6月に来日したばかりのレバノン人だ。メインメニューはハンバーガーならぬラップサンドで、鶏肉や牛肉を巻いた5種類が並ぶ。 それにポテトやサラダなどのサイドメニュー、ドリンクのセットで頼む人が多いようだ。さっそくおすすめを尋ねる。

「一番人気はファラフェルサンドですね」

ファラフェルといえば、エジプトの料理教室で食べた“そら豆のコロッケ”ではないか(前回参照)。 聞けば、ファラフェルはエジプトやレバノンに限らず、中東諸国で幅広く食べられているという。 「レバノンはそら豆も使うけれど、ひよこ豆のほうがポピュラーですよ」とカッセムさん。 この店のファラフェルもひよこ豆だというので頼むことに。 せっかくだからセットにしよう、とサイドメニューに視線をうつすと見慣れない料理があった。

「ホモス?」

写真にあるのはクリーム色のペースト(フムスとも呼ばれている)。 「レバノンを代表する食べ物だよ」とカッセムさんがいう。それならばと、食べてみることにした。

たっぷりとオリーブオイルがかかったホモスはまろやかだった。 塩分強めでコクもあるが、全体としては甘みがあってやさしい味わい。ホブスとも呼ばれるピタパンにのせて食べることが多いようだ。 「これ、何のペーストなんですか?」とうかがう。

「ひよこ豆ですよ。 やわらかく煮たひよこ豆を、タヒーニ(ゴマのペースト)、オリーブオイル、塩、レモンなどと一緒にペーストにするんです」。なんと、ホモスもひよこ豆とは……今日はひよこ豆尽くしだ。 日本ではあまりなじみがないひよこ豆だが、トルコ南東部が起源とされ、中東では紀元前から栽培し、食されている。

郷土料理ー2

=資料=

ホモスあるいはフムスハマス(英語)は、ゆでたヒヨコマメに、大蒜、練り胡麻、オリーブオイル、レモンなどを加えてすりつぶし、塩で調味したペースト状状の料理。 レバノンとイスラエルでは、ホモスの本家争いが過熱しており、トルコ、ギリシャ、キプロス、イスラエル、パレスチナ、ヨルダン、レバノン、シリア、イラクなど中東の広い地域で食べられている伝統的な料理である。

アラブ人は、オリーブ油をホモスに混ぜる代わりに、ホモスを平たい皿に盛りつけて、円形または環形のくぼみをつくって、そこにエクストラバージンオリーブ油を注ぐことが多い。 それから、ヒヨコマメ、柘榴の実の粒、刻みパセリ、クミンスンマークの実の粉末などで美しく飾り付ける。 なお、温かいフンムスを平皿に盛り、挽肉松の実バターで炒めてかけることもある。

ホモスは、ひよこ豆で作った一種のサラダといえる。 見た目はマッシュポテトに似ていないこともない。 中東では前菜を複数並べた食卓「メゼ」の一品として、伝統的なピタというパンにつけて食べるのが一般的である他、副菜にもなる。 野菜やトルティーヤにつけるディップピタサンドイッチラップサンドイッチの具としても用いられる。

豆とゴマを原料としているので、タンパク質や植物繊維に富み、ミネラル分を多く含む。 また、オリーブオイルに由来する単価の不飽和脂肪酸も豊富で、かつ純植物性の料理なので、世界中のベジタリアンに好んで食べられている。 本来はタヒーナというゴマのペーストを利用するが、日本では入手困難なので、ほとんどの場合、練り胡麻で代用される。 ゴマの替りにピーナツバターを用いる事もある。

郷土料理ー3

 === 続く ===

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