睡眠の都市伝説の真意 =093=

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眠症を慢性化させる「3つのP」とわ?  =1/2=

 睡眠研究=1

 心配事で眠れない、大きな地震があって不安で眠れぬ夜を過ごした、などの経験は誰しも持っている。 ただし、このような急性ストレスによる不眠は数日から長くて2週間ほどで改善する。 不安な時に眠れないのは当たり前、危険な状況に即座に対応できるよう覚醒度が高まるために生じる一種の正常な生体反応(警告反応)なのだ。

不眠の多くが一過性であることを示す端的なデータがある。東日本大震災の時に自分が主任研究者をしていた厚労省研究班で日本人の睡眠状況についての緊急調査を行う機会があった。 震災直後は不眠に悩む人が急増したが、震災1カ月過ぎにはその数はかなり減少し、1年後には被災地でも平時とさほど変わらぬ頻度まで低下していた。

このように睡眠機能には大きなレジリアンス(回復力、復元力)があるのだ。 ところが、一部の人ではある理由で不眠が長引いてしまうことがある。そして一度こじらせるとなかなか治らないのが不眠のやっかいな点である。ある理由というのが今回のテーマの「3つのP」である。

本題に入る前に予備知識を幾つかご紹介する。 まず不眠をこじらせるのに要する期間について。 個人差が大きいがおおよそ1カ月から数カ月と考えられている。 たとえば、1カ月以上持続する不眠に陥ると自然に治ることは少なくなり、その70%では1年後も不眠が持続し、約50%では3~20年後も不眠が持続していたという調査結果もある。 不眠には後戻りできないルビコン川が存在するのである。

次に不眠症の診断基準について。 昨年改訂された米国睡眠医学会の診断基準(睡眠障害国際分類第3版)では不眠症の診断基準として、「寝つきが悪い」「夜中に目が覚める」などの不眠症状があること、不眠症状のために日中に眠気や倦怠感、作業能力の低下など心身の機能異常が生じていること、その他の睡眠障害の基準に合致しないことなど6項目が設けられている。

不眠(症状)は成人の約30%にみられるが、このような基準を満たす不眠症は軽症も含めて成人の10%、病院に受診するような中等度以上の不眠症が約7%に認められる。非常に頻度の高い疾患であることが分かる。

さて、不眠症という診断がついたとする。その次にどのようなタイプの不眠症なのか分類する作業がある。 従来の診断基準では不眠症は原因別に「うつ病など精神疾患によるもの」、「痛みや痒みなど身体症状によるもの」、「薬物の副作用によるもの」など10種類以上に分類されていた。 ところが新たな診断基準ではこの原因別の分類が全くなくなってしまった。

原因別の分類がなくなったのには幾つか理由があるが、最大のポイントは原因が何であれいったん不眠が慢性化するとある共通したプロセスで「正常な生体反応としての不眠」から「病気としての不眠症」に変質してしまうという不眠症の特徴である。心配事で始まった不眠も、アトピーの痒みで始まった不眠も、最終的には同じメカニズムで悪化していく。 すなわち中長期的には原因別の分類はあまり意味を持たないことが明らかになったのだ。

しかもいったん不眠症に悩み始めると、原因となった心配事や病気(痛みや痒みなど)が解決しても不眠症だけが残存して一人歩きを始めてしまうことが少なくない。 夫が大病を患い心配して不眠になってしまった奥さんがいる。 その後夫はすっかり快復して一安心したのだが自身の不眠症は改善せず、高鼾(いびき)で横に寝ている夫を恨めしげにみる、などのケースはその典型である。

睡眠研究=2

=資料・文献 (The Wallstreet Jouurnal)= 

不眠症(英:Insomnia, Hyposomnia)とは、必要に応じて入眠や眠り続けることができない睡眠障害である。 それが持続し、臨床的に著しい苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている場合に精神障害となる。

不眠症は、入眠や睡眠持続が難しかったり、睡眠の質が悪いといったことが続いているという特徴を持つ、いくつかの医学的な兆候と症状を伴う医学的また精神医学的な障害であると考えられている。 不眠症では一般的に起床中の機能障害が続いている。不眠症はどの年齢でも起きるが、女性と高齢者ではより一般的であり、特に顕著なのは高齢者である。 日本では60歳以上では約3人に一人が睡眠問題で悩んでいる。

