睡眠の都市伝説の真意 =120=

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頭がよくなるドーピング「スマートドラッグ」 =1/2=  ​​​​​12p.見出し④

 睡眠研究=1

​​  陸上のベン・ジョンソン、野球のアレックス・ロドリゲス、自転車ロードレースのランス・アームストロング、テニスのマリア・シャラポワと聞けば、ピーンとくる方もおられるだろう。そう、ドーピング問題が持ち上がったトップアスリートの面々である。己の身体能力の極限を競うスポーツ界にあってドーピングは最大の禁じ手である。シャラポワは疑惑を否定しているらしいが、大きく自身のブランドイメージを損ねてしまったことは間違いない。

ドーピングの定義はなかなか難しいのだが、一般的にはスポーツ選手が身体能力を強化するために、薬物や何らかの装置などを使用して競技成績の向上を狙う手法のことをさす。筋力アップ効果のあるステロイドなどがその代表格だ。2008年の北京オリンピックで登場し世界記録を量産した競泳水着レーザー・レーサーなどは物理的ドーピングにあたるのか大きな論議を巻き起こした。ごく最近では、日本自転車競技連盟のスポンサー企業が提供した公式サプリ(梅肉エキス)の中にステロイドの一種が含まれており、企業側が平身低頭するという話もあった。

スポーツ界でドーピングが禁じられているのは一言で表せば「フェアじゃない」からだ。そりゃそうである。薬物や補助装置を許したのでは、いずれは薬漬けサイボーグ同士の闘いになるだろう。

ドーピング問題はコンマ1秒を競い合うトップアスリートの世界だけの話と思われるかもしれない。だが、いずれ我々のような一般人の間でも大きな話題として持ち上がりそうな気配がある。

さすがに、オリンピック選手のように速く走りたい、より高く飛びたいという人は少ないだろうが、もっと頭が良くなりたいかと問われれば大概の人はイエスと答えるだろう。たとえそれが「フェアじゃない」方法だと分かっていても。まさに今後我々にも降りかかってくるのは知的能力を向上させるドーピング問題なのである。

現在、脳科学者の間でその是非が論議されている知的能力のドーピングとは、最近流行の「大人のドリル」のような物理的方法ではなく、いわゆる「認知機能強化剤」、別名「スマートドラッグ」である。大人のドリルは面倒でも、一粒の錠剤で記憶力が強化され、集中力が高まり、仕事のパフォーマンスが向上する可能性があると言われればどうでしょう? 誘惑に勝てますか?

睡眠研究=2

=資料・文献= 

記憶力を高める成分ってあるの? スマートドラッグとは

今から10年以上前になりますが、鮮魚コーナーで流れる事が多かった「おさかな天国」という曲が人気になりました。
題名ではピンとこない人でも、「さかなさかなさかなー さかなーをーたべーるとー」というフレーズは聞いた事がある場合がほとんどだと思います。

その為「頭を良くしたい!」と考えた時に思い浮かべる人の多いであろう魚ですが、科学的根拠はまだありません。

そもそもこの「魚を食べると頭がよくなる」という話が出てきたのは、イギリスの脳栄養科学研究所のマイケル・クロフォード教授が「日本の子供が欧米の子供と比較して知能が高いのは魚を多く食べているからだ」という旨の発表を1989年にした事が起因しています。

その後DHAが脳の脂肪酸の40%、網膜の脂肪酸に至っては半分以上の60%を占めている事が判明したことなどでDHAが脳や視力に影響をもたらしているという示唆がされている段階です。

とはいえ脳など体内で重要な部分に多く存在し、不足すると多動性障害(ADD)を引き起こすとの研究結果も発表されているDHAは摂取した方がいいでしょう。厚生労働省ではDHA・EPAは1日1g摂取することを推奨しています。

では、頭がよくなる成分と言われているものは他にはないのでしょうか?
こちらも科学的根拠のないものではありますが、通称「スマートドラッグ」と呼ばれているものがあります。

これはうつ病や注意欠陥多動性障害(ADHD)、認知症などで服用される薬が記憶力の改善等の効果があるとして「スマートドラッグ」と呼び、これらの疾病の患者でない健常者が「頭をよくするために」服用する方が増えてきています。 狭義にはこれら医薬品だけを指しますが、その他頭を良くすると言われている成分のサプリメント等健康食品についても広義ではスマートドラッグに含めている場合もあります。

