睡眠の都市伝説の真意 =175=

☆彡 睡眠の都市伝説を斬る =三島和夫・睡眠研究者= 彡☆

【この企画は“Webナショジオ・連載/睡眠の都市伝説を斬る”に追記補講した】

 夜に増える転倒に、高齢者の一割が骨折 =1/2=

睡眠研究=1​​

「犯罪の2分の1は夜間に起こる。 やはり夜はアブナイ」  統計のマジックとして有名な笑い話だ。 日没から日の出まではおおよそ12時間だから、犯罪の半分が夜に起こっても何ら不思議はない(ちなみに、これはたとえ話で、実際には犯罪の種類によって起こりやすい時間帯は異なる)。

では、これはどうだろう。 「高齢者の転倒の3分の1は夜間に起こる。やはり夜はアブナイ」__転倒が起こりやすいのは夜9時過ぎから翌朝6時頃までの8~9時間、いわゆる就寝時間帯である。 8~9時間と言えば1日のほぼ3分の1だし、転倒の3分の1が就寝時間帯に起こるのは当たり前だろう、などと早合点しないでほしい。なぜなら、その時間帯の大部分は眠っているか、寝床で横になっているため転びようがない。 実質的には、夜中に目覚めて尿意を感じ、寝床とトイレを往復する、そのわずかな時間帯に転倒が集中しているのだ。目が覚めている単位時間あたりの転倒率は昼よりも夜の方がずっと高いのだ。

しかも、高齢者が転倒すると10回につき1回の割合で骨折をしてしまい、その後の生活に大きな支障をきたすことも少なくない。 ちなみに、そもそも高齢者はとても転びやすく、日本では65歳以上の高齢者の約4人に1人が少なくとも1年間に1回は家の中で転倒しており、高齢になるほどその頻度が増える。 転倒に絡んだ医療と介護費は年間9千億円以上に達するという試算があるほどだ。

特に太ももの骨の付け根部分(大腿骨近位部)の骨折は深刻で、10%以上は寝たきりになる。 二足歩行の人間にとって転倒は宿命のようなものだが、大腿骨近位部骨折のような重症骨折も、大きな事故や転落ではなく、その9割近くは歩行中の転倒によって起こっているのだ。

それにしても、なぜ、高齢者の転倒は夜間に起こりやすいのであろうか。 パッと考えると夜中で薄暗いために段差が見えにくいなどの原因が頭に浮かぶと思うが、そのほかにも夜間には転倒を引き起こすさまざまな要因がある。____例えば、低血圧。

昼間に比べて夜間は血圧が低い。特に横臥していると血圧は低くなり、トイレに行きたくなって起き上がっても血圧がすぐには高まらないため、立ちくらみ(起立性低血圧)で転倒してしまうことがある。 高血圧の治療薬(血圧降下剤)を服用していると転倒リスクがさらに高まることが調査から明らかにされている。 夜間に目覚めてトイレに行くときには、ゆっくりと身を起こし、めまい感やふらつきがないことを確認してから、壁などに手を添えて歩き始めるなどの工夫をすると安心である。

薬剤の影響も見逃せない。 服用している薬剤数と転倒リスクが比例するという報告もある。 糖尿病の治療薬(血糖降下剤)が効きすぎて夜間に低血糖気味になった、アレルギー治療薬(抗ヒスタミン薬)で眠気とふらつきが出た、胃炎の治療薬(H2ブロッカー)で夜間にもうろうとした、など転倒につながる副作用が増えるためである。

とりわけ、睡眠薬を服用している高齢者はとても多い。残念ながら睡眠薬もまた転倒した高齢者が服用していた薬剤としてたえず上位にランキングされる。 特にベンゾジアゼピン系と呼ばれる睡眠薬が転倒を引き起こしやすい。 このベンゾジアゼピン系は日本で使われている睡眠薬の7割以上を占めている。

睡眠薬と聞くと、眠気が強くもうろうとして転ぶ様子を思い浮かべるかもしれないが、そのようなケースは思いのほか少ない。 最近の睡眠薬は作用時間(眠気が持続する時間)が短いものが多く、トイレに行く頃には眠気がかなり醒めてしまっている。そのため、むしろ睡眠薬による眠気が切れかけた頃に目を覚ましてトイレに向かっている途中で転ぶことが多い。

睡眠研究=2

=資料・文献=

高齢者が日常生活の中で一番ケガをしやすい場所はどこでしょう? それは屋外や公道ではなく、圧倒的に自宅の室内なのです。高齢者にとって、室内には転倒の原因となるあらゆる危険要素が潜んでいます。転倒して骨折し、そのまま寝たきり状態になってしまう最悪のケースを迎えないよう、転倒防止策は早めに準備しましょう。

「転倒→寝たきり」は意外と多い

高齢者にとって、要介護認定を受ける原因は病気だけではありません。あまり知られていませんが、「骨折・転倒」が認定理由というのは全体の約10%を占めているのです。

歳以上の高齢者が最もケガをしやすいのは自宅の室内で、最も事故が発生しやすいのが「居室」の45.0%、以下「階段」18.7%、「台所・食堂」17.0%と続きます。居室や階段での転倒・転倒が原因でそのまま寝たきり状態になる例は決して少なくありません。自宅だからといって油断はできないのです。

=== 続く ===

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