不眠症は、原発性と二次性、あるいは併存の不眠症に分類される。 原発性不眠症とは、医学的、精神医学的また環境的な原因がない睡眠障害である。 医学的、心理学的な原因を特定したり除外することが重要であり、二次性不眠症とは、身体疾患、精神障害、薬物の使用等によるものである。 薬物誘発性不眠症の原因として最も多いのはカフェインであり、娯楽薬や処方薬も原因となりうる。

DSM-5とICSD-3では不眠症を原発性と二次性で分類するのをやめた。 不眠症状が生じた原因の内容を問わず臨床症状から不眠症を診断する。不眠と精神疾患とが併存する場合、治療はその双方を標的にする必要がある。 このため不眠症に並存疾患がある場合、2つの状態の因果関係を明らかにする必要はない。  ・・・・つづく

睡眠研究=3

=== 続く ===

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睡眠の都市伝説の真意 =092=

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宇宙時代が到来、その時あなたの睡眠は・・・・ =3/3= 

 睡眠研究=1

​​​ これを読んだだけでも本コラムの読者は「大変だな」とお気づきのことと思う。人の体内時計周期は平均で24時間10分、短い人でも限りなく24時間に近い23時間台後半である。30分も早寝早起きを続けるのは大きな困難を伴う。早起きはむりやりできても早寝ができないのでは睡眠不足になる。そこで寝つきをよくするため睡眠薬に頼るクルーが続出するわけだが、睡眠薬は脱同調を根本的に解決してはくれない。

このように短期間の宇宙空間でのミッションではクルーの睡眠を妨げるさまざまな悪条件が重なっているのである。

では、ISSやミールで長期間にわたり宇宙空間でのミッションをこなすクルーの睡眠はどうであろうか。これもまた問題が山積している。

ISS内では電話ボックスくらいの大きさの箱型ベッドで寝袋に入って睡眠をとる。空気を循環させるファンやパソコン用の電源とデータ回線も装備されているため狭いほかに騒音がある。就床時間は形式的にはグリニッジ標準時で21時30分~6時にかけて8時間半確保されているのだが、先にも書いたようにクルーの勤務状況は過酷であるためフルに睡眠時間を確保できることは少ない。

また、長期滞在時にも体内時計の調節障害が生じる危険性が報告されている。

たとえば、ミールに4カ月間滞在中であった42歳の男性クルーの深部体温リズムは、滞在時間が長期になるに従って24時間周期のリズム性が弱まり、また1日の体温の変動幅(振幅)が小さくなるなど脱同調の兆候が出現したと報告されている。同時に睡眠の質や業務時間中のパフォーマンスの低下も認められたという。

宇宙空間に長期滞在した際に生じる睡眠・生体リズム問題についてはまだデータが少ない。現在もクルーを対象にした調査研究が行われているので、いずれその実態が明らかにされるだろう。

ISSにとどまらず、今後、火星をはじめ地球以外の惑星へ飛行したり居住したりする時代が来ることは間違いない。人が宇宙空間の環境に生理的に適応し得るのか、健康に生活し得るのか、すでに真剣な検討が始まっている。例えば、光やメラトニンを用いて人の体内時計周期を火星の自転周期(24.6時間)に適応させるためのシミュレーション研究なども実施されている。

JAXA(宇宙航空研究開発機構)はISSについてしばしば「極限環境を有したテストベッド」だと表現する。宇宙空間という厳しい環境における医学研究の成果は地球上に住む人々の健康管理に還元できるという意味である。クルーの睡眠や生体リズム調節に関する知見もまた時差ボケや不眠治療に生かすことができる日がくるだろう。

睡眠研究=2

=資料・文献 (The Wallstreet Jouurnal)=

 NASAが火星に宇宙飛行士を派遣するために(2/2)

アポロ11号はおよそ4日で月に到達したが、現在の科学技術をもってしても地球から火星まで約半年もかかる。宇宙船に載せられる食料・水などの物資には限度があるし、何より厄介なのが搭乗員の健康問題だ。長期間無重力空間で生活していると、人体の骨や筋肉は著しく衰退していく。エクササイズを行ったり電気刺激を流したりして、筋萎縮を防がなければならない。また、8割近くもの宇宙飛行士が睡眠不足の経験をうったえており、宇宙空間で眠ることの難しさも問題視されている。

そこでNASAは、宇宙飛行士を地球外で冬眠させる技術の開発に着手した。体温を10度以上下げて一種の仮死状態にすれば、人体の消耗エネルギーを50%以上カットすることができる。無論、冬眠中は点滴によって必要最低限の栄養が補給されるため、死に至ることはない。宇宙船が目的地に着くまで一眠りというわけだ。