睡眠研究=3

=== 続く ===

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睡眠の都市伝説の真意 =119=

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「悪夢障害」を知っていますか? =2/2=

 睡眠研究=1

​​​悪夢障害の診断基準

1.中途覚醒(夜間の目覚め)が繰り返しみられ、そのときにかなり不快な夢が思い出せる
2.夢は恐怖や不安、怒り、悲しみ、嫌悪感など不快な感情を伴う
3.目を覚ましてからも悪夢の内容をはっきり思い出せる
4.悪夢で目が覚めた後、再び寝つくのに時間がかかる
5.明け方に悪夢を見る
※1,2,3は必須。4,5はいずれか片方だけでよい
(睡眠障害国際分類の基準を筆者が簡略化した)

この診断基準のポイントは、「悪夢で目が覚める」こと。 患者さん自身が判定しやすいように時間軸を逆転させて「目が覚めたらすぐに悪夢を思い出せる」と定義された。 悪夢の内容についての基準はない。 不快な感情を伴った夢であれば内容や不快度を問わず中途覚醒の原因と考える。

悪夢障害で認められる悪夢は子供の頃から始まることが多く、何十年も悪夢体験が持続することもある。 繰り返す悪夢のために、疲労回復感がない、眠気、うつ気分、眠ることへの恐怖などから日常生活に支障が出ることも少なくない。

逆に、繰り返す悪夢はうつ病や不安障害など何らかのメンタルヘルスの問題を抱えている人に多いとも言われているので要注意。自殺との関係については前記載「自殺と睡眠」でもご紹介した。 ただし、頻回に悪夢を経験する人は他者への配慮に富み、寛容で、芸術性や創造性に優れていることが多いとも言われている。 感受性が豊かであることも悪夢が増える要因なのかもしれない。

悪夢との関連が最も有名な疾患は心的外傷後ストレス障害(Posttraumatic stress disorder、PTSD)である。PTSD患者の多くではトラウマに関連した悪夢が出現する。 半数以上はPTSDの改善と共に悪夢も消褪していくが、重症の人では一生持続することがある。

PTSDの悪夢はほかの悪夢と発生メカニズムが異なるらしい。 というのも、悪夢障害の夢は明け方のレム睡眠中に多いのだが、PTSDの悪夢はレム睡眠だけではなく浅いノンレム睡眠中にも出現するなどの違いが見つかっているためである。

また、PTSDで悪夢が多い理由については諸説ある。 悪夢がトラウマ記憶の消去に役立っている、いや逆にトラウマ記憶を固定してしまうので受傷直後は睡眠をとらせない方が良い、PTSD患者が重度の不眠に陥るのはトラウマ体験を忘れるための自己防衛の一種だ、ナドナド。この方面の研究については機会を改めてご紹介したいと思う。

悪夢は薬剤でも引き起こされることがあり、発生メカニズムを考える上で貴重な情報となっている。降圧薬(βブロッカー)、パーキンソン病の治療薬(L-ドーパ)、認知症治療薬(アセチルコリンエステラーゼ阻害薬)、抗うつ薬、抗ヒスタミン薬などはその代表である。 これらの薬剤は、睡眠調整に関わるドーパミン、アセチルコリン、ヒスタミンなどの神経伝達物質の働きに影響するという共通した特徴をもつ。 この方面の研究が進めば、将来的には悪夢の治療薬の開発につながる成果が得られるかもしれない。

最後に現在行われている悪夢の治療について簡単に紹介する。 精神疾患や薬剤など悪夢の原因がはっきりしている場合にはその対処を行うのが基本である。 原因がはっきりしない繰り返す悪夢に対しては自律訓練法が有効とされる。自律訓練法とは心身のリラクゼーションを得るための自己催眠法の一種である。 そのほか、レム睡眠を抑え、不安を和らげるいくつかの薬物療法もある。

今回ご紹介したように、目覚めを伴う悪夢は睡眠障害の一種である。しかも大人の悪夢は長引きやすい。 お悩みの方は、メンタルヘルスチェックも兼ねて専門医を受診されては如何だろうか。

睡眠研究=2

=資料・文献= 

二度寝はハッピー、寝だめはストレス!? “睡眠難民”にならない方法(6/6)

「睡眠は1週間単位で考えるのがいいと思います。その週の睡眠不足はその週のうちに解消すればいいのです。休日に不足分をしっかり眠ることで、1週間の借金を返すようなもの」(坪田副院長)。しかし、平日の平均睡眠時間が6時間ぐらいの人が、休日に9時間以上寝てしまうとかえって逆効果になる。

