民族のソウル・フード探訪 =049=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

 ★ パンチの効きすぎ!! エジプトのB級グルメ =1/3= ★

​​​​​​ ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​エジプト料理ー1

大砂嵐のパワーの源
今回のソウルフード探訪はこのキーワードから始まった。 2013年の大相撲九州場所で入幕を果たしたエジプト人力士の大砂嵐。 アフリカ出身で、イスラム教徒の大相撲力士誕生は初めてのことであり、初土俵から10場所での幕内が外国出身としては最速だったことから、大きな注目を集めた。 その大砂嵐を紹介する新聞記事を読んでいたとき、ある食べ物の名前が目に飛び込んできた。

コシャリ

「豆とご飯、パスタを混ぜてトマトソースをかけたエジプト名物の混ぜご飯」だそうで、「ご飯とパスタを混ぜる」荒技ぶりに「すげージャンク!」と仰天したが、大砂嵐は「一食に10杯は平らげた」という。

実は一度、大砂嵐に遭遇したことがある。 ミーハー気分全開で身体を触らせてもらったのだが、鍛え抜かれた筋肉の張りに「力士ってかっこいいなあ」と惚れ惚れしたものだ。 「あの筋肉とパワーの影にコシャリありか」。 そう考えると、がぜん興味が湧いた。 エジプト最強力士を夢中にさせた名物料理、ぜひともお手合わせ願おうじゃないか。

訪れたのは都内有数の高級住宅街として知られる目黒区青葉台。 この一角に立つ区民センターで月に一度開催されている、エジプト料理のクッキングパーティーに参加するためだ。 来日35年のヤヒヤ・アボ・ショーシャさんを世話役として、毎回さまざまなエジプト料理をつくるという。 ヤヒヤさんに問い合わせるとコシャリもつくってくれるというので編集Tさんとともにやってきたのだ。

調理室ではすでに料理が始まっていた。 4つあるキッチン台に全部で10人くらいだろうか、エジプトの人びとを中心に、日本や台湾、モロッコの人たちが、ヤヒヤさんの指示のもとで料理の下ごしらえをしている。 壁に貼られたホワイトボードにはファラフェル、バシャメル、キブダ……と15品ほどの料理名がずらり。

「今日はこれを全部つくります」とヤヒヤさん。名前だけでは想像できないものばかりだが、コシャリの文字があることを確認して、忙しく動き回るヤヒヤさんの代わりにホワイトソースをつくっていたエジプト人女性にさっそく聞いてみる。

「コシャリ好きですよ!」と笑顔で答えてくれたのは、東京外国語大学に留学して1年半というラナ・セイフさん。 「家で食べることもあるけど、圧倒的に外食が多いですね。 町のあちこちに専門店があって、みんなお気に入りの店を持っているの。 一皿3~5エジプトポンドと安いので学生の味方。 学校帰りに友だちとコシャリを食べながらおしゃべりする時間がすごく好きでした」(2014年1月6日現在、1エジプトポンドは約15円)

改めてどんな料理か尋ねると、「ご飯にレンズ豆とパスタ、そして素揚げした玉ネギを混ぜてトマトソースをかけて食べます。味付けは店によって違うけど、このスタイルは共通です」とラナさん。 「女子にはちょっと高カロリーだね」なんて笑っていたら、調理風景を撮影していた編集Tさんが「あっちでコシャリつくってますよ」と言ってきた。

エジプト料理ー2

※ エジプト料理はそのルーツを古代エジプトまで遡ることが出来る。 古代エジプトではすでにパンやビールが消費されていた。 長い歴史の中でペルシャ、古代ギリシャ、古代ローマ、トルコとの交流があり、新しい食材の伝来とともに食の文化も進化し、地中海料理西アジア料理の影響も入ってきた。

7世紀にエジプトがイスラム化すると、イスラム教の食の戒律ハラールにより、ビールやワインなどのアルコール飲料や豚肉が禁止されるなど、食文化に大きな影響を与えた。 現代エジプトの料理の中には、ベシャメルソースを使ったグラタン風の料理など、西ヨーロッパの料理の影響も見られる。

北アフリカのサハラ砂漠の東部に位置するエジプトは国土の大半が砂漠気候であるが、北部海岸地帯は温暖な地中海性気候で、ナイル川の河口に広がるナイル・デルタはステップ気候である。 降雨量は少ないが、豊富なナイル川の水により、流域およびデルタ地帯で様々な作物が作られている。 これらの豊富な穀物・野菜・果物などの農作物や地中海やナイル川からの魚介類、肉類では羊肉・牛肉・鶏肉を使った料理が食べられている。

