睡眠の都市伝説の真意 =141=

☆彡 睡眠の都市伝説を斬る =三島和夫・睡眠研究者= 彡☆

【この企画は“Webナショジオ・連載/睡眠の都市伝説を斬る”に追記補講した】

睡眠中の突然死を防ぐには =2/2=

 睡眠研究=1

​​ 重症の睡眠時無呼吸症候群があると夜間中の不整脈、心筋梗塞、脳卒中、ひいては突然死のリスクが高まる。

睡眠時無呼吸症候群のほかにも、さまざまな原因で睡眠中の突然死は訪れる。生命維持に欠かせない副腎機能が睡眠中に低下してしまう、神経疾患などが原因で声帯の筋肉が異常にけいれん、もしくは麻痺して気道が塞がって窒息する、などオソロシイ病気もある。

睡眠中の突然死の多くは前兆がない。だからこそ突然死と呼ばれているわけだが、睡眠時無呼吸症候群については医療を受けることで突然死のリスクを減らすことができる。肥満や大きなイビキがある、高血圧や狭心症などの持病がある、朝方に息苦しさや動悸で目覚めることがある、夕方よりも朝の方が血圧が高い、などの症状がある人は専門医に相談することを強くお薦めしたい。

最後に乳幼児の睡眠中の突然死に戻ろう。

乳幼児における睡眠中の死因の中では、乳幼児突然死症候群(sudden infant death syndrome: SIDS)が代表的である。元気で過ごしていた乳幼児が、睡眠中に突然、心肺停止状態で発見される。それまで健康状態に問題が見られないことが大部分であるため、親にとってはまさに青天の霹靂。その悲しみたるや、おもんばかる術がない。

SIDSはおよそ乳児4000人に1人の割合でみられ、生後2カ月から6カ月に多い。その後は徐々に減るが、1歳を超えてから起こることもある。SIDSに関する数多くの調査にも関わらず、未だにその病因は確定していない。しかし、ここでも睡眠時無呼吸が深く関わっていると考える研究者が多い。

亡くなった乳児の脳を調べると、呼吸を調整する脳幹部の神経組織の変化や、慢性的な低酸素の所見がみられることがあり、生前から呼吸状態が不安定だったことを疑わせるからだ。目覚めている日中には呼吸に問題はなくても、睡眠中には無呼吸が生じやすくなる。体調や姿勢(うつぶせ寝)が重なって無呼吸状態が続くことで死に至るのがSIDSの病因ではないかと考えられている。

健康な人の場合は、たとえ睡眠中でも低酸素状態になると息苦しくなって目を覚ますのが普通である。実際、大人の睡眠時無呼吸症候群では窒息する前に眠りが浅くなり目覚めるというサイクルを一晩中繰り返す。酸欠がそのまま死につながることはない。ではナゼSIDS では無呼吸が死につながるのか?

それは、低酸素に晒されても覚醒する力が乏しいためではないかと考えられている。亡くなる前に偶然脳波検査を受けていたSIDS児の生前の脳波データを解析すると、脳深部の古い脳の活動は比較的活発だが、それに対する大脳皮質の覚醒反応が少ない、つまり目覚めにくい傾向が見て取れるからだ。

SIDSを予防することはできないのだろうか。残念ながら、生前に呼吸機能のハンディキャップをとらえることのできる信頼性の高い診断法は開発されていない。そのため、せめて乳児のうちは、SIDSのリスクを高めるとされる、うつぶせ寝、受動喫煙、呼吸器感染症などはできるだけ避けるようにしたいものだ。

睡眠研究=2

=資料・文献=

睡眠時無呼吸症候群はどうして問題 :  睡眠時無呼吸症候群の影響は1)日常生活、2)合併疾患、の2つの問題があります。いずれも大きな問題となります。

日常生活 : 日中の眠気のため、思うように日常生活が送れなくなり、何かに集中することができなくなります。また仕事中に居眠りをしたり、大事な会議で眠ってしまうなど、業務にも支障をきたすことがあります。特に危険なのは自動車の運転などの場合です。睡眠時無呼吸症候群の患者さんでは、運転中に高率に眠くなり、交通事故を起こす危険性が著しく高くなります 。

これまでにも運転中の事故、あるいは鉄道のオーバーランなどで睡眠時無呼吸症候群の関与が判明した事例があり、この病気は安全性の確保に大きな支障をきたします。このほか、抑うつや不眠、男性の勃起障害などで日常生活や性生活に悪影響を及ぼしたりすることもあります。

合併疾患 : 睡眠時無呼吸症候群の患者さんでは、心筋梗塞や脳卒中を発症する確率が、そうでない患者さんに比べて高いことがわかってきています。それだけでなく、糖尿病を悪化させたり、高血圧や不整脈の原因になったりすることもわかってきています。

こうした心臓や血管、代謝の病気の発症や悪化に広く関与している可能性が高くなっており、この病気を治療しないでいると突然死を起こしやすくなるとさえ言われています。そのため、正確な診断と、積極的な治療が必要です。

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=== 続く ===

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