「休日の寝だめは、平日の睡眠時間プラス2時間が限度です。それ以上長く眠ってしまうと、体内時計がリセットされず、休み明けにつらい思いをすることになります」と坪田副院長は話す。たとえば、土曜日にそれまでの睡眠不足を解消するためにたっぷり寝て、睡眠不足が解消されるならばいいが、日曜日も同じようにしてしまうと、その日の夜になかなか寝付けなくなり、月曜日の朝は再び寝不足の状態で起きることになる。せっかく休日に寝だめしても、すでに月曜日には“睡眠不足の負債”を抱えることになってしまうのだ。へたをするとそのままズルズルと睡眠不足が続き、睡眠のリズムが崩れて、前の週よりも睡眠不足をためることになってしまう。

そうならないために、「まず、平日プラス2時間で起床します。その後、長めの仮眠を取ることが有効です。平日の昼寝は30分までを限度としますが、休日の昼寝(ホリデーナップ)はしっかりソファやベッドに横になって90分ぐらいとるのがいいでしょう」(坪田副院長)

特に午前中のホリデーナップは、前夜の睡眠不足を補う働きがあるという。午後なら、15時までにとるようにすれば、その日の夜の睡眠に響かないそうだ。また、まとめて90分の昼寝時間が取れない場合は、20分の昼寝を4~5回繰り返して取ってもいいという。

朝の二度寝や休日の寝だめをうまく活用して睡眠不足を解消しよう。

睡眠研究=3

=== 続く ===

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睡眠の都市伝説の真意 =118=

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「悪夢障害」を知っていますか? =1/2=

 ​睡眠研究=1

閉じ込められる、身動きがとれない /  愛する人の裏切り /  死 /  迷う、迷子 /  けが、傷つく /  歯が抜ける /  人前で裸になる、露出する /  試験に落ちる /  追いかけられる /  落下する

これは、ある米国人ブロガーのサイトに載っていた「よく見る悪夢トップ10」だそうである(*)。

出典が示されていないので調査方法も対象者も、したがって真偽も分からない。 それでも「あるある」と感じた方は多いだろう。個人的には「歯が抜ける」がランクインしているのがいかにも歯並びを大事にする米国人っぽくて面白かった。日本人の悪夢ではランクインしないのではなかろうか。

悪夢の内容については哲学、心理学、精神分析学などで数多くの研究が行われている。 悪夢に限らず、一般的に夢の内容は社会文化、教育、嗜好、年齢、性別、ライフイベントなどさまざまな要因の影響を強く受ける。 夢内容は抑圧された欲望や不安を反映すると主張する研究者もいるが、根拠がないとの批判も強い。 それほど夢内容は百人百様だが、ストレス状況下で悪夢が増える傾向が高まることは間違いないようだ。

悪夢は日々ストレスに晒されている大人に多いように思うかもしれないが、実はむしろ子供に多く、6~10歳頃が悪夢を見やすいピーク年代である。種々の調査によれば子供の10~50%は親が心配になるほど強烈な悪夢をみる。 一般的に成長に伴って悪夢の頻度は減ってくるが、一部の人では長期間にわたって悪夢が持続する。 成人の2~8%は今現在、悪夢のために悩んでいるとされる。

ちなみに自分の悪夢を紹介しろと言われれば、幸いなことに「もの凄く高い竹馬に乗っている夢」くらいしか思い当たらない。小さい頃に竹馬が流行った時期があり、熟達してくると遊び仲間と高さを競うようになった。ついには支柱の上部1/3あたりに足台を固定し、しゃがむようにして乗り回していた。 そんな無茶な乗り方をしていれば当然なのだが、転倒して流血したことも二度三度ではきかない。

それが原体験だと思うのだが、夢では足台がなんと「屋根の上」の高さにあり、最初はなんとか乗り回しているものの、電線に触れないように身をひねった拍子にゆっくりと斜め前に倒れ込み……、といった夢を数年に1回のペースで見る。ところが、確かに「あ、まずい」と焦るのだが現実感に乏しく、また不思議なことに斜め30度あたりで夢が終了するため、朝に目覚めても特段「怖かった」と感じることはない。これは悪夢と呼ぶのだろうか?