エジプト料理ー3

 === 続く ===

前節へ移行 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/04/23/

後節へ移動 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/04/25/

 ※ 下線色違いの文字をクリックにて詳細説明が表示されます ⇒ ウィキペディア=に移行
*当該地図・地形図を参照下さい

—— 姉妹ブログ 一度、訪ねてください——–

【疑心暗鬼;民族紀行】 http://bogoda.jugem.jp/

【浪漫孤鴻;時事心象】 http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/

【閑仁耕筆;探検譜講】 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon

民族のソウル・フード探訪 =048=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

 ★ ペルーの国民食は日本風味!!? =3/3= ★

​​​​​​ ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ペルー料理ー4

 日本の影響も垣間見える。 日本人が南米に移住を開始したのは明治32年(1899年)。 その最初の移住地がペルーだったという。 セビチェにはタコも使うが、日本人がくるまでペルーにはタコはいたけれど食べる習慣がなく、日系人が経営するレストランがタコのセビチェを出したところ、人気に火が付いたそうだ。

さらに、1960年代後半にペルーに輸入されるようになった味の素。

オルフィリアさんいわく、「ペルー料理の味の決め手は塩とレモンと味の素で、どの家庭にもレストランにも味の素が置かれている」ほど浸透しているという(一流レストランはないかもしれないが……)。  こうしてつくられたセビチェは、必ず南米原産のジャガイモとトウモロコシと一緒に食べるのだが、各国の要素が散りばめられたペルー料理は、まさに「食文化の融合」といえる。

ペルー料理は先住民と移民がともにつくりあげた料理なのだ。 リマで生まれ、食事の最初に食べるセビチェは、それを象徴するソウルフードなのだろう。

「私は日系3世で、父方の祖父母は沖縄出身でした。だから家では沖縄料理もよく出ました。  ペルー料理も日本料理もどちらも好きです」とマヌエルさん。  彼には日本人とペルー人の血が流れていて、オルフィリアさんはコロンビア人の血を持つ。姪で日系4世のマスミさんは中国人やドイツ人の流れもくんでいるという。 ペルー料理が世界で受け入れられるのは、各国の文化がその味にほのかに感じられるからなのかな、と思う。

やがて食卓に料理が並び始めると、タイミングよく近くに住むマヌエルさんの長男夫婦とその娘さんもやってきた。  スペイン語が賑やかに飛び交い、子どもたちは元気に走り回る。

めいめいが席につくと、長男の儀間政則さん(日本国籍を取得しているため日本名のみ)がみんなに話しかけた。  「今日は久しぶりにマスミと食卓を囲むことになりました。 だから遅くなったけど、マスミの大学進学のお祝いをしよう。夢の実現を願って」

照れるマスミさんにみんなが祝福の声をかける。 家までの道すがら、通訳士になりたい理由をマスミさんはこう語っていた。 「幼い時に来日してからは外では日本語、家ではスペイン語なので、今では2カ国語を話しますが、両親は日本語があまりできないので、私が通訳しているんです。そうするうちに、言葉をつなぐ仕事に就きたいと思うようになったんです」

マヌエルさん一家もマスミさん一家も、1990年代初頭に頻発していたテロから逃れるため、縁ある日本にやってきた。  政情はだいぶ落ち着いたものの、いまだペルーの犯罪率は高い。  だから祖国には戻らず日本に永住するだろうとしつつも、マヌエルさんは言う。 「両親や他の親戚はいまもペルーにいるので、それを思うと心配だし、さみしくなります。  だからこそ家族の食卓は大事にしたい。 セビチェを食べながらいろいろな話をするんです。 ペルーにいた頃を思い出しながら」

国民食であるセビチェは、彼らにとって祖国を身近に感じられる料理でもあるのだ。  オルフィリアさんが次々とペルーの家庭料理を振る舞い、マヌエルさん一家の食卓は空が薄暗くなる頃まで笑い声に包まれていた。  久々にあたたかな家庭の味に触れ、私も母の味噌汁が飲みたくなった。 今年の年末はちゃんと実家に帰って食卓を囲もうと思う日曜日であった。

ペルー料理ー2

多くの移民が持ち込んだ食文化が融合し、多彩な料理へと発展するペルー料理

2011年の「世界料理サミット」の会場として、世界各国のシェフを迎えたペルーの首都リマ。「エル・ブジ」のフェラン・アドリア氏をはじめ、「ノマ」のルネ・レッゼピ氏など世界の有名シェフが注目し絶賛したペルー料理だが、ペルー料理レストラン「ベポカ」は、現地で活躍したシェフを招いて、本場のペルー料理をサービスする。

新鮮な魚介類が手に入る海沿いの街で生まれた名物料理、魚介類のマリネ「セビチェ」や、刺身のように魚をスライスしてソースをかけた「ティラディート」。アンデスの種類豊富なジャガイモを使用し、ケーキのように盛り付けた「カウサ」、中国系移民のもたらした炒め技術を取り入れた「ロモ・サルタード(牛ヒレ肉のソテー)」、スペイン人移民がもたらしたクリオージォ料理など、バリエーション豊かであることも大きな特徴だ。