現在の医学技術では、人間を健康的に冬眠させられる期間は7日程度が限界と言われている。今後冬眠テクノロジーの技術が進み、1年でも2年でも人体を低温下で保存できるようになれば、火星、木星、土星と太陽系内での人類の活動範囲も広がっていくことだろう。

人類初の火星着陸者になるのは誰か?想像するだけでも良い夢が見れそうだ。

睡眠研究=3

=== 続く ===

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睡眠の都市伝説の真意 =091=

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宇宙時代が到来、その時あなたの睡眠は・・・・ =2/3= 

 睡眠研究=1

​​​ クルーは精神的にも肉体的にも選び抜かれたエリート集団であるが、その彼ら彼女らにしても宇宙空間という特殊環境の中では安眠もままならない。クルーの業務は過密である。分刻みで組まれた多忙な作業により平均で6.5時間を下回るほどの短時間睡眠を強いられる。その分、質の良い睡眠を確保しなくてはならないのだがそれが実に難しいのだ。

精神的緊張やストレス、カプセルホテル並みの狭い就床スペースや換気ファンの騒音、宇宙酔いなどによる不快感などによって睡眠の質はどうしても悪くなる。また、体液シフト(微小重力のため体液が上半身に溜まりやすい)によって脳の血流量も変化するため、睡眠や覚醒調節をはじめ脳機能にまだ未解明のさまざまな影響をもたらしていると考えられている。実際、クルーの睡眠構造を調べると、中途覚醒が増えたり深睡眠が減少するなどの変化が認められる。

また、宇宙空間におけるやっかいな問題として生体リズムの脱同調がある。脱同調はこのコラムでは何回か登場した用語だが、睡眠時間帯とそれを支える生体機能リズム(ホルモンや自律神経リズム)が相互に正しい時間関係からずれてしまう現象をさす。平たく言えば、宇宙空間では時差ボケが生じやすいということである。時差ボケでは当然ながら睡眠の質は悪くなる。 前記載参照(「時差ボケは忘れた頃にぶり返す」

宇宙空間では脱同調の原因には事欠かない。低照度環境、90分周期の明暗サイクルのほか、後で紹介するようにスペースシャトルミッション内では特殊なシフトスケジュールが採用されていたことなどである。

第一に、シャトル内の独特な光環境が体内時計を不安定にさせる。たとえばスペースシャトルは地球一周を90分で回っているため、大きな窓のあるフライトデッキでは90分ごとに太陽光が差し込む(最高で8万ルクス)。一方、ミッドデッキやスペースラブ(実験ユニット)では常に低照度(93~171 ルクス)であった。90分周期の強すぎる光も、弱すぎる室内光も、サーカディアンリズム(約24時間周期のリズム)の調整には役立たないばかりか攪乱要因になる。

また、スペースシャトルのミッションでは打ち上げ時刻に対して着陸時刻を相対的に4~5時間早める必要があったため、多くのミッションでは、シャトル内でのクルーの睡眠スケジュール周期は23時間20分~40分に設定されていた。要するに、“毎朝”平均30分早起きを続けなくてはならなかったのである。

睡眠研究=2

=資料・文献 (The Wallstreet Jouurnal)=

 NASAが火星に宇宙飛行士を派遣するために(1/2)

近年、宇宙開発の分野で火星への注目度がにわかに高まっている。年9月にはNASAの無人探査機・MAVEN(メイブン)が火星の軌道に到着。インドが打ち上げた探査機・Mangalyaan(マンガルヤーン)も無事に火星に到達し、火星の環境調査が順調に進められている。

NASAは将来的には火星に宇宙飛行士を派遣することも検討しているが、そのためにはクリアしなければならない問題がいくつもある。驚くべきことに、その研究過程の中で人間を「冬眠」させる計画が持ち上がっているという。

火星は非常に神秘的な惑星だ。自転周期はほぼ地球と同じで、およそ24時間で1日が終わる。地球から見ると表面に運河のような模様を観測できるため、古来から火星には宇宙人がいると信じられてきた。実際、最近では、岩の割れ目からしみ出す水や、まるで人工物のような球体など不思議なものが続々と発見されており、関係者を大いに驚かせている。科学者ならずとも、より火星を詳細に調査したくなるのは自然な欲求と言えるだろう。

しかし、生きた人間を火星に派遣するのは想像以上に難しい作業である。 ・・・・・・・つづく

睡眠研究=3

=== 続く ===

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睡眠の都市伝説の真意 =090=

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宇宙時代が到来、その時あなたの睡眠は・・・・ =1/3=

