睡眠の都市伝説の真意 =153=

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シエスタとなるなら昼寝は短めに =1/2=

​​睡眠研究=1

  スペインのシエスタといえば長い昼寝をイメージする人が多いと思うが、実際には午後1時頃から2、3時間ほど長めの休憩を取る習慣をさす。もちろん昼寝をする人もいるだろう。しかし、単なる休憩で済ます人も少なくないようだ。

太陽と情熱の国と言われるスペインでも、さすがに暑さと直射日光を嫌う人が多いらしい。情熱はともかく体熱が上がっては困るので、体調管理のための生活の知恵としてシエスタの習慣が生まれたと考えられている。

シエスタのような長い昼休み(休憩+昼寝)が社会習慣化している国はスペイン語圏を中心に世界30カ国以上ある。それが証拠に緯度の低い熱帯、亜熱帯地域で多い。

シエスタと聞くと怠け者や生産性の低さというイメージがつきまとう。これは寝不足自慢の日本人に特有な偏見ではなく、知人の米国人や欧州の人々も同様な印象を持っているようだ。しかし少なくともスペインでは夕方から21時過ぎまで店は再開するので、実労働時間はさほど変わらない。

このような「2相性(夜間睡眠と長い午睡)」の生活リズムはいったん始まるとなかなか抜け出せない。帰宅や就寝時刻が遅くなるだけでなく、長い午睡をとると夜の眠気が減るため、睡眠時間は短くなる。睡眠不足を補うために長い午睡が必要になるという循環である。

ところで、シエスタsiestaの語源はラテン語のhora sexta(sixth hour、6時間目)である。つまり起床してから6時間後のお昼過ぎの休憩というわけである。もともと眠気には2相性の日内変動があって、ちょうどシエスタの時間帯(13時〜16時)あたりに眠気が強まる(第21回 「「睡眠禁止ゾーン」って何?」)。シエスタで眠りやすいのはこのような眠気の性質も利用している。

この昼食後の眠気(post-lunch dip)が生じるメカニズムは実はよく分かっていない。12時間周期の生体リズムの影響、食後の副交感神経活動の高まり、覚醒に関わる脳内ホルモンの変動など諸説あるが、睡眠不足も一役買っているらしい。

というのも、「健康な人」でも、実験的に普段よりも1時間ほど長く眠らせると昼食後の眠気はほとんど無くなるからである。この辺の話は前回の「潜在的睡眠不足」にも通じる。言い換えれば、シエスタでたっぷりと眠れる人は睡眠不足とシエスタの悪循環にハマっている可能性がある。

睡眠研究=2

=資料・文献=

 2時間以上の昼寝はダメ。大人の効率のいい昼寝とは?

子育てや家事の疲れから、眠くてたまらない。そういえば昨晩は寝るのも遅かったし…と少し横になって休んでいたらついつい寝すぎてしまった! なんてことよくありますよね。

ほんの少しのつもりが気がついたら2時間も寝ていた。 昼寝をしたのになんだか身体がだるいなんで経験ありませんか。 最近は子育てでそれどころじゃないですが、よく昼寝をしすぎて朝なのか夜なのかわからない!と思うくらい昼寝が大好きだったわたしは、しょっちゅう昼寝後のダルさやしんどさを経験していました。

せっかく疲れを取るために昼寝をしたのに、さらに疲れるなんてことが起きないように学生時代に実践していたオススメの効率のいいお昼寝をご紹介します。

昼寝をすると太りやすいなんて話しを聞いたことはありませんか。 本当なの?と疑いつつも、活動時間が減るのだからもっともなことなのかなとも思いますよね。 では、なぜそんなことが起こるのでしょうか。 そもそも1時間の昼寝は夜の睡眠の3時間分に値するといわれているほど、かなり効率よく体力回復が期待できます。

このことからも昼寝の時間は15分から20分が最適とされています。 15分なんて寝たうちに入らない!もっと寝たい!とも思うですけどね… でも2時間以上の昼寝は要注意!

