民族のソウル・フード探訪 =176=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

 チェコの“茹でるパン”ことクネドリーキの奥深き世界  =2/3= ★ ​​​​​12p.見出し④

​​郷土料理ー1 ​​ ​​

 ならば、「今日はうどんと蕎麦どっちにしようかな」という感じに、その日の気分で食べ分けているのだろうか。 そう聞くと、「違います!」とマーティンさん。クネドリーキは料理によってどちらを付け合わせるか決まるという。

「たとえば、僕の大好きなスヴィーチコヴァーには小麦粉のクネドリーキが付きます。 ジャガイモのクネドリーキはあり得ない」。 スヴィーチコヴァーは牛のサーロインまたはランプを根パセリや根セロリ、ニンジンなどの根菜のシチューで煮込んだチェコを代表する伝統料理。 ハレの料理というわけではないが根菜をクリーム状にするなど手が込んでいるため、誕生日など特別な日に食べたりもするらしい。

「僕の好物なので、誕生日には必ず母がスヴィーチコヴァーをつくってくれました。 僕らの結婚披露宴でも食べましたよ」と、マーティンさんは同席してくれた奥様の智子さんとほほ笑む。  同じくチェコの名物でより身近な2つの料理、パプリカを使った牛肉の煮込み料理であるグラーシュも絶対に小麦粉だが、豚肉をローストするヴェプショ・クネドロ・ゼロはどちらでもよく、ジャガイモのクネドリーキを付け合わせることが多いという。

「チェコ人は付け合わせ方にこだわりがあるようです。 チェコのレストランでヴェプショ・クネドロ・ゼロを頼んだ時に付け合わせが選べたので私がポテトサラダを頼んだら、主人もお店のスタッフも驚いてしまって……。 スタッフに何度も、『クネドリーキじゃなくていいのか?』、『本当にいいのか?』と確認されました(笑)」

智子さんのエピソードに思わず笑ってしまったが、そのこだわりが気になる。 そして、話を聞いているとやっぱり食べたくなる!

そこで伺ったのは東京・新宿区にある「だあしゑんか」。 都内では数少ない本格的なチェコ料理が食べられる店だ。 日本では食材が手に入りにくいスヴィーチコヴァーはイベントなどの時のみということで、グラーシュとヴェプショ・クネドロ・ゼロをいただく。 この店の付け合わせはいずれも小麦粉のホウスコヴェー・クネドリーキだ。

グラーシュは中世のハンガリーが起源とされているが、チェコを含めた近隣諸国にも広がっていき、一般的な料理として定着した。 現在は、さまざまなバリエーションで食卓に登場し、チェコでは代表的な料理のひとつにまでなっている。

「クネドリーキをちぎって、シチューと肉をからめて食べてください」と、店主の高野さんに言われたとおりにして口に入れた。見た目はビーフシチューのようだが意外とさらりとした味わい。 それでいてコクは深く、パプリカや玉ネギの自然の甘みが舌を包む。 味付けの基本は塩とシンプルだそうで、確かにクセはなく日本人にも馴染みやすい。

郷土料理ー2

=資料=

クネドリーキ(Knedlíky)とは茹でた円筒形のパンで、家庭で作られたものが最上と考えられている。 クネドリーキの大きさ、素材は様々で、スープの具、肉料理の付け合せ、デザートなどに異なる種類のクネドリーキが使われる。 最も一般的なクネドリーキとして、ホウスカという丸型のパンを小麦粉や卵、バターと一緒に練り上げて茹でた(もしくは蒸した)ホウスコヴィー・クネドリーキ(生地の中に果物を入れたデザートの一種)が挙げられる。

クネドリーキの材料にもされるパンは、ほとんどの料理に添えられる。 パンにはバターだけでなく、ラードが塗られることもある。 かつてチェコの山岳地帯では、大麦粉やエンバク粉などが混ぜられたパンが食べられていた。 薄切りにしたフランスパンを土台にするオープンサンド(Chlebíček)はデリカテッセンビュッフェで売られ、家庭では来客をもてなすために供される。 ハム、魚類、パテ、ローストビーフ、卵、チーズなどが具にされ、マヨネーズやピクルスが添えられる。 クリスマスにはヴァーノチカ(vánočka)というパンが食べられている。

ヨーロッパの多くの国の料理と同じように、チェコ料理のスープは澄んだコンソメととろみのあるポタージュに大別される。 前菜となるスープの種類は豊富で、クネドリーキ入りのスープ、ソーセージ入りのキャベツスープなどがある。 スープに使われる肉類は牛肉と鶏肉が主流で、豚肉はほとんど使用されない。

牛肉は料理の品目によって使用される部位が決められており、舌、心臓、尾も具材にされる。 一方、鶏肉のスープは、一つの料理に複数の部位を混ぜて調理される。 野菜スープの中では、ポレーフカの人気が高い。  尚、米もチェコ料理の主食となっているが、輸入品が多い。

郷土料理ー3

 === 続く ===

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