実は、悪夢について調査しようとすると最初にぶち当たるのが悪夢の定義の難しさである。 悪夢は血圧や血糖値のように数値で測定することができない。 そのため私の夢のように「悪夢」と「不愉快な夢(嫌な夢)」の境界がはっきりしないことも少なくない。 先に紹介した悪夢に悩む人のパーセンテージに大きな開きがあるのも調査によって悪夢の定義や不快度(悩み度)の評価方法が異なるためである。

しかし現実には、繰り返す悪夢で心身の不調を生じ医療機関に相談に来る人がいる。 そこで医学的には悪夢を内容で定義するのではなく、その夢によって眠りがどれだけ妨げられるかで判定することに決めてある。 悪夢で眠りが妨げられる代表的な睡眠障害の1つに「悪夢障害」がある。

睡眠研究=2

=資料・文献= 

二度寝はハッピー、寝だめはストレス!? “睡眠難民”にならない方法(5/6)

坪田副院長が推奨する二度寝は、“5~10分のまどろみ睡眠”だ。長く眠るのではなく、短時間で、二度寝に入るときにまどろみを味わうことに意味があると言う。そして二度寝は一度だけ。一度でスッと起きるのが後を引かない二度寝の起き方だ。慣れてくると、10分ほどでスッと自然に目覚めるが、それまでは、目覚まし時計を主となる睡眠から目覚める時刻と、その5~10分後にセットして2度アラームが鳴るようにするといいだろう。

人が必要とされる睡眠時間は、年齢や性別、生活環境、職業などによって個人差がある。また、季節によっても睡眠時間は変化する。秋から冬にかけては必要とされる睡眠時間は徐々に長くなり、春に向かって少しずつ短くなって、真夏には1年で最も睡眠時間が短くなるのが一般的だ。

理想的な睡眠時間は、その人の生活環境などによって異なるものだと坪田副院長は話す。「6時間寝れば十分という人もいれば、9時間寝ないと調子が良くないという人もいます。日中に眠くなることが多いのならば、いくら睡眠時間を多く取っていても自分にとっては足りていないことになり、反対に睡眠時間が6時間未満なのに日中眠くならないのであれば6時間で睡眠時間は十分に足りていることになります。しかし、現代のビジネスパーソンはほとんどの人が睡眠不足だと考えられます」(坪田副院長)

平日はどうしても忙しくて睡眠不足になってしまうから、休日はいつもより睡眠時間を長くしようと思うものだが、これが悪い影響を与えることもあるのだそうだ。「睡眠不足を解消するために休日に寝だめをするのはいいのですが、長い時間眠ればいいというものではありません」(坪田副院長)。休日のダラダラ寝によって睡眠のリズムが乱れてかえって体調を崩すことも多いのだ。 ・・・・・・つづく

睡眠研究=3

=== 続く ===

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睡眠の都市伝説の真意 =117=

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深夜、眠りながら自覚なく食べまくる謎の病気 =2/2=

睡眠研究=1

​​​ 一方、睡眠関連食行動障害はそれとは全く違う病気。ポイントは食行動の間も目が覚めていない、眠り続けたまま食べている点である。逆に言えば、このような異常な食行動は眠っている間にだけ出現する。仮に食事中に何かの刺激で目覚めれば食行動はストップする。つまり覚醒中も食がコントロールできない摂食障害とは本質的に異なる。

それにしてもキッチンで調理や食事までしてもナゼ目が覚めないのだろうか。 そもそもナゼ眠っているのにそのようなまとまった行動ができるのだろうか。

睡眠関連食行動障害の原因は十分に解明されていないが、比較的深い睡眠から食行動が始まり、しっかりとした覚醒に至らないままに食事を続けてしまう一種の覚醒障害(目覚めの神経システムがうまく働かない)であることが分かっている。そのため、驚いた家族が声をかけてもなかなか目を覚まさないことが多い。エピソード記憶(起こったイベントの記憶)や判断力を司る前頭葉は睡眠状態のまま、運動(側頭葉)や視覚(後頭葉)を司る他の脳領域は覚醒状態に近いなど、脳がまだら上に覚醒(睡眠)しているのだと主張する研究者もいる。

「深い睡眠中に異常行動が出現して起床後に全く憶えていない」と聞くと、夢中遊行(夢遊病)を思い出す読者もおられるだろう。夢中遊行(むちゅうゆうこう)については第45回「睡眠中に手をガブリ、そのワケは?」で取り上げた。確かに、睡眠関連食行動障害と夢中遊行には共通点が多いが、睡眠関連食行動障害では異常行動が食行動に集中している点がユニークである。

なぜ睡眠中に食行動という限定された行動が出現してしまうのか、そのメカニズムは不明である。先にも書いたように摂食障害やダイエット中の人でしばしば見られることから、食に関する認知の歪みや潜在的な食欲の高まりがトリガーとなって場合もあるようだ。

懸念されるのは、この睡眠障害は長丁場の闘いになることが臨床研究で明らかになっている点である。夜間の食行動が10年以上も続いているケースも報告されている。「原因不明の」肥満に悩み続け、さまざまな医療機関で診察を受けたが原因が分からず、長期間を経てようやく睡眠関連食行動障害の診断を受けた人もいる。