2時間以上昼寝をすると脂肪燃焼の働きをする新陳代謝を上げる物質であるノルアドレナリンが減少します。 ノルアドレナリンが減少することで脂肪燃焼が行われず、結果的に太りやすくなるといわれています。 長時間の昼寝にはこんなデメリットがあるんですね。 でもこれは2時間以上の場合ですから、適度な昼寝をする場合は気にする必要はないようです。

睡眠研究=3

 

=== 続く ===

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睡眠の都市伝説の真意 =152=

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 眠くない寝不足「潜在的睡眠不足」の怖さ  =3/3=

​​睡眠研究=1

  ところが、現実で多いのは少し回復してはまた平日の睡眠不足を積み上げるパターンである。そして長年にわたってこれを繰り返す。だって、週末だけでも眠気は取れるため、すっかり回復したと思い込んでしまうから。

ましてや自覚症状がない人では問題があることにすら気づかず、そのためにかえって危険ですらあるだろう。まさに、この点がプレスリリースで注意喚起を促す必要を感じた一番の理由である。

タイトルにもある『潜在的睡眠不足』とは私たちの造語であるが、2つの意味を込めて命名した。

1つはこれまで説明したように「自覚できない」睡眠不足という意味である。自覚できないのは眠気などの症状がないだけではなく、睡眠不足になるとは考えにくい「標準的な」睡眠習慣を送っているという安心感のためである。

もう1つの意味は、自覚できないが故に対処行動をとらず、心身への負担が長期間にわたって潜行する点である。

数多くの疫学調査から、短時間睡眠が生活習慣病やうつ病のリスクを押し上げることはよく知られている。ただ、短時間睡眠の人が睡眠不足を強く自覚しているとすれば、長年にわたってそのような睡眠習慣を続けることができるだろうか。普通は眠気や疲労のため途中でダウンするだろうし、生活も見直すだろう。むしろ、軽度もしくは自覚できない程度の睡眠不足を長期間続けることの方が危険ではないのか。

このような危険を防ぐには、今回のような手間のかかる方法ではなく、要はリトマス試験紙のように自宅で簡単に必要睡眠時間が測定できればよい。これは私たちが今でも取り組んでいる研究課題だが、いまだ解決できていない。それでも今回の研究から少しヒントが得られた。

必要睡眠時間を自宅で測ることは難しいが、睡眠不足度(習慣的睡眠時間と必要睡眠時間のギャップ)は初日のリバウンドの大きさ(自宅よりも何時間長く寝たか)と強く相関していた。

自宅で睡眠リバウンドを概算するには、しっかり眠気が来てから、個室で、目覚ましをかけず、遮光カーテンを引き(もしくはアイマスクをして)、耳栓をする。自然に覚醒してそれ以上二度寝ができなくなるまで眠ってほしい(例えば夜0時〜翌日昼すぎまで)。その夜の実質的な睡眠時間の合計と過去1週間の平均睡眠時間との差が3時間以上なら、ふだん眠気を感じていなくても睡眠習慣にはもう少し改善の余地があるかもしれない。

最後に、連載第2に取り上げたショーペンハウアーの名言を再掲する(注:私なりの意訳が入っています)。

『生は神からの借金であり、いずれは返済(永久の眠り=死)しなくてはならない。 当座の利息である睡眠を多めに払えば、借金完済は少し先送りされるだろう』

『潜在的睡眠不足』の持ち主は、少額のリボ払いを忘れて、大借金をしている人よりも早めに不渡りを出す危険性がある。

睡眠研究=2

=資料・文献= 

「睡眠不足症候群」が起こる原因とは?

