睡眠の都市伝説の真意 =143=

☆彡 睡眠の都市伝説を斬る =三島和夫・睡眠研究者= 彡☆

【この企画は“Webナショジオ・連載/睡眠の都市伝説を斬る”に追記補講した】

【悲報】長年連れ添っても夫婦の睡眠習慣は似ない =2/2=

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  クロノタイプは遺伝的に決められている部分が大きい。つまり体質的なものである。元々夜型傾向が強ければ、パートナーがいくら早寝をしてもそれにつられて早寝をするようにはならないということだ。旦那が早々とソファーで高いびき、妻は夜な夜なネットサーフィン、そのような家庭内時差に陥っているご夫婦も少なくないのでは。

ちなみに、不眠傾向は後天的な要素で、当然ながら寝つきに時間がかかり入眠時刻は遅くなる。中年以降になると不眠症状が増加する。眠れず悶々としている脇で高いびきをかくパートナーが恨めしいと話す患者さんも少なくない。

一方、覚醒時刻に最も強く影響したのもやはり「自分自身のクロノタイプ」であった。覚醒時刻については「性別(女性が早起き)」と「相手の覚醒時刻」もある程度影響していた。

入眠時刻と異なり、覚醒時刻に女性であることと相手の覚醒時刻が影響したのは、覚醒時刻は目覚ましや出社時刻などで人為的に操作されやすいためである。妻が夫の朝食や弁当作りのために早起きをする、などはその典型である(女性が食事を作るべきだと考えているわけではなく、調査結果がそうなので・・・念のため)。

しかし、やはり覚醒時刻に最も大きな影響を及ぼすのは自分自身のクロノタイプであった。甲斐甲斐しく早起きをしている妻も、必ずしも楽々起きているわけではない。夜型傾向が強い人の場合、早起きした分だけ早寝できるわけではなく、睡眠時間は短くなりがちだ。寝不足を溜め込んで週末はブランチでごまかすことになる。

かくも個人の睡眠習慣というのは体質によって強く決定されており、いくらおしどり夫婦でも睡眠習慣は似たもの夫婦にはならないのである。

私がこのような研究を行うきっかけになった患者さんがいる。うつ状態で精神科外来を受診してきた主婦の方である。問診の結果、ご本人が悩んでいたのは夫婦間の性格の不一致ならぬ「生活時間の不一致」であった。

公務員のご主人は夕方に帰宅すると食事もそこそこに20時過ぎには寝てしまい、朝3時には起床するのである。結婚当初は頑張って夜も付き合ってくれたが、よほど辛いらしく、結婚10年目ともなれば自分の体内時計に忠実に従う生活に戻ってしまった。

結婚後に同居して分かったのは、義父も同様に「超」早寝早起きであること。いや、順番が逆で、超朝型体質は父親から遺伝したようなのだ。そしてあろうことか、生まれてきた2人の子供もさらに輪をかけた超朝型であることがわかってきた。下の妹は生まれてこの方、朝に起床の声かけをしたことがないという。幼稚園に入る頃には朝5時前から自分で起きてきたというのであるから、大変な朝型である。

このご家族のように、極端な朝型睡眠パターンが複数世代にわたって性別を超えて遺伝(常染色体優性遺伝)する睡眠障害は「家族性睡眠相前進症候群」と呼ばれている。時計遺伝子の一部に突然変異が生じることで発症する。このご家族は日本で初めて見つかった家族性睡眠相前進症候群であるが、奇しくも発症したご本人ではなくその奥さんが相談に見えたわけである。

夫も子供も早々に寝てしまい家族団らんの時間がとても短い。自分だけが家庭内の時差ボケ状態。でも、自分の睡眠習慣はなかなか変えられない。自責感もつのる。睡眠習慣が似たもの夫婦になれない悲しい一例として非常に強く印象に残ったのであった。

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=資料・文献= 

日本では当たり前の家族が川の字になって寝るというやり方は、海外の人が見るとかなり奇妙な習慣に見えるそうです。 そういえばアメリカの映画では子供部屋で絵本を読み聞かせながら子どもを寝かしつけて、そっと部屋を出て夫婦の寝室に戻ってくる母親…などというシーンがよくありますよね。 アメリカでは子どもと一緒に睡眠を取るという習慣がないそうで、赤ちゃんの時であっても3割近い人たちは一緒に寝たことがないという日本人から見たら驚きの数字があります。

海外の夫婦が子どもと睡眠を取ることはしないのは、特に欧米諸国では子どもよりもまず夫婦関係が第一と考えられていることと、睡眠に対する考え方が日本と海外では根本的に違うためのようです。 例えばフランス人にとって睡眠はとてもプライベートなものなので、自分の子どもであってもパートナー以外に寝姿を見せることは嫌なのだそうです。 電車の中など不特定多数の人の前で居眠りをする日本人は、日本の治安のよさを示すだけでなく、海外の人にとっては目を引く光景なのだとか。

当然、海外では夫婦は同じ寝室で寝るものと考え、寝室を別にすることはセックスレスへの第一歩で、離婚への第一歩と言われるそうです。

日本では子どもが夜泣きをする、いびきがうるさい、帰宅時間が遅いなどの睡眠を妨げる理由で夫婦が別々の部屋で睡眠を取ることは珍しくありません。 一度寝室を別にすると子どもが夜泣きをしない年齢になっても寝室を同じに戻すことはないようです。 結婚生活が11年目以上の夫婦の35%以上は別の寝室で睡眠を取っているデータがあり、日本の割合はどの世代の夫婦でも先進諸国より高いようです。

海外の夫婦もパートナーのいびきや寝相の悪さなどの悩みがあるため、同じ部屋でもベッドは別にするなど工夫する人もあるようです。 夫婦が同じ部屋で睡眠を取ることでコミュニケーションが増え、自然とストレスが減るともいわれています。 お互いの病気などの異変に気づきやすいというメリットもありますから、年を経てまた同じ寝室に戻って眠るのもよいのではないでしょうか。

睡眠研究=3

=== 続く ===

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