睡眠の都市伝説の真意 =070=

☆彡 睡眠の都市伝説を斬る =三島和夫・睡眠研究者= 彡☆

【この企画は“Webナショジオ・連載/睡眠の都市伝説を斬る”に追記補講した】

認知症と睡眠の切っても切れない関係 =1/2=

​​睡眠研究=1

 前回は、睡眠障害のある認知症患者では夜間徘徊などさまざまな異常行動が増加する傾向があり、心理的にもコスト的にも介護負担を増大させている実情についてご紹介した。 超高齢化社会ニッポン……、すでに国内の高齢者施設のキャパは飽和状態であり、今後は在宅介護を避けては通れない。 家族が先にバテるなどといった悲劇に陥ることなく「持続可能な」在宅介護を可能にするためにも認知症の睡眠問題は看過できない問題なのである。

そこで前回に引き続き、認知症と睡眠の切っても切れない関係についてもう少し掘り下げてみたい。 認知症患者の睡眠問題の特徴を知れば、その対処法、予防法に関するヒントが得られるかもしれないからだ。

一般の高齢者でも年齢とともに睡眠は浅くなり、途中で何度か目覚め、トイレ回数も増える。 日中の眠気も強まり、昼間のうたた寝が増える。 しかし認知症高齢者ではこれらの加齢変化がきわめて強く、重度の不眠や強い眠気が生じる。 時には昼夜逆転など不規則な睡眠パターンに陥るが、これも健康な高齢者では見られない特徴である。ナゼ認知症患者ではこれほどまでに睡眠問題が重症化するのだろうか? そこには認知症に特有な3つのハンディキャップが悪さをしている。

第1のハンディキャップは「目覚める力が低下する」ことである。認知症では多数の神経細胞が変性(死滅)してしまうが、覚醒状態を維持する神経細胞がダメージを受けることも少なくない。 そのため一見しっかり目覚めているように見えても簡単に意識障害(もうろう状態)に陥ってしまう。 ある種のタイプの認知症では頻繁にもうろう状態に陥り、幻覚(幻視)がみられることが診断の手がかりとされているほどだ。

第2のハンディキャップは「眠る力が弱まる」ことである。眠る力は日中の運動量や精神活動に影響される。 心身をよく使えばよく眠れるのだ。 ところが認知症があると自宅や施設内に行動を制限されている場合が多く、運動量も社会活動も乏しくなる。 加えて認知症では先の覚醒力低下によって昼寝が増加するため睡眠のニーズをさらに大きく損ねてしまう。 これでは睡眠の持続力は高まらず夜中に目覚めてしまうのも道理である。

第3のハンディキャップは「体内時計が壊れる」ことである。 特にアルツハイマー病では発症のごく早期から体内時計(視交叉上核)の細胞が死滅するため、睡眠覚醒リズムが乱れてしまう。認知症が進行すると昼夜のリズムが崩壊し、いつ眠りいつ目覚めるのか予測がつかなくなってくる。 私たちが普段の生活で浴びている日光は強い覚醒効果があり体内時計の調整作用もパワフルなのだが、行動が制限されている高齢者では日光を浴びる機会が極端に少なくなる。 そのためただでさえダメージを受けている体内時計がさらに不安定になる。残念なことに室内照明は日光に比べて格段に照度が低く、体内時計の調節には全く不十分である。

このように認知症のある高齢者では健やかな睡眠と目覚めを害する三重苦を抱えているのである。

認知症が睡眠障害を引き起こすだけではなく、逆に睡眠障害が認知症のリスクを高めることも明らかになってきた。

米国の調査だが平均年齢83歳の高齢女性1282人を約5年間追跡したところ、期間中に195 人(15%)が認知症を発症し、302名(24%)は軽度認知障害(認知症の手前の状態)になった。 この数字自体は年齢を考えれば妥当である。 この調査ではアクチグラフという高性能万歩計のような機器を用いて、調査に参加した高齢者の活動量を分単位で計測している。 このデータを解析すると日中の活動性や睡眠の様子を客観的に知ることができる。

睡眠研究=2

=資料・文献 (The Wallstreet Jouurnal)= 

成功を収める人々に睡眠は必要か (3/3)

この現象はどのように説明されるだろうか。われわれは十分な休養がとれている時、狭く定義された仕事に効果的に焦点を絞るため、最高レベルの認知資源を用いる傾向がある。しかし、想像力を要する仕事は、その反対のことをするよう求める場合が多い。つまり、「既存の枠組みにとらわれない」アイデア、馬鹿げているとか理論的でないとして普段なら退けてしまうようなアイデアを表現することだ。

徹夜をしているときに、「既存」の枠組みが崩れ落ち、しかも有利に働く。

想像力を必要としない、つまり単に持続的な注意や忍耐、直線的な思考が必要なプロジェクトについてはどうか。十分に休息を取って徹夜に臨めば、この種の認識上の馬力は驚くほど長時間持続可能だ。例えば、ハーバード・メディカル・スクールの09年の研究では、30時間の睡眠不足にさらされても、言語や理論、理解に関連した様々な認識テストで、若い成人は十分休養をとった若者たちと比較して、それほど劣らないことが分かった。

したがって、結論はというと、仕事の質もしくは量を改善することで自分のキャリアを次のレベルに進めたいのであれば、米国で長年をかけて有効性が実証されてきた徹夜を時折試みることが完璧な処方箋かもしれない。

睡眠研究=3

=== 続く ===

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民族のソウル・フード探訪 =173=

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【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