就寝時間が遅い「夜型人間」に多い

「睡眠不足症候群」にかかる方の多くが、生活パターンに問題があります。 一番多いのは、完全な「夜型」人間になっていること。その上で、朝はいつも決まった時間に起きていて、中途覚醒もない方が多い現状があります。

夜型になっている原因は、仕事や趣味、家事など、さまざまですが、ご自身で、「短時間睡眠で問題がない」と考えているケースが多いので、不調の原因がすぐにはわかりません。

早朝に起きねばならない人も注意

また、「夜型」といっても、深夜まで起きている場合だけではありません。例えば、夜11時に寝ていても、朝の5時に起きる必要がある方なども、このパターンになっている場合があります。

1日に必要な睡眠時間は、個人差があります。人によっては、5時間でも、本当に大丈夫な方もいれば、9時間寝ないと「睡眠不足」になってしまう方もいます。

体を健康に保つために必要な睡眠時間は、人それぞれ。必要量に達していないと、「睡眠不足症候群」になっているかもしれません。

自分の最適睡眠時間を把握すること

まずは、ご自身の「最適睡眠時間」をきちんと把握することが、大切です。 最適睡眠時間を知るには、まずは、休日に目覚ましなしで寝てみること。頭も体もすっきりする睡眠時間がどの程度かを、調べてみましょう。

毎朝決まった時間に起きている方は、休日でも、同じ時間に目覚めてしまうかもしれません。 その際は、いったん起きて、日中眠くなったときに、仮眠をしてみましょう。 そのとき、どのくらい仮眠したかを記録しておくと、もとの睡眠時間と合わせた時間がわかりますので、ご自身の最適時間の目安になります。

夜、遅い時間にしか眠れなくなっている方は、睡眠の専門医師に相談してみましょう。睡眠薬などを用いて、寝つく時間を意図的に早めるなども、治療のひとつです。

睡眠研究=3

=== 続く ===

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睡眠の都市伝説の真意 =151=

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眠くない寝不足「潜在的睡眠不足」の怖さ  =2/3=

​​睡眠研究=1

 問題を感じなかった理由として、2つの可能性がある。習慣的睡眠時間は本当に不足しているのか、あるいは必要睡眠時間が過剰評価されたのか。その答えはどちらが健康的な睡眠時間と言えるのかによる。 そこで、インスリン、甲状腺ホルモン、ストレス関連ホルモンなど内分泌機能を調べたところ、睡眠不足を解消した後には(もともと正常範囲内ではあるものの)より望ましい数値を示していた。

つまり、今回の被験者は十分な習慣的睡眠時間を確保しているように見えるが、知らぬ間に心身に負担がかかっていたことが明らかになったのだ。

ちなみに、9日間にわたって睡眠不足を解消した後に、一晩徹夜をしてもらい、その翌晩に再び睡眠リバウンドの大きさを調べてみたが、驚いたことに実験初日のリバウンド(3時間)よりも小さかった。このことからも自覚症状なしに積み上げた睡眠不足のインパクトがお分かりいただけると思う。

予想外であった第2の点は、必要睡眠時間の個人差が2時間しかなかったことである。一方で、実生活での睡眠時間には4時間以上の開きがある。ということは、一部の人々では習慣的睡眠時間と必要睡眠時間との間にかなり大きなずれが生じているはずである。

今回の被験者ですら平均で1時間、最大で3時間弱の睡眠不足があった。ましてや睡眠不足を実感している人では一体どれだけ大きな不足分を抱えていることやら。

人間は他の動物に比較して睡眠時間をかなり恣意的に操作(削減)できる特殊な存在である。そして一般的に睡眠不足時に削られるのは「浅い睡眠とレム睡眠」であり、「深い睡眠」はほぼ完全に保たれる。今回の被験者でも不足していた1時間の大部分は「浅い睡眠とレム睡眠」であった。

大脳皮質が発達した人間にとっては、神経細胞の代謝を抑える、脳を冷却する、神経細胞の刈り込み(不要なシナプス結合の解除)や記憶の固定など、深い睡眠が必要不可欠な役割を担っているからだろう。とはいえ、浅い睡眠やレム睡眠が不要かといえば決してそうではない。今回の結果を見ても分かるように内分泌機能を初めとする種々の心身機能にとってやはり欠かすことはできない大事な睡眠なのである。短時間睡眠法の信者はこの点をよく考えてほしい。

