民族のソウル・フード探訪 =167=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

★  豪快に手づかみで食べる、「五本の指」なるキルギスの伝統料理 = 2/3= ★

​​​​ ​​郷土料理ー1

  お店のドアを開けると、おいしそうな香りが漂ってきた。キルギスとロシア料理のお店「インナカリンカ」の店主が料理の準備をしているところだった。  ベシュバルマクは予約が必要(4人前~)だというので事前に相談をした際、特別につくっているところを見せてもらうことになっていたのだ。

店主の名前はインナ・キムさん。偶然にもツーリズムEXPOで会った朝鮮系キルギス人の女性と同姓同名だった。 そう、こちらのインナさんも朝鮮系なのだ。 旅行会社のインナさんの話では、キルギスの人口の3~5%が朝鮮系キルギス人だという。

「ベシュバルマクは羊のお肉が多いけれど、今日は羊と牛肉を半々。 水にお肉とジャガイモ、玉ネギ、ニンジン、それからブイヨンを入れて、お肉がやわらかくなるまで4時間ほど煮込みます」と話しながら、インナさんは力を込めて麺を練っている。 どの家も麺は手作りで、それぞれに好みの厚さがあるらしい。 麺棒で薄く伸ばした麺を、インナさんが包丁で切っていく。

でも、ちょっと待て。“小さくて四角い麺”と聞いていたので、勝手にきしめんを想像していたのだが、幅が10センチくらいあるじゃないか。  この麺が特別太いわけでもないみたいだし……これを小さいというカザフスタンの麺はどれだけ大きいんだろうか。

そんなことを考えているうちに、インナさんは肉や野菜の煮汁で麺を茹で始めた。 ここからは早い。 3~4分経ったところで釜揚げにし、煮込んだ肉や野菜をのせる。 肉は細くさくのがポイントだ。「煮汁はスープにします」とインナさん。ベシュバルマクが完成した。

平べったい麺の上に肉と野菜がゴロゴロのったベシュバルマクは何とも豪快。 しかし、それは見た目だけではないようだ。「ベシュバルマクはキルギス語で『五本の指』という意味。 本来、手づかみで食べることからその名がついたのです。 いまの家庭ではフォークを使いますが、大切なお客さんが来たときには伝統的に手で食べたりもします。 みんな、手で食べたほうが美味しいっていいますよ」

それを聞いたら手で食べないわけにはいかない。  麺と肉をガツッとつかみ、口へと運ぶ。なんと肉のやわらかいこと。 ほろりと崩れ、しかも脂がジューシーなので麺とよくからむ。  味付けは塩コショウとシンプルだが、そのぶん肉や野菜のうま味が舌に伝わってくる。 この素朴な味わい深さこそ、遊牧民の料理だ。

「キルギスでは大きなお皿に盛って、囲んで食べるんです。

都会の集合住宅とかでなければ、たいていの家には庭に窯があって、パーティーの時は女性たちが集まり、直径1メートルほどの大鍋でつくります。 キルギスは男性と女性の食卓が別なんですが、それぞれのテーブルの中央にお皿を置いて、そこから手づかみで食べるんです」

郷土料理ー2

=資料=

肉料理 : ベシュバルマクはキルギスの国民食であるが、ベシュバルマクはカザフスタンや新疆ウイグル自治区でも一般的な料理である。 ベシュバルマクは馬肉 (羊肉や牛肉を用いることもある) を数時間煮込み、自家製の麺の上に載せた後パセリやコリアンダーをふりかけて食べる。

シュバルマクはキルギスで「5つの指」を意味する。 これはベシュバルマクがもともと5つの指を用いて食べる料理であったことが関係していると考えられている。 馬肉の代わりに羊肉を用いる場合は、ゆでたヒツジの頭は主賓のテーブルの前に置かれ、主賓は頭部を切り分けて同じテーブルの他の客に取り分ける。

シャシリクは羊肉を串に刺して炭火焼にしたものであり、生のまま輪切りにした玉葱とともに供される。 シャシリクに用いる肉には通常調理前に数時間に渡りタレを漬け込むことが多い。 シャシリクは羊肉で作ることが多いが、牛肉や鶏肉、魚肉を用いることもある。 シャシリクの串には通常肉の脂身の部分と赤身の部分が1対1で刺してあることが多い。 調理後長時間経過したものなど出来立てでないものは油が冷え固まってしまい味が悪くなる。

パロー : パローは中央アジアで一般的に見られる料理プロフのキルギス名である。 パローは肉片をカザンと呼ばれる大きな鉄製の釜で炒め、一口大に切った人参やニラ、米を入れて炒め、炊きあげたものである。 パローはガーリックフライや赤唐辛子を入れて香りづけをする。 ウズゲン・パローはキルギスのウズゲン地区南部で作られる米を使用したパローである。

郷土料理ー3

 === 続く ===

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