また、ペルーのお酒「ピスコ」はぶどう果汁が原料の蒸留酒で、豊かな香りを放ち42~44度と強いアルコールだが、ベポカでは10種あまりのカクテルを用意。現地でも人気のピスコ・サワー、チルカノをはじめ、ペルー原産のフルーツを使用したものなど、一度味わってみないとわからないカクテルも多数楽しめる。

ペルー料理ー3

 === 続く ===

前節へ移行 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/04/22/

後節へ移動 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/04/24/

 ※ 下線色違いの文字をクリックにて詳細説明が表示されます ⇒ ウィキペディア=に移行
*当該地図・地形図を参照下さい

—— 姉妹ブログ 一度、訪ねてください——–

【疑心暗鬼;民族紀行】 http://bogoda.jugem.jp/

【浪漫孤鴻;時事心象】 http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/

【閑仁耕筆;探検譜講】 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon

民族のソウル・フード探訪 =047=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

 ★ ペルーの国民食は日本風味!!? =2/3= ★

ペルー料理ー1​​​​​​ ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​

 生あるいは軽く湯引きした魚介類のマリネで、ペルーの国民的な料理だという。  ペルーでもマグロを生で食べるのかと興味がわく。  ジッと見ていると、作り方は簡単なのよと、オルフィリアさんはサイコロ状のマグロに調味料や野菜を次々に入れて手際よく混ぜていった。

「セビチェで使う魚介の種類は決まっていません。 そのときに新鮮で美味しそうなものを選びます。 味付けはレモンと塩と味の素と唐辛子。 これはみんな同じだけど、つくる人の好みによってまったく味が変わりますよ」

味の素とはこれまた身近な……。 そこへ「そうそう、お母さんのセビチェとは全然違う」とマスミさん。

「セビチェはレモンと唐辛子が味のポイント。  種類も量も人それぞれです。 ペルーは日本よりレモンも唐辛子も種類が豊富なんですよ」と、マヌエルさんの義理の息子さん、フェルナンド・II・ブラボ・ナカムラ(日本名・中村フェルナンド)さんも教えてくれる。  日本のスーパーで売っているレモンは酸味が少ないので、酸味を強くしたいときは南米の輸入食材店でメキシコ産のレモンを買って使うそうだ。

食べたそうにしているのがバレたのか、「味見をどうぞ」とご厚意の声。少々フライングだが、遠慮なくいただきました。  口に入れたとたん広がるのがレモンのさわやかな酸味。  これが魚介の生臭さを消し、うま味だけを引き出している。 唐辛子はピリッとするが強すぎず、玉ネギのシャキシャキ感やコリアンダーの風味もいいバランスだ。  すべての食材が主張し過ぎず、全体としてさっぱりと仕上がっている。

「これもひとつの融合だなあ」と噛みしめていると、「ペルーでは昼の食事を一番大事にしています。 いまは、平日はみんな仕事で集まれないから、日曜のお昼は必ず家族で集まってゆっくりと過ごすんです。 そんなときに最初に食べるのが、このセビチェなんですよ」とマヌエルさんが教えてくれた。

彼が言うには、セビチェはもともと海沿いにある首都リマの料理だという。

ペルーは海、山、ジャングルと大きく3つの地域に分かれていて、それぞれ文化も食事もまったく異なるが、セビチェは人びとの移動、交通の発などによって全国に広がった。  「いまではどこでも食べるし、レストランに行っても最初に食べる料理。 店の味はセビチェでわかると言われるほどです。  私はジャングルの出身だけど大好物なんです」とマヌエルさん。

なぜ国民食にまでなったのかと聞くと、「さっぱりしているので、飲み過ぎた後にピッタリだからかな」と笑う。 それはジョークだとして、セビチェの「さっぱり感」をもたらしているレモンはインドが原産で、スペイン人が南米に持ち込んだもの。 コリアンダーも地中海地方が原産である。

太平洋に面し、年間漁獲量が世界4位(2011年FAO調べ)というほど魚介類が豊富なペルーでは、魚を生で食すこと自体はスペインに征服される前にも見られたようだ。  そこに登場したレモンやコリアンダーは、味もさることながら、ともに消臭効果や殺菌作用を持つことから、冷蔵技術のない時代に生活の知恵として取り入れられ、定着していったのではないか。

ペルー料理ー2

ペルー料理(その二)

※ アンティクーチョ(Anticucho)は、数cm角に切り分けた肉類を唐辛子(アヒ・アマリージョ)、大蒜、クミンワインなどで作ったタレに数時間漬け込み、それを5、6個ずつ金串や竹串に刺したものを、炭火などで焼くことで作られる。 使用される肉として最も一般的なのは、牛のハツ(心臓)である。 この場合、タレに漬け込んだハツをそのまま串に通す以外に、平らに切り出してタレに漬け込んだハツを波打つように串に刺して焼く場合もある。 またこの他に、ハツのような内臓ではなく、普通の肉(筋肉部分)をタレに漬け込んで、それを串に刺して焼く場合もある。