さて予想外であった第3の点は、心身機能の種類によって回復までにかかる期間がまちまちであったことである。今回の被験者では眠気は自覚していなかったが脳波上は眠気が存在していた。この脳波上の眠気は2日目には解消された一方で、内分泌機能の回復にはより日数を要した。

つまり、週末に爆睡すれば眠気はかなり解消するが、その他の心身機能を完全に回復することはできないことを意味している。

睡眠研究=2

=資料・文献=

「睡眠不足症候群」|「日中眠くて困るけど、寝不足の自覚はない」

「寝つきは良いし、途中で目が覚めることもない」という方の中にも、潜在的な睡眠障害を抱えているケースがあります。

もし、こんな自覚がないのに、「日中眠くてたまらない」という方は、「睡眠不足症候群」という睡眠障害かもしれません。

「睡眠不足症候群」とは、一体どんな症状なのでしょうか? その原因は?詳しく、解説していきましょう。

寝ているのに、日中強い眠気がでる

「睡眠不足症候群」とは、簡単にいってしまえば、「自覚のない睡眠不足」。 結論だけ見ると、大したことはないように感じますが、実際には、自覚のある人もよりも、事態は深刻です。 健康維持のために、睡眠は必要不可欠な休息ということは、既にご存じの通り。慢性的な睡眠不足になってしまうと、体のあちこちに不調が出るのはもちろん、心の調子も悪くなってしまいます。

自覚がない人ほど危険!?

自覚のある方の場合は、ひどくなる前に対処できるチャンスがいくつもありますが、無自覚の場合は、そうはいきません。 気づいたら、重大な病気になっていたということも、本気でありえるのが、怖いところなのです。 「睡眠不足症候群」の方は、この慢性的な睡眠不足のせいで、日中の眠気が強く、体調もよくはありません。

自覚がない分、気力でどうにか乗り切ろうとしますが、夕方あたりになると、もうふんばりが効かず、絶不調になることも少なくありません。

睡眠研究=3

=== 続く ===

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睡眠の都市伝説の真意 =150=

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眠くない寝不足「潜在的睡眠不足」の怖さ  =1/3=

​​睡眠研究=1

  「睡眠時間が6時間を切ると辛い」 「睡眠不足になると眠気や疲労感がひどい」 「睡眠不足ぎみだから、今週末は寝だめをしよう」

眠気、頭痛、だるさなど、誰しも睡眠不足の辛さは経験したことがある。何時間くらい眠れば寝不足感がないか経験的に知っている。だから自分が睡眠不足かどうか知ることはたやすい、皆さんそうお考えではないだろうか。

しかし、そのような“常識”は正しくないことが私たちの研究で明らかになり、科学誌「SCIENTIFIC REPORTS」に論文が掲載された。この内容については、先日、プレスリリースも発表した。

『潜在的睡眠不足』の解消が内分泌機能改善につながることを明らかに現代人の多くが自覚できない睡眠不足を抱えており、しかも想像以上に心身に悪影響を与えていることを示唆する研究データが得られ、皆さんに知っていただきたいと思ったからである。

今回は、この『潜在的睡眠不足』についてもう少し深く掘り下げた解説を加えたい。  研究の概要をご説明する。

研究対象は20代の男性15名である。「適切な睡眠習慣で生活している」という自信がある人に参加してもらった。実際、日中の眠気は感じておらず、事前に行った睡眠ポリグラフ試験でも睡眠の質・量ともに問題はなかった。

特殊な睡眠判定デバイスで測定した自宅での平均睡眠時間は7時間22分であった。これは日本国内の大規模調査や世界中で行われた睡眠研究でも、20代男性の標準的な睡眠時間である。

標準的な睡眠時間で、日中には不調なし。これで万々歳のはずだが、問題はこの後だ。

次に、9日間にわたって1日当たり12時間、完全に防音・遮光された特殊な寝室で眠ってもらった。その間は、途中で目が覚めても寝室から出られない。そうなると被験者は普段よりも長く眠るだけでなく、目が覚めた後も二度寝、三度寝をする。言い換えれば必要としている睡眠が絞り出される。

