睡眠の都市伝説の真意 =058=

☆彡 睡眠の都市伝説を斬る =三島和夫・睡眠研究者= 彡☆

【この企画は“Webナショジオ・連載/睡眠の都市伝説を斬る”に追記補講した】

睡眠の世界記録、 ラット Vs 人間  =3/3=

 睡眠研究=1

 11日間にランディ青年の身に何が起こったのであろうか。最初の2日は眠気と倦怠感、4日目には自分が有名プロスポーツ選手であるという誇大妄想、6日目には幻覚、9日目には視力低下や被害妄想、最終日あたりには極度の記憶障害などが生じたが、身体面(首から下)には大きな問題が生じなかったという。

11日間の断眠を達成した後、ランディ青年は一体どうなってしまったのか。その後も幻覚に悩まされた? 記憶障害の後遺症が残った? はたまた不眠症に陥った? いえいえ、彼は断眠終了後にたった(?)15時間ほど爆睡した後に自然に覚醒し、精神面でもなんら後遺症を残さなかったのである。

今でこそ、慢性的な睡眠不足は代謝やメンタルヘルスに多大な悪影響をもたらすことが知られるようになったが、その当時は「思いのほか、大したことが起こらないな……」という変なガッカリ感があったようだ。デメント教授自身も、ランディ青年の回復具合を見て、睡眠は案外短くても大丈夫かもしれないと誤解してしまったと後に反省を込めて述懐している。

それにしてもラットと人間では同じ断眠でも身体に及ぼす影響に大きな違いが見られた。この差はナゼ生じたのだろうか。いくつかの可能性が考えられる。まず、ランディ青年の実験では外見から覚醒していることを確認したのみで、脳波は測定していなかった。そのため、実際にはごく短時間の睡眠(マイクロスリープ)や軽度の意識障害(せん妄)が生じていた可能性がある。

せん妄状態になるとランディ青年が経験した幻覚や妄想もしばしば出現する。せん妄は生理的な睡眠とは異なるが、脳活動が低下して脳波上も浅い睡眠状態に近づき睡眠不足を補う効果がある。逆に言えば、人間はいくら完全に断眠しようとしても、意図に反して意識レベルが下がってしまうなど安全弁が働くのかもしれない。

しかし、それ以上に重要だったのは不運なラットと異なりランディ青年は不安や恐怖といった深刻な精神的ストレスを受けなかった点が良かったのではないだろうか。ランディ青年を目覚めさせるため、サポーター役の友人達が一緒に散歩をしたり、励ましの声かけをするなどしたという。このような愛情こもったメンテナンスにより、神経細胞障害や免疫能低下の原因となるストレスホルモンの分泌はラットの場合とは違ってかなり抑えられていたと思われる。戦時下や虐待など過酷な環境下で睡眠が剥奪されたとしたらランディ青年のように心身ともに無事でいられたとは思われない。

それにつけても、睡眠科学の発展のために恐怖と睡眠不足の中で命を失った動物たちに合掌。

睡眠研究=2

=資料・文献 (The Wallstreet Jouurnal)=

夫婦の睡眠パターンの違い、いさかいの原因にも (3/3)

トロクセル博士は、別々に寝ると決めた場合は、性生活について話し合い、それをなくさないように計画することが重要だと述べる。同博士は「ベッドで寝ている時間より、ベッドで一緒に起きている時間の方が重要である可能性がある」と話す。

寄り添って、ピロートークをすることも重要だ。トロクセル博士は「寝る前の充実した夫婦の時間を犠牲にすべきではない」と述べる。ベッドで過ごす時間が唯一2人だけで話せる時間だと感じている夫婦は少なくない。いつセックスするのかを含め、いつベッドで一緒の時間を過ごすのかを考えるべきだ。身体的な親密さはたとえセックスがなくても、オキシトシンというホルモンの分泌を促す。オキシトシンはストレスを軽減し、互いの絆を強める。だから、時々は一緒にベッドに入るべきだ。近況を聞いたり、一緒にいたりするだけでも良い。

冒頭のモーガンさんは、7時にパンケーキの朝食で起こされることがあまりにも多かったため、妥協案を提示した。土曜日は夫が早起きして、何でも夫の好きなことをして良い(たいていは長時間散歩をし用事を済ませている)。妻は子供たちと一緒に起き、自宅で家族一緒に昼食を取る。

日曜日は、妻は遅くまで寝る。夫は早起きするが、自宅にとどまって子供の面倒を見る。モーガンさんは「いつでも適当な時間に下に下りる」そうで、正午頃が多いという。

夫妻によると、夜はたいてい別々の場所で寝る。妻は寝室、夫は居間のソファだ。妻は夜遅くベッドに入ることで、夫を起こしたくないと考えている。また「彼の目覚まし時計が午前5時に鳴り、それを探し回ることにも耐えられない」と話す。

夫は「それ(別々に寝ること)は、してはいけないことだと思っていた」が、「こうして自分たちに合ったやり方で、事態はかなり改善された」と話す。夫妻は自分たちの性生活が活発で、自然だと話す。

夫妻はお互いのバランスが取れていると感じているという。夫は自分がより柔軟になった、妻は充実した生活が送れるようになったと話す。

妻は「もし朝型の人と結婚していなかったら、私の生活の充実度は今の半分くらいだっただろう。早起きして日の出を拝んだり、朝ビーチに行ったりすることはなかっただろう」と話した。

睡眠研究=3

=== 続く ===

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