睡眠の都市伝説の真意 =086=

☆彡 睡眠の都市伝説を斬る =三島和夫・睡眠研究者= 彡☆

 【この企画は“Webナショジオ・連載/睡眠の都市伝説を斬る”に追記補講した】

感染症研究が切り開いた睡眠化学 =2/3= 

 睡眠研究=1

​​​   アフリカ睡眠病の感染初期は発熱や頭痛など一般的な感染症症状がみられるが、徐々に睡眠・覚醒リズムが乱れるようになり、進行すると嗜眠(しみん:朦朧として眠り続ける状態)に陥るのが特徴で、そのまま名前の由来にもなっている。トリパノソーマが睡眠病を引き起こす原因は現在でも完全には解明されていないが、どうやらこの寄生虫は自ら催眠物質を作り出す、もしくは人体に産生させるらしい。

たとえば、トリパノソーマはトリプトフォールというアルコールの一種を産生することが分かっている。 寄生虫から放出されたトリプトフォールは脳に到達し睡眠を誘発する。 自ら産生した物質で寝込んでしまわないのが不思議である。寄生虫界の酒豪と言ったところだろうか。

また、PGD2(プロスタグランジンD2)という催眠物質もアフリカ睡眠病に関わっている。 PGD2は健康な人の脳内にも存在し睡眠を誘発する。 アフリカ睡眠病に罹患した患者の脳脊髄液中ではこのPGD2の濃度が著しく高くなっているという。

余談になるが、シマウマのシマ模様はツェツェバエを寄せ付けないために進化の過程で獲得したと主張する研究者もいる。 ツェツェバエは縞模様を嫌うという研究報告もある。 トリパノソーマは人獣共通して感染する寄生虫でウマにとっても脅威なのだが、アフリカに生息する他のウマ科動物に比べて、シマウマはアフリカ睡眠病にかかりにくいことが知られている。

さらに重篤な感染性睡眠病がある。その名も「致死性家族性不眠症」。 名前の通り、いったん発症したら半年から数年で100%死亡する恐ろしい感染性睡眠病である。 ダニエル・T・マックスの『眠れない一族―食人の痕跡と殺人タンパクの謎』(柴田裕之訳、紀伊國屋書店)でご存じの方もおられるかもしれない。

致死性家族性不眠症はプリオン蛋白を作る遺伝子に変異が生じ、異常プリオン蛋白が脳内に蓄積して神経の変性を引き起こす「遺伝病」である。 これまでに世界で数十家系、日本でも数家系が報告されている。 ただし、異常プリオンは正常プリオンを異常型に変換してしまうため、プリオン遺伝子異常を持たない人にも感染する可能性がある。 詳細は割愛するが感染メカニズムが通常の細菌やウィルスと異なるため、感染性ではなく「伝達性」と呼ぶべきだという研究者もいる。

発病後間もなくから極度の不眠症状が出現し、徐波睡眠(深い睡眠)は消失する。 残念ながら治療法はなく、徐々にさまざまな神経症状、運動障害が現れ、最後には重度の認知症の状態に陥って死亡する。

致死性家族性不眠症以外にも異常プリオン蛋白が原因となる病気が幾つか知られていて「感染性海綿状脳症」と総称される。 感染すると脳が空洞だらけになり、その様がスポンジ(海綿)と似ていることからこの名が付いた。

睡眠研究=2

=資料・文献 (The Wallstreet Jouurnal)= 

レム睡眠・ノンレム睡眠と金縛り

夜中にふと目が覚めて身体がまったく動かせない…超常現象として語られることもある「金縛り」は、実は「睡眠麻痺」とも呼ばれる生理的現象のひとつです。

金縛りは、正常な状態とは違って入眠期にレム睡眠が出現したり、お昼寝のような短い睡眠でレム睡眠が起こり目覚めた時に起こりやすいのです。レム睡眠中、脳は覚醒に近い状態ですが、筋肉の緊張が抑制されているため、筋肉が動きません。このときに何らかの要因で覚醒状態になると「脳は起きているのに身体は動かない状態」になります

また、レム睡眠中は自律神経のコントロールがしづらく、呼吸や心拍数が変動しやすい状態でもあります。そうした身体の変化が、「上に人が乗っているような圧迫感」や「息苦しさ」につながっているとも考えられています。

金縛りの原因: 精神的・肉体的なストレスを抱えていたり、不規則な生活をして身体のリズムが崩れ、自律神経が乱れていたりすると、「入眠時レム睡眠」と呼ばれる現象が起こることがあります。平常時はノンレム睡眠から入眠しますが、レム睡眠から入眠すると、眠りに入った時に脳が覚醒に近い状態なので、金縛りが起こりやすい状態になります。

また、入眠後、レム睡眠時に覚醒し、再度眠りに入るときに「入眠時レム睡眠」が起こって金縛りになることもあります。

金縛りにならないようにするためには、不規則な生活をやめ、ストレスをためないようにすることが先決。もし金縛りにあったときには、無理に起きようとせず、そのまま眠るようにしましょう。

一度起きてしまうと、脳が働き出して怖かった体験を分析し、すごく怖い経験をした印象が残り、眠れなくなることもあります。

金縛りにあったときには、「ストレスがたまっているかもしれない」という程度にとらえ、あまり深く考えずそのまま眠ってしまうことがよい対処法です。

睡眠研究=3

=== 続く ===

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