実際、彼らは初日に12時間の就床時間のうち平均10時間33分眠った。自宅よりも3時間以上も長く眠ったのである。睡眠不足時の寝だめに相当するリバウンド睡眠が、睡眠不足の自覚のない被験者でも見られたのである。

その後、実験期間中に睡眠時間は日に日に短くなる。睡眠不足が徐々に解消されるためだ。睡眠時間の減少曲線のパターンから各被験者が安定してとれる睡眠時間を算出し、それぞれの必要睡眠時間とした。平均すると7日間で睡眠時間は安定した。必要睡眠時間は約7時間から9時間にかけて分布し(2時間の個人差)、15名平均では8時間25分であった。

この結果は3つの意味で予想外であった。

第1は、自宅での習慣的睡眠時間(平均7時間22分)は試算された必要睡眠時間よりも1時間も短かったにも関わらず、自覚的には眠気も含めて全く問題を感じていなかった点である。

問題を感じなかった理由として、2つの可能性がある。習慣的睡眠時間は本当に不足しているのか、あるいは必要睡眠時間が過剰評価されたのか。その答えはどちらが健康的な睡眠時間と言えるのかによる。

睡眠研究=2

=資料・文献= 

睡眠負債

>昨夜(2017/06/19)のNHKスペシャル「睡眠負債」はけっこうおもしろかった。 知らぬ間に睡眠負債(潜在的睡眠不足)が溜まっていき、肉体、精神のレベル(効率)が低下していると言う。 確かにそうだろうと思う。

やはり十分な睡眠はとても大事なものだというのが、医学的科学的に説明されてた。 脳の中に溜まって行く負債を減らすこと、減らす方法、減らす暮らし方など、これから更に研究されるし、求められるだろう。 森林セラピーもその1つと言える。 やたら、ガムシャラに働くやり方はもうそろそろ終わりになるのかな?。

次の時代は、睡眠を十分にとり、余暇を十分楽しみ、そして仕事も効率よくこなす。 そんな感じになるかもしれない。

というか、早い人は既にシフトしてるし、シフトの準備も始めている。 個人個人の生き方、暮らし方を含め、政治や経済のシステムも変わって行くに違いない。

変化はもう始まっている。

睡眠研究=3

=== 続く ===

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睡眠の都市伝説の真意 =149=

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脳の掃除は夜勤体制  =3/3=

​​睡眠研究=1

  どのようなメカニズムで睡眠中にグリア細胞が縮むのか、人でも同様なグリンパティックシステムが働いているのかなど解明されていない点も多いが、傍証は次々と見つかっている。例えば、さまざまな免疫細胞がグリンパティックシステムを利用して脳内を活発に移動している様子も明らかにされた。また、つい先日開催された欧州睡眠学会では、核磁気共鳴画像法(MRI)を用いて研究によって、人の脳内でも部位によっては脳脊髄液量(すなわち隙間の大きさ)が大きく日内変動していることが確認できたと報告された。

人にもグリンパティックシステムによる排水システムがあると考えれば理解しやすい臨床データが幾つもある。認知機能障害のない(認知症をまだ発症していない)中高年を対象にしたある調査では、睡眠の質が低いほどアミロイドの脳内蓄積が多いことが明らかになっている。アミロイドの蓄積が疑われる人の割合は、睡眠効率(就床時間のうち実際に眠っている時間の割合)が89%以上のグループでは10%ほどであったのに対して、75%未満のグループでは40%以上に達していた。睡眠効率が低いグループでは将来的にアルツハイマー病の発症リスクが高いといえる結果である。

これまで、一般住民を対象にした疫学調査で、さまざまな睡眠問題(短時間睡眠、睡眠不足、不眠、睡眠の質の低下など)がアルツハイマー病の発症リスクを高めることが報告されていたが、そのメカニズムは不明であった。グリンパティックシステムの存在と睡眠との関わりが明らかにされ、ナゾの一端が明らかになったと考える研究者は多い。