 睡眠研究=1

​​​ 映画「猿の惑星」を鑑賞した人は多いだろう。知らぬ間に地球に舞い戻ってしまった宇宙船の中で、船長テイラー(チャールトン・ヘストン)はじめ乗務員は人工冬眠装置で長期間にわたり眠り続けるという設定になっていた。唯一人の女性宇宙飛行士は装置の不具合で映画の出だしからミイラになるという不運に見舞われた。

人工冬眠は数多くのSF映画や小説でも取り入れられている。なにせ恒星間飛行など外宇宙への旅行は長丁場である。狭い空間で楽しみも少なく、同じメンツで長期間過ごしているのは精神衛生上もよろしくない。トラブルの元であるので寝るに限る。

一方、太陽系内の宇宙旅行ではもう少し身近な睡眠問題がテーマになる。不眠、睡眠不足、リズム障害である。1961年から始まった有人宇宙飛行以来、宇宙飛行経験者は現在までに約500人おり、その大部分が微小重力環境での睡眠を経験している。そして実に多くの宇宙飛行士が眠りに悩んでいる。

最近では幾つもの民間宇宙飛行会社が台頭してきて、一般人でも「無理をすれば手が届く」金額で短期間の宇宙旅行ができる時代がすぐソコまで来ているようだ。宇宙飛行士が経験した睡眠問題をもしかしたら私たち自身も経験するかもしれない。少なくとも子供や孫が社会人として活躍する頃には宇宙旅行は決して一部の特殊な人々のものではなくなっている可能性が高い。

そこで今回は少し先取りして宇宙旅行の際に注意すべき睡眠問題について紹介したい。

最初に宇宙空間での眠りをレポートしたのはボストーク2号(Vostok2)で軌道上を約1日飛行したソビエト連邦(当時)の宇宙飛行士ゲルマン・チトフ、25歳である。1961年8月6日、バイコヌール宇宙基地から飛び立ち、軌道に入るとめまい、吐き気、頭痛などの宇宙酔いの症状に悩まされたものの、15:30から23:37(協定世界時UTC)までの8時間7分にわたり眠っている。「すばらしい眠りだった。浮遊感の中、赤ちゃんのようにぐっすり眠った」と答えたとされているが、覚醒時の気分は不良であったというのでちょっとやせ我慢の回答だったのかもしれない。

実際には多くの宇宙飛行士(クルー)が不眠で悩んでいる。1999年に発表されたNASA資料によればミッション中の60%~70%の夜でクルーが不眠を経験している。実際、睡眠薬はシャトル内でもよく使われていた。クルーの4人中3人が何らかの睡眠薬(フルラゼパム、トリアゾラム、ジフェンヒドラミンなど)を服用し、その服用頻度たるや全ミッションの50%の夜に達している。

睡眠研究=2

=資料・文献 (The Wallstreet Jouurnal)

宇宙ではどうやって寝るのですか?

スペースシャトル : クルーが寝る場所は、ミッドデッキの右舷側壁に取り付けられた4段式の睡眠用の区画(スリープ・コンパートメント)、あるいは壁に取り付けた寝袋を使用します。
このスリープ・コンパートメントには扉もついており、狭いながらもプライバシーを確保できる場所になっています。

また、照明、空調も調整できる他、緊急時に備えた通信装置を有してます。
無重量状態では体が浮き上がってしまうため、留め具で体を固定してから、眠りにつきます。
なお、中にはこれ以外の場所、例えばコマンダー席やパイロット席などで寝る飛行士もいるようです。

ISS : ISSには、2010年6月現在、6人分の個室(「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)に2箇所、「ハーモニー」(第2結合部)に3箇所、 「きぼう」に1箇所)が設置されており、そこで寝ることができます。(注:きぼうの個室は、最終的にはハーモニーに移設される予定です)。

個室内には、照明、空調、緊急事態の発生が確認できる警告警報装置などが設置されており、普段は各クルーの私物の保管場所ともなります。
スペースシャトルやソユーズ宇宙船が到着して一時的に人数が増えた場合や、個室が揃っていなかった頃は、クルーは好きな場所に寝袋を設置して寝ていましたので、クルーの好みに応じて寝場所を変える場合もあります。

睡眠研究=3

=== 続く ===

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睡眠の都市伝説の真意 =089=

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添い寝の功罪 =2/2=

 睡眠研究=1

 この調査の対象児は無作為に選ばれたと言うが、一般のスイスの子どもも同じようにしっかり寝ているのだろうか……。そうであって欲しいような、欲しくないような。というのも、日本の子どもの睡眠時間はというと……ご明察通り「非常に短い」からである。スイスの子どもと比較するとクラクラするほど短い。