残念ながら治療法は手探りで進めているのが実情である。抗うつ薬や睡眠薬、ある種の抗てんかん薬、心理療法などによって症状が軽減することがある。お酒やカフェインも控えた方がよい。何もしなければ症状は遷延することが多いので、ご心配であれば睡眠医療の専門施設に相談に行くことをお薦めしたい。

Youtubeに米国VOAが睡眠関連食行動障害の番組を公開している。中年女性の夜間の食行動の映像記録とともに、詳しい症状や治療経過がレポートされている。ご興味のある方はどうぞ。

≪白黒の映像が症状の記録で、0:17からの中年女性の場合は、1年半の間に体重が27kgも増えてしまったという。彼女は夜中に数回起き上がり、目を覚ましているように見えていても実際には眠っている。自分では症状を止められないため、患者は自らを恥じることが多く、うつ病や精神障害になる可能性もあるという。食べている間は理性的な判断ができず、食料ではないものや薬などを食べることもある。≫

睡眠研究=2.jpg

=資料・文献=

 二度寝はハッピー、寝だめはストレス!? “睡眠難民”にならない方法(4/6)

睡眠中には、細胞の再生や疲労回復に大きな力を発揮する成長ホルモンや、昼間ほどトイレに行かなくて済む働きをする抗利尿ホルモンなど、多くのホルモンが分泌される。前向きな二度寝をすると、副腎から分泌されるコルチゾールというホルモンが多く分泌されるという。

睡眠中には、細胞の再生や疲労回復に大きな力を発揮する成長ホルモンや、昼間ほどトイレに行かなくて済む働きをする抗利尿ホルモンなど、多くのホルモンが分泌される。前向きな二度寝をすると、副腎から分泌されるコルチゾールというホルモンが多く分泌されるという。

「抗ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールが二度寝によってたっぷり分泌されます。コルチゾールは通常、午前中から分泌されて午後になると徐々に減り続け、深夜になると最低レベルになるホルモン。寝ているときは分泌が停滞していますが、睡眠から目覚める1~2時間前になると、急に分泌量が増えます。これは、ストレスを抱えがちな日中の活動に対する準備をしていると考えられています」(坪田副院長)。

さらに、二度寝をしているときもコルチゾールの分泌は持続しているという。「ストレスに対抗するホルモンをたっぷり分泌しているから、今日も元気にがんばれるというエールを受けているようなものです。不安感が減少して安心感が増していると考えられるのです」(坪田副院長)。二度寝を実践している坪田副院長は、「たとえ数分であってもこれらのホルモンのおかげで癒し効果を実感している」と話す。

また、気持ちいい二度寝だとリラックス状態に現れるアルファ波も出ていると考えられるそうだ。「アルファ波が出ているときに分泌されるのがエンドルフィンという快感を得られるホルモン。コルチゾールの安心感と幸福感に、エンドルフィンの快感が加わるので、二度寝は眠りの黄金郷なのです」(坪田副院長)

睡眠学を研究する人の中では、「睡眠が分断されて効率良く睡眠をとることができない」と二度寝に批判的な意見も多い。これに対して坪田副院長は、「前述したように、不眠など睡眠障害をきたす根本的な原因がある場合や、目覚めの気分が悪くなったり、1時間以上の二度寝は良くありません。私が考える良い二度寝は、おまけのちょい寝。二度寝したことを後悔せずに、少しだけぐうたらな自分を許せる幸せな二度寝。その感覚を大事にすることで良い効果が得られると思います」。  ・・・・・・つづく

睡眠研究=3

=== 続く ===

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深夜、眠りながら自覚なく食べまくる謎の病気 =1/2=

 睡眠研究=1

​​  ​夜、いったん寝床に就いたあとにまた布団から起き出して物を食べていると家族に指摘されたが、そのことを全く憶えていないという体験をお持ちの方はいるだろうか。

知らない間に体重が何kgも増えた、なぜか冷蔵庫の食材がなくなっているような気がする、などの体験は?