このように形状としては日本で作られる焼き鳥と似ているものの、そのサイズはずっと大きい。 ただし、肉以外の食材も串に刺して焼く場合もあって、例えば、ボリビアやチリの屋台で売られているアンティクーチョでは、串の先端にジャガイモの大きな塊が刺されている事が多い。 また、チョクロ(トウモロコシ)を輪切りにしたものを串に刺す事もある。 アンティクーチョには、しばしば焼いたり揚げたりしたジャガイモが供され、これも一緒に食べる。

※ ピスコ (Pisco) は、ペルー原産のブドウ果汁を原料とした蒸留酒。 色は無色透明、あるいは淡い琥珀色でアルコール度数は約42度。 16世紀にカナリア諸島からペルーにブドウが持ち込まれ、気候等の条件が合っていたため栽培が盛んに行われ、ピスコの製造が始まった。 ペルーとチリの間で、ピスコの定義を巡って争いがある。しかし正式には、ピスコはペルーにあるピスコ地方で栽培されたブドウを伝統製法で作られたものをのみピスコと呼ばれている。 タクナ産のピスコはペルー国内で高品質のものとして知られている。

ペルー料理ー3

 === 続く ===

前節へ移行 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/04/21/

後節へ移動 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/04/23/

 ※ 下線色違いの文字をクリックにて詳細説明が表示されます ⇒ ウィキペディア=に移行
*当該地図・地形図を参照下さい

—— 姉妹ブログ 一度、訪ねてください——–

【疑心暗鬼;民族紀行】 http://bogoda.jugem.jp/

【浪漫孤鴻;時事心象】 http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/

【閑仁耕筆;探検譜講】 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon

民族のソウル・フード探訪 =046=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

 ★ ペルーの国民食は日本風味!!? =1/3= ★ 12p.見出し④

ペルー料理ー1

  「世界のベストレストラン50」をご存知だろうか。 イギリスの雑誌「レストラン・マガジン」が発表するもので、世界各国の評論家やシェフ936人が選ぶ外食業界で最も影響力があるとされるランキングだ。

少し前の話になるが、4月末に2013年のランキングが発表されたときに、気になった国がある。 ペルーだ。首都リマにある「アストリッド・イ・ガストン」が14位にランクインしたほか、同じくリマにある「セントラル」も50位にランクインした。 欧州とアメリカがほぼ上位を独占するなかで、異例の高評価だったからだ(ちなみに、アジアの最高位は日本、東京・南青山にあるフレンチ「ナリサワ」の20位)。

 日本ではあまり馴染みのないペルー料理だが、どうやら欧米では以前から有名で、近年、各国でペルー料理のレストランが増えているとか。 そして、その人気の秘密は16世紀にスペインの植民地となって以来、さまざまな移民を受け入れてきたことによる、食文化の融合にあるという。

つまり、“いいとこどり”ということなのか。なんだかうまそうではあるけれど、島国育ちの私には「融合」という言葉がいまいちピンとこない。 そんなことを考えていたときに、友人を介してペルー人のカルメン・マスミ・ミラグロス・レング・ギマ(日本名・儀間益美)さんと知り合った。 私の関心事を話すと、「それなら、一度ご飯を食べにきませんか」という。

気になるペルーの家庭料理を味わえるなんてまたとない機会だ。 「ぜひとも!」と即返事をして、日曜の昼ご飯にお邪魔することになった。 もちろん、ペルーのソウルフードに出会えることも期待して。

千葉県船橋市の某駅でマスミさんと待ち合わせる。 「せっかくなら、ぜひ伯母さんの料理を食べてほしい。私も久しぶりなんですけど、レストランで料理をつくっていたこともあって、親族一の腕前なんです」という言葉に従って、彼女の母親のお兄さん宅へ向かった。 マスミさんは神奈川の大学に通う一年生。通訳士になるのが夢だという。

「オラ!」とスペイン語の挨拶で迎えてくれたのは、マスミさんの伯父のファン・マヌエル・ギマ・ティアス(日本名・儀間マヌエル)さん。 マヌエルさん宅は、マヌエル夫婦を筆頭に長女夫婦とその息子さん、三男が住む。「いま料理をつくるところです」と導かれて家の中に入ると、奥さんのオルフィリア・ヘラスコ・ロペス・デ・ギマさんが食材の準備をしていた。

テーブルの上にはイカやタコ、ジャガイモ、トウモロコシ、唐辛子、コリアンダー、玉ネギ、セロリ、そして調味料が所狭しと並んでいる。 いったい何をつくるのか問うと、マグロのサクを2センチ角ほどのサイコロ状に切りながらオルフィリアさんが教えてくれた。