ただし、長く寝ればその分だけ老廃物が効率よく排出されるかは疑問である。長時間睡眠もまた認知症のリスクを高めるという調査データもあるからだ。また、個人ごとに適正な睡眠時間も異なるだろう。いくら長くても中途覚醒が多いと排水が中断して効率的に老廃物を排出できないかもしれない。グリンパティックを活発にさせるのは深い睡眠だろうか、それとも体内時計によって活発になる時刻が決められているのだろうか。疑問は尽きないが、今後の研究でいずれ回答が得られるに違いない。

人は1日の1/3~1/4を寝て過ごさなくてはならない。その理由についてはエネルギー消費量の節約だとか、記憶の整理と固定、免疫調整などさまざまな仮説が挙げられている。今回取り上げた「睡眠中の脳内清掃作業」も今後の教科書には間違いなく記載されるだろう。

睡眠研究=2

=資料・文献= 

脳の浄化作用は寝ているときしか働かない=神経科学者 Jeff Iliff(ジェフ・イリフ) 氏 講演より=

眠ると脳細胞自身が縮み、脳細胞間の隙間が広がることでCSFが流れやすくなって脳の老廃物を排出させることです。つまりガレノスの説は全くの的外れではなかったのです。彼の言うように、脳内を液が駆け巡るのは眠っている間だけなのですから。それから2000年後の今、我々の研究でわかったのは、脳が起きている中で最も活発な時は、細胞間からの老廃物排除を後回しにしていること。

そして睡眠中には脳の働きは静まり浄化態勢に入って、脳細胞間のスペースからその日に蓄積された老廃物を排除するということです。我々がすることと似ていますね。仕事で忙しく時間がないので、家事は後回しに。週末に今までの掃除を全部まとめてやるということと同じです。

脳に老廃物がたまると恐ろしい事態に…

老廃物排除について多くお話してきましたが、どんな老廃物を睡眠中に排除して健康でいられるかについては、あまり具体的ではなかったですね。最近の研究の1番の焦点である老廃物アミロイドβは、常に脳で作りだされているタンパク質です。私の脳もあなたの脳もそうですが。アルツハイマー病患者の脳では、排除される代わりにアミロイドβが脳細胞間に蓄積します。

アミロイドβの蓄積は、恐ろしい病気のカギとなる第1段階だと思われています。そこでアミロイドβの除去速度を、目覚めている時と眠っている時の脳で比較して測定しました。結果、アミロイドβの排除は睡眠中の脳のほうが、ずっと速いということがわかりました。睡眠が脳の老廃物排除の問題解決の1つだとしたら、それは今までの睡眠とアミロイドβとアルツハイマー病との関係についての考えを大きく変えるかもしれません。

最近の一連の臨床試験でわかったのは、アルツハイマー病を発病していない患者の睡眠の質と、睡眠時間の劣化と大量のアミロイドβ蓄積量が関係していることを示しています。

はっきりしておくべきことは、これらの研究では睡眠の量と質の劣化がアルツハイマー病の要因であるとは検証されていません。しかし確かなことは、脳の浄化作業において、アミロイドβのような老廃物除去がうまくいかないと、アルツハイマー病のような症状が起きる可能性があるということです。

睡眠研究=3

=== 続く ===

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睡眠の都市伝説の真意 =148=

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脳の掃除は夜勤体制  =2/3=

​​睡眠研究=1

白血球によって老廃物は取り込まれ(貪食され)、細胞内の酵素などで処理される。 ちなみに、臓器にできたがん細胞もリンパ流に入り込みやすい。中にはリンパ球の攻撃を凌いで生き残り、遠くまで流されることがある。つまりがん細胞が遠隔転移する際の通路となる。そのためがん手術の際には、念のために病巣近隣のリンパを除去(郭清)することが多い。

このように体の老廃物を排泄・処理するリンパ系システムは全身に張り巡らされているが、不思議なことに脳内ではリンパ系システムが見つかっていなかった。脳神経細胞からも日々多量の老廃物が排出されているにもかかわらず、どのようにして脳内から老廃物を除去しているのかナゾのままだったのだ。