いずれか1つでも思い当たる節があれば「睡眠関連食行動障害(睡眠関連摂食障害)」の可能性を考えてみる価値がある。この睡眠障害と無縁の人には、何を言っているのかわけがわからないかもしれない。だが実際に、夜、眠っている間に起き出して、眠りながらがっつり食べてしまい、しかもまったく覚えていない病気があるのだ。

「寝てたら食べられないだろう」「咽(む)せるんじゃないか」などの疑問があると思うが、実際には半覚醒状態のまま器用に冷蔵庫から食材を探しだし、開封し、時には包丁で切ったりして、キレイに平らげる。中には電子レンジやミキサー、コンロを使って調理するケースすらある。とはいえ、なにせ睡眠中なので火傷をしたり、缶詰の縁で手を切ったりと危ない目に遭うこともあるので要注意だ。

食事内容はかなりキテレツであることが多い。一般的には炭水化物や脂質などを好んで食べる。しかし、要加熱の生もの(生肉など)や冷凍食品、ペットフードなど、眉をひそめたくなる奇妙なレシピとなることも。当然ながら、起床後に胃の不快感や吐き気を訴える患者もいる。なぜ気持ちが悪いのか、本人は理由を知らないのだが。

ちなみに、大酒飲んで気づいたらラーメン屋にいた、とか、はっと気づくと映画を見ながらポテチを1袋食べていた、とかいうケースは含まない。アルコールによる健忘(記憶障害)などではなく、あくまでも睡眠中の行動であるが故に食べたことを思い出せないのである。

意外に感じられるかもしれないが、この病気は比較的「よくある病気」である。十分に信頼の置ける大規模な有病率調査は行われていないものの、一般の大学生を対象にしたある調査では約5%が同様な経験をしたことがあると回答しているほどだ。いわゆる拒食症や過食症などの摂食障害、ダイエット、ストレスなどが誘因になることもあるが、原因が不明のケースも少なくない。

自分の症状に気づいたとしても、それが病気なのか自信が持てなかったり、またどこに相談したらよいか分からないためか、睡眠障害外来に相談に来る人はさほど多くない。世間でもあまり話題になっていない。しかし、週に何晩も、時には一晩に何回も食行動が出現するような重症例では、体重が増えるなど体の変化も生じてくるので様子見を決め込むわけにはいかなくなる。時には糖尿病や脂質異常症など病気を合併したり、持病を悪化させてしまう場合もある。

ちなみに、睡眠関連食行動障害と勘違いしやすい病気に夜間摂食症候群がある。名前も似ているので実に紛らわしい。夜間摂食症候群は就寝前や夜間覚醒時に何か食べたくて仕方がない、我慢できずに食べてしまうのが特徴だが、食べている間もしっかり「目が覚めている」。夜中に炭水化物が欲しくなってついついスナックやカップ麺などに手が出てしまう経験は誰しも持っているのでは。夜間摂食症候群はその重症型と考えればイメージしやすいだろう。

睡眠研究=2

=資料・文献= 

二度寝はハッピー、寝だめはストレス!? “睡眠難民”にならない方法(3/6)

世界的に見ると日本人の睡眠時間は際立って少ない。 常に睡眠不足という人も少なくないだろう。それを補うためにもパワーナップ(15~30分の昼寝)が必要だという。  しかし、昼寝をするのが難しい人、仕事柄、昼寝できない人もいるだろう。そういう人は、朝の二度寝がいいのだそうだ。「ほんの少し、例えば5分でも10分でも二度寝をすれば、それだけ睡眠不足が減ることになります」(坪田副院長)。短時間の昼寝で頭がスッキリするように、朝の二度寝でも同じような効果が得られるという。二度寝について面白い調査結果がある。

2010年にウェザーニュースが、全国のウェザーレポーターに行った「みんなの冬の朝の事情」調査の中で、「冬の朝、一番好きなことは?」という質問に、1位は「澄んだ空気」で36%、次いで「二度寝」が16%で2位だった。睡眠時間をテーマにしたSNS「ねむログ」が20~50代の男女384名に行った二度寝の頻度についての調査では、41%もの人が毎日二度寝をすると答えた。世間ではだらしない起床の仕方といわれていても、二度寝は多くの人に支持されているようだ。

二度寝といっても、坪田副院長は良い二度寝と悪い二度寝があるという。起きる予定の時間に一度起きても、「もう少しだけ」とうとうとと寝て、その後「あっ」と気が付いて飛び起きたら1時間も寝てしまったというのは、寝すぎの二度寝。疲れが残って、頭も重く感じる悪いパターンだ。

「悪い二度寝のパターンだと、二度寝のあとの目覚めは頭が重く、熟睡したという感覚はありません。 1番は専門医に一度相談を。2番は運動不足や偏った食生活、ストレスが原因として考えられるため、まずは規則正しい生活習慣を心がけることが必要。 3、4番は後ろ向きな二度寝です。生活習慣を見直して意識改革していくようにしましょう」と坪田副院長は話す。 ・・・・・つづく

