睡眠の都市伝説の真意 =167=

☆彡 睡眠の都市伝説を斬る =三島和夫・睡眠研究者= 彡☆

【この企画は“Webナショジオ・連載/睡眠の都市伝説を斬る”に追記補講した】

 歯ぎしり治療の成功例“マーキング作戦”  =2/2=

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​​ ストレスを感じていると睡眠中でも寝返りや物音など些細な刺激で覚醒しやすくなるため覚醒反応が増加する。 その結果、大脳の覚醒レベルが上がった時に下顎を司る運動ニューロンが活性化するなどの仮説が提唱されているが、なぜよりによって下顎がターゲットになったのか? などの疑問も含めてそれ以上の神経メカニズムは明らかになっていない。

心理テストの結果などからも、ストレスを感じやすい人に歯ぎしりが多いのは間違いないようだ。 イライラや不安が高じると日中の歯噛みとともに、夜中の歯ぎしりも悪化する人がいる。 実際、河北学部長も「したいことをし、言いたいことを言っている割には屈託の多い人」とのことで、傍若無人、唯我独尊のように見えて、思いのほかナイーブな性格らしい。歯噛み、歯ぎしりが出るのもむべなるかな。

残念ながら歯ぎしりの特効薬はない。咀嚼筋を緩める薬剤などもあるが安全性などの観点から長く安心して使えるものではない。 筋緊張の高まりを抑えるリラクゼーションやバイオフィードバックなども使うことがある。 バイオフィードバックとは筋肉の不随意運動を筋電図のようなセンサーで音などの信号に変換し、患者さんが意識的に筋肉を緩めるなどのトレーニングでコントロール技術を身につける治療法である。 ただし、治療室の中でしか利用できないなど制約もあり、十分な効果が得られないことも少なくない。

ただ、自宅で行ったちょっとした工夫で症状を克服できた珍しい人もいたのでご紹介する。

その人は40代の男性で、若い頃から20年以上も歯ぎしりがあり、毎朝目覚めた瞬間から顎や首の周囲の筋肉のだるさを感じ、休まった感じがしないという。 日中も自然と顎に力が入り、気づくと歯を食いしばっているとのことで、顎関節の痛みとひどい頭痛に悩まされていた。

寝るときの姿勢や枕、歯への負担を減らすマウスピースなどさまざま試したが効果がなく、私の病院で行った薬物療法も効果が出なかった。 そこで、日中の歯噛みだけでも減らそうと自宅の洗面台や食卓、玄関、職場のデスクなど、毎日必ず立ち寄る場所に目立つ色のテープやシールを貼り付けてもらい、それらが目に入ったらその場で意識的に顎の筋肉を緩める、ただそれだけである。

この“マーキング作戦”、当初患者さんは半信半疑であまり期待をしていなかったようだが、意識的な筋弛緩を続けているうちに、徐々に歯噛みによる顎の痛みが楽になってきたとのこと。 その成功体験が良かったのだろう。 日中の心身の緊張感が緩和され、マークを見た時に顎に力が入っていないことも多いことに気づいた。 こうなれば後は好循環である。

そして驚いたことにマーキング作戦は歯ぎしりにも効果を発揮した。 日中の緊張緩和が睡眠中も続いたのであろうか? その作用メカニズムは分からない。 なので再発するかもしれない。 そのように伝えたら患者さん曰く「でも治ったんだからいいじゃないですか。 結果オーライです」。そこには神経質で不安が強く、診察室で粘っていた中年男性の姿は消えていたのであった。

不安や緊張が原因となる病気、例えば不眠症、パニック障害、心身症などでは、「自力(工夫)で体調が良くなった」という体験は快復のためにとても大事だと言われている。 人の睡眠や感情、自律神経機能など多くの生体現象には強いレジリアンス(回復力、復元力、自己治癒力)が働き、レジリアンスを引き出すには自己肯定感や楽観的な未来志向がとても有効だからである。 この歯ぎしりの男性もレジリアンスが最大限に発揮されたケースと言える。

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=資料・文献=

歯ぎしりの原因

歯ぎしりはストレスによるものであるという説が現在では主流になっています。ストレスを解消するために歯ぎしりをしていると考えられています。 以前は、噛み合わせが原因で起こると考えられていましたが、今では歯ぎしりと噛み合わせの関連性は否定されています。

ただし、噛みあわせで早期接触がある時(高いつめものや噛み合わせで強く当たっている)クレンチングやタッピングをする場合はあると思います。

歯ぎしりの予防

ストレスのために一時的に歯ぎしりをしているのなら、ストレスが解消されるのを待ちましょう。 問題は、慢性的に歯ぎしりをしている場合です。 寝る前にストレス解消のために、リラックスする時間をつくりましょう。 それでも、歯ぎしりしてしまう場合は、

1.スプリント(マウスピース)  2.自己暗示療法  3.リマインダー(目印) がお勧め

歯ぎしりしてる??

虫歯や酸性食品趣向などで、骨にぽっこり突起ができている人は、自分では気付かないうちに歯ぎしりをしている可能性があります。 骨隆起という名前で、上顎にできることもあります。 歯ぎしりしている全員にあるわけではありません。

ちなみに、私も左下に骨隆起ができて、食いしばっていることに気がつきました。 骨隆起そのものは、あごの骨の形が変化したものなので、悪いものではありません。ただし、骨が隆起している部分の粘膜が薄いため、堅い食物が当たったり、歯ブラシが当たると傷になりやすいです。

あまり大きいと  ・歯ブラシがうまく歯に当てられない  ・発音しにくい ・食事がとりにくい ・入れ歯を作る時に支障がある・・・・ などの問題がおこります。 外科的に骨隆起を削ることもあります。 但し、再発する可能性もあります。

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=== 続く ===

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