冒頭で紹介したロチェスター大学の研究者たちは、脳内のリンパ系システム(グリンパティックシステム、glymphatic systemと命名された)の詳細な構造と機能を世界で初めて明らかにしたのだが、とりわけ睡眠研究者の耳目を引いたのは、このグリンパティックシステムが睡眠中に非常に活発に働く点である。

脳内の細胞には大きく分けて神経細胞とそれ以外の細胞(グリア細胞)の2種類がある。グリア細胞は神経細胞の栄養補給や脳のバリア機構などさまざまな役割を担っている。脳は神経細胞とその隙間を埋めるグリア細胞、血管などでみっちりと埋め尽くされている。細胞間の隙間が狭いため体液(脳脊髄液)の流れも緩慢で、老廃物を押し流すには不十分と考えられていた。ところが驚くべきことに、睡眠中にグリア細胞が縮むことで神経細胞の周囲に「大きな隙間」を作り出していることが分かった。

グリア細胞は神経細胞の間を埋めるだけではなく、ある種の突起を延ばして脳内の動脈の周囲を包み込み、血管の外側に狭い隙間を作る。脳脊髄液はこの隙間を伝って脳の細部に入り込み、神経細胞の周囲にリンパ液として滲み出す。先に書いたように睡眠中に神経細胞の周囲の空間が拡がる結果、神経細胞を洗い流すリンパ流は大幅に増加し、昼間よりも効率よく老廃物を回収できるようになる。老廃物を含んだリンパ液は今度は静脈に沿って脳外へと運び出される。

睡眠研究=2

=資料・文献=

脳は老廃物をどう除去するのか=神経科学者 Jeff Iliff(ジェフ・イリフ) 氏 講演より=

血管は複雑なネットワークを作り、脳全体を埋めています。脳の表面から、はるばる組織の奥深くまで入り込み、広がるにつれて酸素を脳の細胞一つひとつに供給します。個々の細胞が活動をするために栄養が必要なように、全ての細胞はまた、副産物として老廃物を排出し、それがどの器官も持つ2番目の基本的な問題なのです。

イラスト図は、人体のリンパ組織を表しています。老廃物排除のために進化した組織です。血管に次ぐ並列ネットワークが体中に広がっています。リンパ組織はタンパク質やその他の老廃物を取り込み、血液の中に入れ、排出することができます。

この図をよく見てみると、何か納得のいかないものが見えるのではないでしょうか? この人体図の頭内を拡大するとわかることの1つは、リンパ管が脳にはないということです。全くおかしな話ではないでしょうか? 脳はこれだけ活発な器官であるのに。また脳は、大量に排出される老廃物を効率的に排出していかなければなりません。なのに脳にはリンパ管がなく、つまりは老廃物排除の仕方は、脳内では体と異なるということです。ではどうやって脳はこの問題を解決するのでしょうか?

その一見何でもないこの疑問が、我々グループが最初にこの研究に臨む一端となりました。脳内をのぞいてみて、ニューロンと血管の間に想像もしていなかったような、老廃物排除の解決法があることがわかったのです。

それは想像を遥かに超えてよくできていて、そのうえ美しいのです。我々が発見したことをお話します。脳には大きなプールがあり、そこには無色透明の脳脊髄液(CSF)という液があります。CSFは脳の周りを埋め、脳内からの老廃物はCSFに吸収され、他の排泄物とともに血液中に排出されます。そのあり様はリンパ系にとても似ています。

睡眠研究=3

=== 続く ===

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睡眠の都市伝説の真意 =147=

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脳の掃除は夜勤体制  =1/3=

 睡眠研究=1

​​数年前、最も権威ある科学誌の1つである「サイエンス」に、睡眠研究に携わる人々を唸らせた1つの論文が掲載された。それが今回のテーマである「睡眠中の脳内清掃システム」である。米国ロチェスター大学メディカルセンターの研究チームは、神経細胞へダメージを与えず3次元撮影や液体の流れが観察できる最新の顕微鏡(2光子励起顕微鏡)を用いて、それまで知られていなかった脳内の老廃物を流し出す一種の排水システムを明らかにしたのだ。