睡眠研究=3

=== 続く ===

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睡眠の都市伝説の真意 =115=

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春眠を覚えず、は本当か? =2/2=

睡眠研究=1

​​​ 孟浩然は立身出世とは無縁の人であったらしいので、「寝不足ですっかり寝過ごしてしまったな」ではなく、「長い冬が終わり鳥のさえずりで心地よく目覚める良い季節になったなぁ、こんな日に朝からあくせく出仕とはご苦労なことよ」くらいの心情を詠んだ句ではなかったろうか。

いやいや、あれもこれも関係ないじゃ記事になりません、春先に眠気を感じる人は実際いるのだから可能性でもよいので何か一言を、と取材で粘られた時は、早く帰っていただくためにも個人の責任において「仮説」を紹介することにしている。

そもそも「春眠暁を覚えず!」などと口走るのはたいがい居眠りが見つかって言い訳している場面と決まっている。あなたが昼食後の会議中に眠気を感じた時は手のひらや足裏などの末梢血管(毛細血管)が拡張して盛んに放熱していることが多い。これは眠気が脳温の低下と連動して強まるという特性による。手足から熱を逃がして脳や内臓などを冷却するシステムが働いているのである(「お風呂で快眠できるワケ」)。

肌寒いうちは体を冷やさないように(熱が逃げないように)手足の末梢血管は絞まりがちだが、春になり気温が上がると血管は拡張しやすくなる。こうなると席の真向かいに部長が座っていようが、美人の部下が座っていようが、なかなか眠気に抗うことができない。見咎められた後に照れくさく発するのが件の一句というわけだ。ちなみに冬でも暖房が入った部屋では同じような現象が生じ、季節外れの春眠を経験した人も少なくないはず。

以上は私の仮説である。実際に春眠が放熱と連動しているか証明した研究はない。今後もそのような酔狂な研究をする人は出てきそうもない。ほかにも、気圧による自律神経機能の変化から春眠を論じている人などもいて諸説紛々だが、いずれもその真偽は分からない。心地よい春先にそのようなことをあれこれ詮索するのは無粋であると孟浩然に叱られそうなのでここら辺で止めておこう。

ちなみに、体がほてって寝苦しい夜に足先を布団から出すと寝やすくなるのも、足裏から放熱しやすくなるためである。電気毛布を使っている方も、スイッチは就床後ほどなく切れるようにタイマーをセットしてはどうだろうか。冷たい布団に入ると末梢血管が収縮して放熱を妨げるので布団を暖めておくのは確かに良い。でも、付けっぱなしでは睡眠中の放熱をかえって妨げてしまうからだ。このアドバイスもすでに季節外れかな。

今回の話をまとめると、春先に眠気が強くなるという現象が本当に存在するのか、存在するとすればそのメカニズムはどのようなものか、明らかになっていないと言うことだ。寝不足大国ニッポンにとっては眠気は春先に限ったことでは無い。孟浩然が現代に生きたならば

春夏秋冬 暁を覚えず /  処処 あくびを聞く ・・・・・・・・ と詠んだはずだ。

睡眠研究=2

=資料・文献= 

二度寝はハッピー、寝だめはストレス!? “睡眠難民”にならない方法(2/6)

世界的に見ると日本人の睡眠時間は際立って少ない。常に睡眠不足という人も少なくないだろう。それを補うためにもパワーナップ(15~30分の昼寝)が必要だという。  しかし、昼寝をするのが難しい人、仕事柄、昼寝できない人もいるだろう。そういう人は、朝の二度寝がいいのだそうだ。「ほんの少し、例えば5分でも10分でも二度寝をすれば、それだけ睡眠不足が減ることになります」(坪田副院長)。短時間の昼寝で頭がスッキリするように、朝の二度寝でも同じような効果が得られるという。二度寝について面白い調査結果がある。

2010年にウェザーニュースが、全国のウェザーレポーターに行った「みんなの冬の朝の事情」調査の中で、「冬の朝、一番好きなことは?」という質問に、1位は「澄んだ空気」で36%、次いで「二度寝」が16%で2位だった。睡眠時間をテーマにしたSNS「ねむログ」が20~50代の男女384名に行った二度寝の頻度についての調査では、41%もの人が毎日二度寝をすると答えた。世間ではだらしない起床の仕方といわれていても、二度寝は多くの人に支持されているようだ。

二度寝といっても、坪田副院長は良い二度寝と悪い二度寝があるという。起きる予定の時間に一度起きても、「もう少しだけ」とうとうとと寝て、その後「あっ」と気が付いて飛び起きたら1時間も寝てしまったというのは、寝すぎの二度寝。疲れが残って、頭も重く感じる悪いパターンだ。