「セビチェです」

ペルー料理ー2

※ ペルー料理 : 先住民のインディヘナ、移民したスペイン人、黒人、中国人、日本人、イタリア人などの多様な国民の影響を受けて独特の多種多様なペルー料理を形成している。 フランス料理、中国料理、インド料理などと並ぶレベルに達しているという見解があり、注目を集め始めている。

セビチェceviche)は、ラテンアメリカで食べられる魚介類のマリネである。 ペルーやメキシコなどの名物料理。

小骨を良く取り除いた生の魚を1-2cm角くらいに切る。 これにみじん切りにしたタマネギとトマトを加え、レモンをたっぷり絞って混ぜ合わせる。 シラントロパセリオレガノなどの香草やアヒ・アマリージョなどの唐辛子を好みで加える。 オリーブ・オイルを加えることもある。 で味を整えて完成となる。

具材には、メロ(マジェランアイナメ)やコルビーナ(ニベ科の魚)、ペヘレイなどの白身の魚、海老、タコ、イカ、ホタテ、ハマグリなどの貝類が使われる。 カマスサワラのような青身魚が使われたり、ウニ、火を通した家禽の肉、ザリガニ、もつが使われることもある。 野菜だけから成るセビチェも存在する。

香辛料としては、地域によってアヒ・アマリージョやアヒ・リモ、チレ・セラーノ、もっと辛いロコトハラペーニョを刻んだものが用いられたり、大蒜を加えることもある。

ラテンアメリカの中でも主に太平洋に沿った、新鮮な魚介類がとれる地方で広く食べられている。 中でもペルーでは国民食とされる。 前菜として供されることが多いが、サツマイモ、キャッサバ、トウモロコシ、ジャガイモ、豆、アボガド、トストーネスなどを添えて主菜とすることもあり、また、のつまみとしてもよく食べられている。 メキシコでは揚げたトルティーヤの上にセビチェを盛ってトスターダとすることもある。

ペルー料理ー3

 === 続く ===

前節へ移行 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/04/20/

後節へ移動 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/04/22/

 ※ 下線色違いの文字をクリックにて詳細説明が表示されます ⇒ ウィキペディア=に移行
*当該地図・地形図を参照下さい

—— 姉妹ブログ 一度、訪ねてください——–

【疑心暗鬼;民族紀行】 http://bogoda.jugem.jp/

【浪漫孤鴻;時事心象】 http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/

【閑仁耕筆;探検譜講】 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon

民族のソウル・フード探訪 =045=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

 ★ 家族の絆を深めるサンデーランチ =3/3= ★

スロベニア料理ー13

 ヨーロッパ、とくにキリスト教文化圏では、「パンはイエスの肉、ワインは血」と言われるように古くから食物は宗教性を帯びていて、食事の内容も一週間とか一年というサイクルで食べる物が決まっていたという。 「スロベニア人は、もともとは農民で貧しかったんです。 普段は畑を耕しながらパンにチーズ、野菜といった質素な食事を摂り、牛肉は週に一度、日曜だけ食べられるごちそうでした」とヘレナさん。 だから、牛肉をスープとメインにあますことなく使うのか。

いっぽう、南米原産のジャガイモは大航海時代にヨーロッパにもたらされ、栽培が容易で収穫量も多いことから18世紀に入って飢饉を救う食べ物として欧州全土に広まった。 「白いトリュフ」とも言われるほど、大事にされてきた食材なのだ。

現在も人口の6割がカトリックであるスロベニア人は日曜になると教会に行き、帰ってから家族で同じメニューを囲む。「ティーンエイジャーの頃はやっぱり反抗期で、教会に行くのが嫌で早くランチを食べたいと思いながらお祈りしていました(笑)。 いまの都市部の人や10代、20代の子たちは教会に行かずショッピングとかする人もいるみたいだけど、お昼になると家に帰ってきてサンデーランチを食べるということは変わりません」とティナさんは言う。

基本は牛肉であるものの、家庭によって、またその時の状況によって鶏肉でスープをつくることもあるが、ティナさんの父親は「伝統的でないとダメだ」と怒るそうだ。 「サンデーランチは2時間近くかけて食べるんですよ。 ワインと一緒にね。ついつい食べ過ぎて動けなくなることもある(笑)。 でも、おなかがいっぱいになった後にコーヒーを飲みながら家族とゆっくり話をするのが至福の時なんです」と話すのは大使館の全権公使のオト・プンガルトニックさん。

そういえば、パーティーでも「サンデーランチの後に家族と散歩をしながら話をする時間が好き」と言う人もいた。 「スロベニア人は家族で集まる時間をとても大切にしています。 だからサンデーランチはクリスマスやイースターと同じくらい特別で、とっておきの材料をつかって手間をかけて料理をつくるんです」とヘレナさんは話す。

ヘレナさんの母親はいつも数日前からゴヴェヤ・ユーハに入れる麺などをつくっていたそうだ。 「私の母や祖母も土曜日から料理の準備をしていました」とオトさんも言う。「そうした料理には母たちの愛情がつまっています。 サンデーランチ・イコール・マムです」。 スロベニア人にとってサンデーランチは、食べられることと家族といることへの感謝を忘れないための食事なのだろう。