たとえば、私たちが日本の子どもを対象にして行った睡眠習慣の調査結果を重ねてみたものが図1の下段である。日本の子どもの睡眠時間の平均は、どの年代でもほぼぴったりスイスの子どもの「下位2%」に留まっている。許容範囲内にあるとは言え、この程度の睡眠時間で十分なのかといえばそうではないだろう。睡眠不足が原因となってイライラや注意集中困難を呈している子ども達の存在が問題になっているからだ。

私たちの調査結果の中で最も気になったのは2歳児の睡眠時間がとりわけ短いことだ。そこでもう1つ、乳幼児の睡眠時間の国際比較調査の結果があるので紹介する。

やはりこの調査でも日本の乳幼児の睡眠時間が調査対象国の中で最も短いことが分かる。そのほか、ぱっと見て気づくのはアジア圏の子どもの睡眠時間が短いことだろう。実はその原因の1つが添い寝ではないかという指摘があるのだ。

乳幼児の睡眠習慣に関するある調査では、添い寝(親と同じベッドで寝る)頻度が低いのは、イギリス(5%)、ニュージーランド(6%)、オーストラリア(9%)、カナダ(12%)、アメリカ(15%)などである。寂しがる子をベッドに寝かしつけ、おでこにチュッ、なんて欧米映画のシーンは一度ならず目にしたことがあるだろう。

逆に添い寝の頻度が高いのは、ベトナム(83%)、タイ(77%)、インドネシア(73%)、インド(71%)、日本(70%)、韓国(61%)などアジア諸国が続く。添い寝習慣のある国々の乳幼児の睡眠時間は押し並べて短いことが分かる。

ここで科学に強い読者の方はある疑問を抱くと思う。アジアの乳幼児の睡眠時間が短いのは添い寝が原因ではなく、睡眠時間が短くて済む体質(遺伝的特性)があるのではないかと。確かに前に話した「睡眠時間の長さを決めるのは遺伝か環境か」でも取り上げたように必要睡眠量の「個人差」には遺伝的な影響が認められる。しかし、現時点では必要睡眠時間の「民族間差」のはっきりした証拠はない。

さて、乳幼児の睡眠時間の国際比較をもう少し細かくみてみよう(図2)。さすが添い寝率が低いイギリス、ニュージーランド、オーストラリアは睡眠時間が長いな。で、添い寝率の高いアジア圏の国の睡眠時間はやっぱり短いな……ん? 添い寝率トップのベトナム、睡眠時間が長めじゃないか! そもそも「夜寝+昼寝」って何?

実はこの国際比較では乳幼児の夜寝すなわち夜間睡眠と昼寝の合計(1日の総睡眠時間)をランキングしている。乳幼児期の睡眠はもともと夜寝だけではなく昼寝もかなり長く(多相性睡眠と呼ぶ)、昼寝も心身の健康を維持するのに重要だからである。

そこで、夜寝と昼寝に注目して図2をもう一度よく見てみるとベトナムも含めて添い寝の高い国の大部分は夜寝が短いことが分かる。

ベトナムの乳幼児は「低添い寝率御三家」に次ぐ睡眠時間をたっぷり昼寝をして勝ち得たのである。そして夜寝がベトナムよりやや長いにもかかわらず日本の乳幼児が総合最下位に沈んでいるのは昼寝が圧倒的に短いからなのである。

ちなみに、図1で示したスイスと日本の子どもの睡眠時間は夜寝のデータである。昼寝を加えた総睡眠時間を計算すると、乳幼児についてはスイスとの差は更に開く。

最近は「保育園からの幼児教育」とやらが人気らしいが、たっぷりと昼寝はとらせてやっていただきたい。頭が切れる子ではなく感情がキレやすい子どもになってしまうかもしれない。実際、その危険性を示す研究データもある。

睡眠研究=2

=資料・文献 (The Wallstreet Jouurnal)=

添い寝のデメリット

前記にて、添い寝ってすばらしい!と思ってしまいますね。 では添い寝のデメリットはあるのでしょうか?