「悪い二度寝のパターンだと、二度寝のあとの目覚めは頭が重く、熟睡したという感覚はありません。 番は専門医に一度相談を。 2番は運動不足や偏った食生活、ストレスが原因として考えられるため、まずは規則正しい生活習慣を心がけることが必要。 3、4番は後ろ向きな二度寝です。 生活習慣を見直して意識改革していくようにしましょう」と坪田副院長は話す。 ・・・・・・つづく

 睡眠研究=3

=== 続く ===

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睡眠の都市伝説の真意 =114=

☆彡 睡眠の都市伝説を斬る =三島和夫・睡眠研究者= 彡☆

【この企画は“Webナショジオ・連載/睡眠の都市伝説を斬る”に追記補講した】

春眠を覚えず、は本当か? =1/2=

 睡眠研究=1

​​​  睡眠に関する季節ネタはいろいろあるが、春先になると取材などで決まって質問されるのが「春眠暁を覚えず」のメカニズムを教えて欲しいというものだ。

この故事は、中国唐代の詩人孟浩然(もうこうねん)の五言絶句「春暁」に由来している。

◎ 春眠(しゅんみん)暁(あかつき)を覚(おぼ)えず / 処処(しょしょ)啼鳥(ていちょう)を聞(き)く / 夜来(やらい)風雨(ふうう)の声(こえ) / 花(はな)落(お)つること知(し)る多少(たしょう)

≪春の眠りは心地よくて、夜明けに気づかぬまま寝過ごしてしまった / あちらこちらから鳥のさえずりが聞こえてくる
昨夜は雨風が強かったが、/ 庭の花々はどれほど散ってしまっただろうか≫

確かに春先は眠いな、寝心地がいいなと多くの人が同感したからこそこれほど有名になったのだろう。ただ、この句にある「暁を覚えず」が「睡眠時間が長くなる」もしくは「眠気が強くなる」を意味しているかというと必ずしもそうではないと思う。

まず睡眠時間だが、確かに季節変動はある。ただし、記載済み「もっと光を! 冬の日照不足とうつの深~い関係」でも触れたように、睡眠時間が長くなるのは冬季である。 冬の夜は長く寒いので寝床にいる時間も長くなるのだが、実質的な睡眠時間も長くなることが分かっている。

また、日照不足から体内時計が夏よりも遅れがちとなり夜型に傾きやすい。 特に北欧など高緯度地域では夏季に比べて冬季は1~2時間ほども生体リズムが遅れるため寝つきや起床に苦労する人が増える。これは「冬季不眠 winter insomnia」と呼ばれ、現地では体感的によく知られている国民病である。 したがって春眠ならぬ「冬眠、暁を覚えず」の方がピッタリくる。

では、日照や気温などの季節要因のために「春先に」眠気が強くなることがあるのか? 残念ながらこの疑問についても科学的に実証したデータはない。 実証されているのはやはり「冬季の」眠気である。もちろん、年度末の決算や異動、新年度の行事などで寝不足の人は、春の日差しも暖かい休日の朝にゆっくりと二度寝ができればさぞかし心地よいと思う。

睡眠研究=2

=資料・文献= 

二度寝はハッピー、寝だめはストレス!? “睡眠難民”にならない方法(1/6)

朝起きてから、「もう少しだけ」と再び布団にもぐりこんで寝てしまった経験は誰にでもあるだろう。一度起きた後にまたうとうとと眠る “二度寝”は、だらしないとか、悪しき生活習慣だとか、世間ではあまりいい印象はなかった。

「朝、ぱっと起きられないことは、だらしない起床の仕方とか、いけないことのように思われている傾向がありますが、朝、二度寝をしてしまうのは人間の生理としてとても自然なことなのです」と、病気予防のための睡眠法の指導と普及に努めている、雨晴クリニック(富山県高岡市)副院長で医学博士の坪田聡氏は話す。坪田副院長自身も、朝の二度寝をよくするという。「もう少しだけとうとうとするのは気持ちいいですよね。そして数分の二度寝なら“幸せになれるホルモン”の恩恵を受けることができるのです」(坪田副院長)

一方、ついダラダラと寝てしまう“休日の寝だめ”は、その後1週間の睡眠のリズムを崩し、逆にストレスをためることにつながると、坪田副院長はいう。「平日の睡眠不足解消のために休日に寝だめをする人は多いと思いますが、やり方をまちがえると休日明けの朝は気分の悪いまま無理やり起床して、そのままズルズルと睡眠不足のストレスがたまってしまいます」(坪田副院長)

では、正しい二度寝、寝だめの方法はあるのだろうか。坪田副院長に聞いた。 ・・・・・つづく

睡眠研究=3

=== 続く ===

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