ランチを食べ終えると心地よい満足感に包まれた。 みんな、スパークリングワインを手に話が弾んでいる……って、今日は平日なのに昼からアルコールを飲んでしまった。 まだ仕事があったんだっけ。 「でもまあ、たまにはこんな時間もいいな」と、顔の火照りがおさまるまで、食後のトークタイムを楽しんだのだった。

スロベニア料理ー14

スロヴェニア

スロベニアは西はイタリア、北はオーストリア、南や南東はクロアチア、北東でハンガリーとそれぞれ国境を接している。 国土面積は20,273km2 (7,827 sq mi)で、人口は205万人を擁する。 議会制共和国で、欧州連合や北大西洋条約機構の加盟国である。 スロベニアではアルプス山脈とディナル・アルプス山脈、地中海のアドリア海に沿った少ない海岸部分のヨーロッパの4つの大きな地理的な部分が接している。

スロベニアの国土はモザイク状の構造で多様性に富んだ景観や、生物多様性があり、この多様性は自然の特質と長期の人間の存在による。 主に丘陵地の気候であるが、スロベニアの国土は大陸性気候の影響を受け、プリモルスカ地方は亜地中海性気候に恵まれており、スロベニア北西部では高山気候が見られる。 スロベニアの国土の半分以上は森林に覆われている。 スロベニアの集落は分散しており、一様ではない。

スラヴ語派やゲルマン語派、ロマンス語派、フィン・ウゴル語派などの言語や文化のグループはスロベニアで接し領域は均質でないが、人口数ではスロベニア人が優勢である。 スロベニア語はスロベニアの唯一の公用語であるが、イタリア語やハンガリー語などは地域の少数言語となっている。 スロベニアの大部分は宗教と分離しているが、文化やアイデンティティの面ではカトリック教会やルーテル教会の大きな影響を受けている。 スロベニアの経済は2000年代後半に始まった欧州経済危機により厳しい痛手を負っている。  経済の主要な分野は第三次産業で、工業や建設がそれに続く。

スロベニア料理ー15

 === 続く ===

前節へ移行 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/04/19/

後節へ移動 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/04/21/

 ※ 下線色違いの文字をクリックにて詳細説明が表示されます ⇒ ウィキペディア=に移行
*当該地図・地形図を参照下さい

—— 姉妹ブログ 一度、訪ねてください——–

【疑心暗鬼;民族紀行】 http://bogoda.jugem.jp/

【浪漫孤鴻;時事心象】 http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/

【閑仁耕筆;探検譜講】 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon

民族のソウル・フード探訪 =044=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

 ★ 家族の絆を深めるサンデーランチ =2/3= ★

スロベニア料理ー13

  「ゴヴェヤ・ユーハと言います」

火加減を見ながらティナさんが教えてくれた。 ゴヴェヤは牛肉、ユーハはスープという意味だ。 「ゴヴェヤ・ユーハはサンデーランチの最初に飲むスープです。 牛肉と野菜を3時間ぐらいかけて煮込んで、出汁が十分に出たら具材を取り出し、卵と小麦粉、塩でつくった細くて短い麺を入れます。 仕上げに生パセリをまぶして完成です」

具材を取り出すとはなんて贅沢なんだ……と思っていたら、煮こんだ牛肉はメインディッシュとして食べるそうだ。 そしてもう一つ欠かせないのが「プラジェン・クロンピル」というジャガイモの炒め物。茹でたジャガイモ(クロンピル)とタマネギをオリーブオイルでつぶしながら炒め、塩で味を調えるという料理で、とてもシンプルだと思うのだがパーティーでみんながやたらと熱く語っていた。

 「スロベニア人はジャガイモが大好きで毎日のように食べるんです。 プラジェン・クロンピルはジャガイモの美味しさが活かされていてとくに人気。 普段もよく食べるし、首都のリュブリャナにはこれを国の代表料理にしようとアピールしている団体もあるほど。 私の父親も一番好きな料理です」とティナさん。

このゴヴェヤ・ユーハ(と牛肉)、プラジェン・クロンピルに好みのサラダを加えた3品がサンデーランチのメニューだという。テーブルに料理が並び、グラスにはスパークリングワインが注がれた。 この日は日曜ではなかったが、大使館の方々にも声をかけて、スロベニア語で乾杯を意味する「Na zdravje(ナストラーヴィエ)」の掛け声で特別なサンデーランチがスタートした。

まず、ゴヴェヤ・ユーハをいただく。キラキラと黄金色をしたスープは牛肉と野菜のうま味がたっぷりで、卵風味の麺はつるんとした食感。 味わい豊かだがしつこくないのでいくらでもいけてしまう。 メインディッシュの牛肉は口の中でほろりと崩れるほどやわらかだ。 プラジェン・クロンピルはマッシュポテトのようだが、所々にコロコロ感も残っているのでいろいろな食感が楽しめ、ジャガイモとタマネギの自然の甘みが活かされている。