この論文は神経科学に大きなインパクトを与えたが、いまだ他の研究施設から追試が出ておらず真偽は確定していない。またマウスを使った研究であり、人での検証はこれからである。けれども、最近になってさまざまな状況証拠がそろい、「本当らしい」となってきたので紹介しよう。

ある試算によれば私たちの体は37兆個もの細胞から構成されている。細胞内では日々、変性したタンパク質などさまざまな老廃物が生じ、細胞外に排出している。また、細胞自体が毎日数千億個も死滅して老廃物と化す。

本年度のノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典博士の研究テーマであるオートファジーも、細胞内に生じた異常なタンパク質を分解して、その一部を再利用するシステムである。

アルツハイマー病はアミロイドβと呼ばれるタンパク質の異常な蓄積が原因の1つであるが、神経細胞内からアミロイドβを排出する際にもオートファジーは深く関わっていることが明らかになっている。最近ではアルツハイマー病以外にも、オートファジーの機能異常がパーキンソン病など幾つもの神経変性疾患の発症に関わっているのではないかと疑われている。

細胞外に老廃物を排出しても、そのまま近くに放置していてはマズイ。ゴミを集積し、焼却炉へと運ぶ必要がある。体内には細胞外に排出された老廃物を運搬し焼却するシステムがあり、その主なルートがリンパ系システムである。

細胞と細胞の間(細胞間隙)は血管から漏出した体液(血漿成分)で満たされている。細胞から排出された老廃物を含む体液はリンパ液となって全身に張り巡らされたリンパ管に入り、徐々に太いリンパ管へと合流し、最終的には血管に流し出される。その間、リンパ液や中継地であるリンパ節に存在するマクロファージなどの白血球によって老廃物は取り込まれ(貪食され)、細胞内の酵素などで処理される。

睡眠研究=2

=資料・文献=

脳の老廃物排出、就寝後にスピードアップ

【10月19日 AFP】眠りに入った後の脳は、施設の照明が消えた後に清掃員が廊下の掃除を始めるようなもの──就寝後の脳内に起きる大きな変化により、老廃物が排出され、疾患を防いでいるとする研究論文が17日の米科学誌サイエンスに発表された。

研究論文は、なぜ人間が人生の約3分の1を寝て過ごすのかという問いに対する新たな答えを提供するもので、また睡眠が認知症や神経疾患などの治療に役立つ可能性についても触れている。

ネズミを使った実験で研究者らは、脳細胞にたまった老廃物がどのようにして脳内血管を通じて循環系から肝臓へと排出されるのかを調べた。これらの老廃物には、蓄積するとアルツハイマー病の発症につながるとされているアミロイドベータと呼ばれるタンパク質が含まれている。

脳内老廃物は、脳脊髄液が脳組織を循環することで排出されるが、そのスピードは就寝中に増加する。就寝中は脳細胞が約60%収縮するため、脳脊髄液がより速く、より自由に脳内を流れるためだ。

脳内老廃物の排出は「グリンパティック系」と呼ばれる循環システムで起こる。この循環システムは、目が覚めている時よりも寝ている間にその活動量が約10倍になるとみられている。

研究を主導したロチェスター大学医療センター(University of Rochester Medical Center)のマイケン・ネーデルガード(Maiken Nedergaard)氏は「脳が自由に使えるエネルギーには限界がある。ハウスパーティーを開く家の主に例えると、来客を楽しませることと、(散らかった)家をきれいにすることを同時にできないようなものだ」と述べた。

米国立衛生研究所(US National Institutes of HealthNIH)から支援を受けた今回の研究には、共著者にオレゴン健康科学大学(Oregon Health and Science University)とニューヨーク大学(New York University)の研究者らが名を連ねている。(c)AFP

睡眠研究=3

=== 続く ===

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