 千葉で見つけたアフガンの小さなオアシス = 2/3= ★

​​ ​​ ​​郷土料理ー1

 中央アジアや南アジア各国でとてもポピュラーなこの料理、北をウズベキスタンと接するアフガニスタンにもあるわけで、プロフと比べてみるのもおもしろいがせっかくなら違う料理を食べてみたい。 そこでやはりアフガニスタンでは定番の家庭料理だというボラニ(ブラニ)をオーダーすることにした。

待っている間、アフガニスタンの音楽に耳を傾ける。 この日はちょうどアフガニスタン音楽を専門に演奏する日本人デュオ「ちゃるぱーさ」が演奏に訪れていた。 どこか懐かしさを感じる調べがとても心地よい。 しかし、客は私とアフリカ系の男性の2人だけ。アフガニスタンの人はいっこうに現れない。

「いつもは満席なのにどうしたんだろう」とちゃるぱーさの2人も首を傾げる。 店の人に尋ねると、なんと予約が入っていたアフガニスタン人のグループのひとりが事故に遭ってしまい、みんなで病院に行っていると連絡が来たそうだ。 「えーー!大丈夫なの!?」と騒然としたが、大事にはいたってないと聞き、ホッとしたところでボラニが運ばれてきた。

ボラニは見たままをいえば揚げたナスのトマト煮込み。 小皿でついてきたヨーグルトをかけて食べるそうだが、まずそのまま口に入れてみる。 よく煮込まれたナスはトロトロ。 しっかりと含んだ油がトマトソースのコクをより深くする。

続いてヨーグルトをかける。すると驚くほど味が変化した。 ヨーグルトの酸味が油分を中和するのか、さっぱりとした口当たりになる一方で、後味はまろやか。 ナスとヨーグルトって合うんだなあ。

「ボラニなどの煮込みはナンと一緒に食べるんですよ」と教えてくれたのはレストランと食材店のオーナーでイラン出身のデラヴァー・ハミッドさん。 以前は千葉市内で店を経営していたが、四街道にイスラム系の人間が多いと聞き2012年に店をオープンしたそうだ。 現在、この辺りでイスラム系のお店はここだけ。 すぐ近くでハラールの食品工場も経営していてナンはその工場でつくられている。

ナンはインドにもあるが、ちょっと違うらしい。 インドが精製された小麦粉に水とヨーグルト、牛乳などを加えてつくるのに対して、アフガニスタンは全粒粉を水でこねてつくるのが一般的。 かたちは似ているが、厚みがあってずっしりとしている。そして、かたい。

「日を置くともっとかたくなります。 羊飼いはナンをポケットに入れて、お腹がすくと泉の水に浸してやわらかくして食べるそうですよ」とちゃるぱーさの佐藤さんが教えてくれた。 保存食も兼ねているというわけだ。 そんな話を伺っているうちに、ポツリポツリと客がやってきた。 食事にくる人もいれば、食材店に買い物にくる人もいるが、みんなアフガニスタン人。

アフガニスタン人が住む町というのは本当だったんだ……。 そのうち、数人で食事に訪れたグループの一人、ムシャリフさんに友人の会話も訳してもらいながら話を聞くことができた。

「アフガニスタンで一番の料理といったらやっぱりカブリ(カブリ・パラオ)かな。 ピラフのような米料理です。結婚式などお祝いの時には必ず食べますよ」とムシャリフさん。 店員が言っていたとおりだ。 結婚式ではウズベキスタンと同じように男性がつくって振る舞うという。もっとも、背景には女性があまり人前に出ないという文化もあるようで、「一番美味しいのはお母さんがつくるカブリ!」とムシャリフさんは笑う。

郷土料理ー2

=資料=

ムスリム(イスラム教徒)の人口が乏しい国家や地域では、イスラム諸国からの旅行者や留学生などのために、シールなどによって食品がハラールであることが示されていることが多い。 これとは対照的に、ムスリムとその他の宗教の信徒の人口が拮抗している国家や地域では、原則として無表示の食品をハラールとしつつ、ムスリム以外を顧客として想定したハラームの食品に限って表示がなされていることがある。

サウジアラビアなどイスラム原理主義の強い国では法律でハラールでない食品の販売や輸入流通が禁止されている国もある。 そのような国でハラールでない食品を販売した場合には犯罪とされ、ハラールでない食品をハラールであると偽装することも犯罪とされている。

イスラム諸国会議において、ハラールの世界標準規格が議論されているが、宗派の違いや加盟国間の文化、経済情勢、政治的利害関係などが原因で標準化には時間がかかると言われている。

ハラールの規則もムスリムによっては厳格に守っているわけではなくビッスミッラー(アッラーの御名において)と唱えればどんな肉でも食べてよいとする世俗派もいる。 トルコなど世俗化が進んだ地域では、飲酒や豚肉食も平気でおこなうムスリムもいる。

広義の意味では食べ物に限定されず、イスラム法において合法であることを示す記号としても用いられている。たとえば、衣服、玩具、家電製品などにもハラールは適用される。 衣服の場合は、女性の体の露出を禁止している規定に違反していないデザインであることを証明するマークとして付けられたりする。

ブルキニという水着はハラールとされている。 ゲームなどにおいても、イスラム教で禁止されている賭博に該当しないことを証明する印として用いられることがある。 このような審査や判断はウラマーが行うことが一般的であり、特定の製品をハラールであると認めるファトワーが出されることもある。

郷土料理ー3

 === 続く ===

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