手が込んではいるがどこか素朴で、「ほっとする」という意味がわかる気がする。 しかし、このサンデーランチが伝統的で大切にされているのはなぜなのか。 そう問うと、一緒に食事をしていた特命全権大使のヘレナ・ドルノウシェク・ゾルコさんが教えてくれた。

「キリスト教の安息日である日曜日は、午前中に家族で教会に行ってお祈りをします。 その後に家族でごちそうを囲んで日々の努力を労るのが、サンデーランチなんです」。 そもそもサンデーランチはヨーロッパ各地で見られる風習だ。「料理は国によって違いますが、国境を接するクロアチアではゴヴェヤ・ユーハに似た料理が食べられていますよ」とヘレナさんが言うように、たとえばイギリスなどでも日曜の昼にローストビーフを食べる習慣がある。

スロベニア料理ー14

スロヴェニア料理 その二

ビーフスープ(Goveja Juha)、これは牛のスープです。 牛の脚の部分を骨ごと野菜と一緒に煮込んでだしたっぷりのスープを食べます。 塩などで味を調整してから細いパスタを入れて頂きます。 人参などの根菜を少し入れ、パセリをかけていただきます。 このスープは世界一です。 レストランや手作りのスープも飲みましたが、一度として同じ味の物を食べた事がありません!各家庭、レストランによって味が異なり、かつ美味しいのです。

クランスカ・クロバサは、スロベニアを代表する伝統的な肉料理。 スロヴェニアにおいては、『肉加工食品の品質に関する法律』の中で、クランスカ・クロバサについては次のように厳密に規定されている。

豚肉を最低68%以上、牛肉を最低12%以上使用し、脂身は20%以下でなければならない。 添加物として認められているのは、水、食塩、ニンニク、胡椒が5%以内である。 その他の添加物は加えてはならない。 肉は10~13mm、脂身は8~10mmの大きさに挽いておく。 豚の腸に直径32~36mmになるように具材を詰める。 長さは12~16cm、重さは180~220gになるようにし、70℃以下の温度で燻製にする。 この条件を満たしていないものは、スーパーマーケットや精肉店の店頭でクランスカ・クロバサという名称を使って販売することは出来ない。

イドリイスキ・ジュリクロフィはスロベニア西部にあるイドリヤの郷土料理。 生地の中にジャガイモなどの具材を詰めて作られる。 前菜としても、肉料理の付け合わせとしても、単品としても楽しむことが出来る。 生地に、詰物(500gのジャガイモ、細かく刻んで揚げた脂身または燻製のハム、50gの玉葱、香辛料を包んで茹でる。

アイドヴィ・ジガンツィは、スロヴェニアを代表する郷土料理である。 レストランなどでは付け合わせとして出される。 そば粉にぬるま湯を混ぜ合わせながら加熱する。 牛乳をかけて食べることも多い。

プラージェンクロンピール、ジャガイモとたまねぎを一緒にいためた、いわば料理の主食にあたるものです。 一度ジャガイモを茹でます。 そしてタマネギ細かくきざんで炒めます。 茶色くなってから茹でたジャガイモを入れてしばし炒めます。 これで完成。 この料理も家庭でよく食べられ、レストランや家庭によってタマネギのいたまり具合が違って、面白いです。

スロベニア料理ー15

 === 続く ===

前節へ移行 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/04/18/

後節へ移動 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/04/20/

 ※ 下線色違いの文字をクリックにて詳細説明が表示されます ⇒ ウィキペディア=に移行
*当該地図・地形図を参照下さい

—— 姉妹ブログ 一度、訪ねてください——–

【疑心暗鬼;民族紀行】 http://bogoda.jugem.jp/

【浪漫孤鴻;時事心象】 http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/

【閑仁耕筆;探検譜講】 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon

民族のソウル・フード探訪 =043=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

★ 家族の絆を深めるサンデーランチ =1/3= ★

スロベニア料理ー10

  東京メトロ日比谷線の広尾駅。 出口にある案内板を見て思わず「すごいなあ」とつぶやいた。 ノルウェー、スイス、カタール、クロアチア……と各国大使館の名前で埋め尽くされているからだ。 広尾駅周辺に大使館が多いことは周知の事実だが、こうやって並んでいるのを見るとなんだか圧倒される。

この界隈に大使館が集中している理由は明治時代まで遡る。 明治政府と欧米諸国が大使館建設地を協議していくなかで、東京都内から選ぶこと、港のある横浜に近いこと、地盤がしっかりしていること、警備のために同じエリアに固めることなどの条件を満たす場所として、武家屋敷が並んでいた広尾を含む現在の渋谷区、港区周辺が選ばれたのだという。 日本には現在170カ国以上の大使館があるが、港区だけでも約半数が所在しているそうだ。