スウェーデンで、添い寝が乳幼児の突然死リスクを高めるとの注意喚起が行われました。 なんと親が添い寝した場合、乳児が1人で寝た場合に比べ、SIDSのリスクは約5倍に跳ね上がったと言うのです。 この数字は生後3カ月未満の赤ちゃんに関するもので、母乳で育てられているという同じ条件のもと、唯一の違いは親と一緒に添い寝しているか、親の隣りでベビーベッドで寝ているかだけ。

またベビー布団などではなく、自分たちが寝ているベットや布団に一緒に寝た場合、兄弟や両親が子供を押しつぶした例もある。 添い寝をし続けると子供が成長してもママと一緒じゃないと眠れず自立できない。という考えから海外では早くから添い寝をせずに赤ちゃんだけで眠るようにしています。

ベビーベットという選択

それでは添い寝反対派はいったいどうやって赤ちゃんを寝かしているのでしょう。 一番多いのはベビーベットを利用しているパターンです。 特に兄弟がいる家庭は新生児はベビーベットで安全に寝かせていると言う人が多いです。

また、ベビーベットよりもコンパクトな『添い寝ベット』。添い寝でも赤ちゃんにあたらないように『赤ちゃん保護ベット』、クーファンをそのまま夜使っている人もいます。 中には抱っこしないと寝てくれないので新生児の間はずっと抱っこ。抱っこしながらママも寝る。という人もいました!

正解がないのが育児

出産の数だけドラマがある。 新生児の数だけ子育てがあると言われていますが、その子育て方法もさまざまですよね。 みんなは何がいいのかではなく、目の前にいるわが子には何がいいのか考えるのが一番のようです。

特に添い寝など寝る事に関しては第一子なのか、兄弟がいるのかなどの家庭環境でも違いますし、寝室にベビーベットが置けるスペースが十分にあるのかなど居住スペースの違いでも大きく変わってきます。

育児には正解がありません。 色々な経験者の意見や考えを調べて自分にあった最適な睡眠環境を作ってあげれば、それがきっと新生児赤ちゃんにとって一番安らげる場所になるのではないでしょうか。

睡眠研究=3

=== 続く ===

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睡眠の都市伝説の真意 =088=

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添い寝の功罪 =1/2=

睡眠研究=1

​​​ 日本では「川の字になって寝る」という表現がある。

よく知られているように、小さな子どもを真ん中に挟んで親子3人仲むつまじく眠るさまを漢字で表したものだ。 寝相の悪い子どもが2人いた筆者にとっては、その当時は「川」というよりは「少」、時には「爪」、酷いときは「升」といった漢字、いや感じで、妻が出張で不在の時など息苦しくて目を覚ますと「干」になって窒息しそうになっていた時もある。

とはいえ、眠りを邪魔されるのは子どもの側も同じである。トドのように寝床で子どもを押しつぶすと言うことではない。アジアに多い添い寝の習慣が子どもの睡眠不足を助長しているのではないかというお話である。

後でも紹介するが、日本を筆頭にアジア圏の多くの国々の子どもは睡眠時間が短いことが知られている。その理由は各年代で異なるが、乳幼児の睡眠時間が短いのは子ども用寝室で早めに寝かしつける習慣がないからだと指摘する研究者がいる。今回のテーマである添い寝の習慣がある国ではどうしても「もう少し後に一緒に」とか「ママが寝るまで起きていたがる」などといったことも起こりがちだ。

添い寝は親子のスキンシップ、反対論があるのは解せないとお思いの方も多いと思う。私も反対論でよく持ち出される「子どもの自立を妨げる」という主張には、「そこまで大げさな問題か」と反発する気持ちが無いわけではない。

ただ、私自身も日本の乳幼児の睡眠時間調査を行う機会があり、その結果を見て諸外国との違いを目の当たりとしたときには「このままではマズイな」と考えを改めた。政府が打ち出した「一億総活躍なんとか」はともかく、共働き家庭が増加する中で、親世代と子世代はそれぞれの年代にあった睡眠習慣を確保できるように添い寝は避けた方が良いのではないかと。

先頃、National Sleep foundationという米国の公益団体が「各年代にとって望ましい睡眠時間」を発表した。ハーバード大学の有名な睡眠研究者が代表を務めており、この団体に所属する十数名の睡眠科学、睡眠医学のエキスパートが共同で出したオピニオンであるため、かなり睡眠研究者の耳目を引いた。

その勧告では、既存の科学的データをもとに、新生児期から老年期に至るまで幅広い年代における「推奨される睡眠時間」、「許容される睡眠時間」が提唱されている。ここでは前思春期(ティーンエイジャー)までの若い年代層での推奨および許容睡眠時間を表にまとめたので見ていただきたい。

  推奨 許容範囲
新生児(0-3ヶ月) 14-17時間 11-19時間
乳児(4-11ヶ月) 12-15時間 10-18時間
幼児(1-2歳) 11-14時間 9-16時間
就学前児童(3-5歳) 10-13時間 8-14時間
学童(6-13歳) 9-11時間 7-12時間
前思春期(14-17歳) 8-10時間 7-11時間

さて、推奨時間はそれとして、実生活における子供たちの睡眠時間はどの程度であろうか。これまでに世界各国で子どもの睡眠習慣に関するさまざまな調査が行われているが、よく引用されるのはスイス(チューリッヒ)の子ども約500人を16年以上にわたり追跡調査した研究である。参加人数は少ないが同じ子どもの睡眠の発達を長期間観察した研究結果は貴重である。

その結果を図にまとめてみたのでご覧いただきたい(図1の上段)。成長とともに睡眠時間が徐々に大人の睡眠時間に近づいていく様子がよく分かる。 前記載の「ゾウの睡眠、ネズミの睡眠」でも触れたが、この間にダイナミックに減少するのは徐波睡眠(深い睡眠)である。逆に言えば、乳幼児の頃は1日の半分以上を寝ているが、その約25%(1/4)にあたる3時間以上を徐波睡眠に費やしている。この長時間の徐波睡眠中に成長ホルモンが大量に分泌される。ちなみに睡眠時間に占める徐波睡眠の割合は40歳台で15%、70歳台では10%を切る。

それにしても「スイスの子どもはよく寝るな」というのが率直な印象である。なにせ、すべての年代で睡眠時間の平均値がNational Sleep foundationの推奨時間内に入っているのだから吃驚である。しかも96%の児童が許容範囲内にある(図1の左側下段)。

睡眠研究=2

=資料・文献 (The Wallstreet Jouurnal)= 

まずは新生児とは生後何日目までの赤ちゃんのことをいうのでしょうか? 母子保健法では、出生28日未満を新生児と規定しています。

最近は生後1ヵ月~2ヶ月、つまり首がすわるまでを「新生児」と呼ぶケースもありますが2ヶ月となると新生児と呼ぶには少し違和感があります。 なので一般的には生後一ヵ月までの赤ちゃんを新生児と呼ぶ事が多いですね。

新生児の赤ちゃんは生まれたばかりで、まだ環境になれていません。環境の変化に慣れようと日々必死です。 また身体も柔らかくちょっとした刺激も新生児には大きな刺激です。 ちなみに乳児は一歳まで。小学校入学前までを幼児と呼びます。

添い寝のメリット

新生児の赤ちゃんはママのお腹にいた時に守られていた分、外の環境に不安になっています。そんな時にママのぬくもりは一番の安らぎだと言えます。 一日約20時間も寝ている赤ちゃんのそばにお母さんがいると安心して眠れるのはきちんと理由があるのですね。

添い寝をすると赤ちゃんが安心して眠れる為赤ちゃんの寝つきがよくなり、眠りも深く上質な睡眠になります。 そして体重が順調に増えない赤ちゃんのための昔ながらの治療法のひとつに、赤ちゃんをお母さんのベッドに連れてきて母乳を与える、という方法があります。 添い寝が健康に与えるよい影響については、実際、長い間認められてきたのです。

また赤ちゃんだけではなくママもぐっすり眠れるのです! 添い寝をしている母親と赤ちゃんたちは「夜間の調和」を達成しています。赤ちゃんと母親の体内時計と睡眠サイクルがお互いに影響し合い、同調しているからなのですね。

睡眠研究=3

=== 続く ===

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睡眠の都市伝説の真意 =087=

☆彡 睡眠の都市伝説を斬る =三島和夫・睡眠研究者= 彡☆

【この企画は“Webナショジオ・連載/睡眠の都市伝説を斬る”に追記補講した】

感染症研究が切り開いた睡眠化学 =3/3=

睡眠研究=1

​​​ 異常プリオン蛋白が原因となるその他の病気としては「狂牛病」が有名である。 もともとはウシの病気なのだが感染牛肉を食した人にも二次感染した(クロイツフェルト・ヤコブ病)ことから大騒ぎになった。 輸入牛肉が社会問題になったのは、はや10数年前のことである。 羊も感染性海綿状脳症にかかることがあり、スクレイピーという別名もついている。

ここまで感染症による珍しい睡眠病を2つ紹介したが、最後に感染性睡眠病の研究から睡眠科学が飛躍的に進展した例を紹介しよう。 それは睡眠科学を勉強した人間であれば知らぬ者はいない嗜眠性脳炎(眠り病)である。

1900年代初頭、ちょうど第一次世界大戦の頃に主にヨーロッパと北米で大流行した脳炎である。 原因となる病原体は実はまだ見つかっていないが、おそらくウィルス性だと考えられている。 感染するとこんこんと眠り続け、強く刺激を与えるといったん目を覚ますこともあるが、また眠り込んでしまうことからこの名称が付いた。 しかし不思議なことに、患者の中には逆にひどい不眠に陥る者もいた。

このような特徴を見逃さなかったのが、流行の震源地ウィーンの神経病理学者であったコンスタンチン・フォン・エコノモ医師であった。 エコノモは死亡した患者の脳を解剖して特徴的な病変がないか詳細に調べ上げた。 その結果、嗜眠に陥った患者では視床下部の後部を中心に炎症性病変が広がっていることを見いだしたのだ。 逆に、不眠に陥った患者では視床下部の前部に病変が広がっていた。 まだ人の睡眠や覚醒の神経メカニズムが全く不明であった1920年代後半のことである。

エコノモはこれらの知見から、視床下部前部に睡眠中枢が存在しその部位の病変により不眠が生じる、視床下部後部から中脳にかけて覚醒中枢が存在しその部位の病変により嗜眠が生じると考えた。 現在ではこの推測が正しいことが証明されている。実に慧眼である。

脳科学好きの方にもう少しだけ詳しく説明しよう。 図を見て欲しい。エコノモの発見から30年後の1950年頃に、現在では「上行性網様体賦活系」として知られる覚醒システムがまさにエコノモが指摘した嗜眠病変を通過して大脳に向かっていることが明らかになった。 また、1970年代になってようやく睡眠と覚醒に関わるさまざまな神経伝達物質とその神経回路が徐々に明らかになってきた。

その結果、主要な覚醒系神経核である結節乳頭核の働きを抑え込んで眠気をもたらす睡眠中枢(腹側外側視索前野)が不眠病変に存在していたのである。

睡眠覚醒調節に関する詳細な神経メカニズムが解明されたのは2000年代に入ってからである。 それに先立つこと70年以上も前にエコノモが行った嗜眠性脳炎の研究はその後の睡眠科学を牽引する金字塔的な業績であった。 感染性睡眠病の研究が睡眠科学を切り開いた好例として知られている。

睡眠研究=2

=資料・文献 (The Wallstreet Jouurnal)=

 十分な睡眠時間と睡眠の質

脳や身体の疲れをとるには、深い睡眠状態に入る「前半の睡眠」を安定させることが重要です。深い睡眠を示すノンレム睡眠の「段階3、4」が睡眠の前半に集中しており、最初の3時間が一晩の深い眠りのうちの80~90%を占めていると言われているからです。

また、同時に記憶を整理し、学習するためには、後半も眠っていることが必要です。

そのため、睡眠時間が3~4時間程度では、十分な睡眠といえません。脳と身体を休め、機能をしっかりと回復するには、成人では1日7時間程度の睡眠は必要だといえるでしょう。

レム睡眠・ノンレム睡眠と加齢 : 年をとるにしたがって、一晩の眠りにおけるレム睡眠と徐波睡眠(ノンレム睡眠の段階3、4)の占める割合が変わってきます。
35歳を過ぎるころから、だんだんと徐波睡眠の時間が減っていきます。ノンレム睡眠の時間は、日中の活動量や基礎代謝量によって変動する、と考えられています。

以下に、一晩の眠りの中でのノンレム睡眠が占める平均的な割合を、年齢別にまとめました。

10歳…約25% /20歳…約20% /30歳…18% /40歳…15% /50歳…13% /60歳…10% /70歳以上…10%以下

一方で、レム睡眠の占める割合は年齢が上がっても、約20%前後と大きな変化はありません。 加齢によって増えるのは、入眠後の中途覚醒です。「夜中に途中で目覚めた」と記憶に残るものから、記憶に残らない数十秒程度の短いものまでを含めて、「中途覚醒」といいます。以下に、年齢別の平均的な中途覚醒の時間をまとめました。

20歳…約10分 /35歳…約20分 /50歳…約30分 /60歳…約40分 /70歳…約60分

年齢を重ねるごとに、レム睡眠・ノンレム睡眠のサイクルが不安定になっていき、「ぐっすり眠れた」と感じる「熟眠感」を低下させます。 若い頃はもっと眠れたのに、と以前と同じように眠れないことに不安を覚える人もいますが、年齢とともに睡眠も変わっていくもの。その時の自分に合った眠り方を探していくことが大切です。

睡眠研究=3

=== 続く ===

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