 輸入食品が豊富な駅前のスーパー・明治屋にでも行くのだろうか、子ども連れの欧米女性とすれ違いながら、私は日本赤十字社医療センターの方に向かって歩いた。 目的地はセンターからほど近いスロベニア大使館。 併設されている政府観光局のティナ・ザドニックさんに、スロベニアの故郷の味「サンデーランチ」をごちそうしてもらう約束をしているからだ。

きっかけは都内で行われた、日本に住むスロベニアの人たちが開催した「セント・マーティン・デー(収穫祭)」のパーティーでのこと(第13回参照)。 料理やワインをいただきながら、私はティナさんたちスロベニア人と「懐かしの郷土料理」についての会話を交わしていた。

たとえば、日本を代表する食べ物のソバが、実はスロベニアでもよく食べられている、でもソバの実をそのまま茹でて食べるなど食べ方が違うと、似て非なる食文化を比較して盛り上がったのだが、そんななかでティナさんが言った。

「だけど、一番懐かしいのはサンデーランチかな」

その名のごとく日曜日の昼の食事だそうで、「そうそう! スロベニア人はサンデーランチをとても大事にしているのよ」と周りにいたスロベニア人たちも同意する。どのような食事なのかと尋ねると、「日曜のランチは必ず家族で食事をするんです。料理も牛肉を煮込んだスープと炒めたジャガイモ料理と決まっているの。 どちらもスロベニアの伝統的な味です」とティナさん。

「スープを飲むと昔を思い出してほっとする」「ジャガイモの料理は日本でも食べたくなるとつくりますよ」「ああ、想像するとヨダレが出てくる」と、みんなも嬉々として語る。 それほどまでにスロベニア人を熱くする料理なんて、聞いてる私までヨダレが出てきた。 思わず「食べてみたいなあ」と言うと「それなら今度一緒に食べましょうよ!」とティナさんがつくってくれることになったのだ。

こぢんまりとしているが瀟洒な建物の大使館に入ると、「いまつくっているところです」と、ティナさんがキッチンへと案内してくれた。 部屋に漂う料理の匂いに食欲がそそられる。 「いい匂いでしょう。 日曜日の匂いだわ!」とティナさん。 コンロで弱火にかけられている鍋を覗くと、大きな牛肉の塊にニンジン、タマネギ、パプリカが丸ごとゴロゴロと入っていた。

スロベニア料理ー11

スロヴェニア料理 : スロヴェニアの伝統的な料理として特に重要なものは以下の通り。

《 スープ 》  バカルツァ  / ボグラチ  / ヨタ  / ミネシュトラ  / ポリシャ・オバラ  / プレジガンカ  / シャラ  / シュタイエルスカ風サワー・スープ

《 肉料理 》  クランスカ・クロバサ  / イドリイスキ・ジュリクロフィ

《 肉の入っていない料理 》  アイドヴィ・ジュガンツィ

《 酒 》  スリヴォヴィッツ

ボグラチ(Bograč)は、スロヴェニア北東部のプレクムリエ地方の郷土料理。 ハンガリーの伝統的な料理グラーシュによく似ている。 材料は豚肉、牛肉、猪肉、ジャガイモ、タマネギ、ニンニク、パプリカ、。 他のグラーシュと異なる点は、肉を3種類使う点と、ジャガイモを別個に調理せずにスープと一緒に料理する点である。

ヨタ(Jota)は、スロヴェニアやクロマチアやイタリアのイストラ半島地域を代表する煮込み料理。 豆や野菜を煮込んでサワークリームをかけて出される。 豆、ザワークラウト、カブの酢漬け、ジャガイモ、豚肉を煮込んでサワークリームをかけて出される。 またはポーク・スクラッチングをかけることもある。 尚、イストラ半島で、ヨタは普通ポレンタとともに食べられる。 冬には、温めて食べられるが、夏には冷たくして食べられる。

リチャット(Ričat)は、麦、タマネギ、人参、豆、厚切りベーコン(ソーセージやハムなど他の豚肉で代用可)が入った具沢山スープです。 これも豚のだしがきいていて美味です。 麦が美味しいくて、1日目より2日目の方が美味しい。 ちなみに、このリチャットとヨータは山小屋に必ずあるメニューです。 スロヴェニア人は山登りをし、頂上でこの2つのスープを食べています。 結構ボリューム満点。

スロベニア料理ー4

 === 続く ===

前節へ移行 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/04/17/

後節へ移動 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/04/19/

 ※ 下線色違いの文字をクリックにて詳細説明が表示されます ⇒ ウィキペディア=に移行
*当該地図・地形図を参照下さい

—— 姉妹ブログ 一度、訪ねてください——–

【疑心暗鬼;民族紀行】 http://bogoda.jugem.jp/

【浪漫孤鴻;時事心象】 http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/

【閑仁耕筆;探検譜講】 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon