“新大陸発見者”とは? 2/2; 歴史深層が真相(012)

コロンブスを航海に向かわせた、トウガラシをめぐる冒険

【この企画はWebナショジオ_“古代文明・歴史の記事”を基調に編纂】

記念日をめぐる戦い

 コロンブス400周年の前後、ローマカトリックの団体「コロンブス騎士会」はイタリア系米国人の団体と協力して、コロンブス・デーの制定を議会へ働きかけた。1907年、コロラド州初のイタリア系新聞社を創設した人物の活動により、コロンブス・デーは同州で初めて公式の祝日となった。それから数年のうちに15州がこれに続き、1971年に連邦政府の祝日となった頃には、既にほとんどの州がコロンブス・デーを祝っていた。

 レイフ・エリクソンデーを祝うようになったのも20世紀初頭だが、コロンブス・デーほど広く浸透することはなかった。20世紀半ばには米国の記念日(大統領がその日にちなんだ告示を発する日)となったものの、多くの人は何の日であるかすら知らない。

 コロンブスがエリクソンに「勝利」したのは、イタリア系米国人が早くからロビー活動を行ったためもあるが、たとえ最初の発見者でなかったとしても、コロンブスの方がヨーロッパ人の米大陸移住により大きな役割を果たしたことも大きな理由だろう。

 今日、コロンブスかエリクソンかの戦いは影を潜め、それよりもコロンブス・デー自体を祝うべきかどうかに議論の焦点は移っている。サウスダコタ州ではコロンブス・デーの代わりに「アメリカ先住民の日」を設け、ハワイ州とアラスカ州はどちらもコロンブス・デーを祝っていない。

 実際のところ、コロンブス・デーに反対する人の間では、コロンブスもエリクソンも自分たちがそれまで知らなかった場所を「発見」したというだけで、米大陸にはヨーロッパ人が来る以前から多くの人々が住んでおり、ヨーロッパ人の米大陸移住にどちらがより貢献したかなどという議論には意味がない、という見方もある。

文=Becky Little/訳=ルーバー荒井ハンナ

次回は“コロンブスを航海に向かわせた、トウガラシをめぐる冒険”に続く

Viking Encampment in Canada – L’Anse aux Meadows National Historic Site

⨁⨂参考資料: 米先住民とバイキングに血縁関係?(2/2) ⨂⨁

 エベネセルズドティア氏によると、4家系はアメリカ先住民のDNAを持つ1人の女性から枝分かれした可能性が高く、その女性は1700年より前に生まれたはずだという。歴史的・遺伝学的な状況から判断して、アメリカ先住民のDNAがアイスランドに入り込んだのは、少なくとも1700年より「数百年は前」だとヘルガソン氏も話す。
 ただし現時点では、1000年前にアメリカ先住民とバイキングの間に直接の遺伝的なつながりが生まれたと証明するのは不可能に近い。
 現在のアメリカ先住民は、アイスランドの4つの家系とまったく同じ遺伝的変異を保持していない。ただし、関連のある遺伝的変異はいくつも存在し、その95%がアメリカ先住民から見つかっている。
 一方、エスキモーとも呼ばれるイヌイットは、関連する遺伝的変異のいずれも保持していない。これは、グリーンランドにイヌイットが先住していたことを考えると、極めて重要な事実だ。
 こうしたデータから、アイスランドの4家系に遺伝子変異をもたらしたアメリカ先住民族は、ヨーロッパ人の入植後に滅びてしまったのかもしれないとヘルガソン氏は推測している。
 専門家によると、歴史的な記録には、アイスランドのバイキングがアメリカ先住民の女性を連れ帰った証拠は存在しないという。また、発掘調査やアイスランドに伝わる物語でも、研究論文で報告されているような個人的な関係を示唆する遺物や記述は出てきていないそうだ。「サガ」と呼ばれる物語は完全に信頼できるものではないものの、事実に基づくと考えられている。
 研究チームのヘルガソン氏も、「目の前にあるのは大きな謎だ」と認める。同氏によると、謎を解明するには、遺伝的変異の大本を突き止めるしかないという。例えば、アイスランド人の遺伝的変異と適合するDNAを含んだ古代アメリカ先住民の骨が発見されれば、解決に大きく近づく。
 研究論文は11月10日、「American Journal of Physical Anthropology」誌のオンライン版で発表された。

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VIKINGS in Canada? L’anse aux Meadows National Historic Site

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“新大陸発見者”とは? 1/2; 歴史深層が真相(011)

コロンブスを航海に向かわせた、トウガラシをめぐる冒険

【この企画はWebナショジオ_“古代文明・歴史の記事”を基調に編纂】

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米国にはレイフ・エリクソンデーという記念日がある。毎年10月9日、北米へ最初に到達したヨーロッパ人ともいわれるアイスランド人探検家、レイフ・エリクソンを記念する日だ。

ところがこの日は、10月第2週のコロンブス・デーの陰に隠れて、ほとんど注目されていない。現在、コロンブス・デーは連邦政府の祝日で、学校や民間企業の多くがこの日を休日としている。

しかし、19世紀から20世紀初めごろ、クリストファー・コロンブスはある論争の標的になっていた。多くの人々が、北米大陸を最初に発見したのはコロンブスより500年も前にこの地へやってきたエリクソンであると主張したのだ。

エリクソン支持が広がった時代

1892年、米国はコロンブスの米大陸到達400周年を祝った。当時、多くのイタリア系米国人が、イタリア人であるコロンブスの功績を米国が認めたことを誇りに思っていた。一方で、北欧をルーツに持つ人々は、コロンブスではなくエリクソンをたたえるべきだと感じていた。

当時、米国各地で反移民・反イタリア人感情が高まっていたことも、エリクソン支持に拍車をかけた。「米大陸へ最初に到達したヨーロッパ人が、南欧出身ではなかった」という主張が受け入れられやすかったと、アイルランド国立大学メイヌース校の歴史講師ジョアン・マンシーニ博士は語る。バイキングが北米に定住していたことを裏付ける考古学的証拠は見つかっており、今後も新たな証拠が出てくるだろうとみられている。

エリクソンが支持された理由はほかにもあった。マンシーニ氏によると、19世紀の米国では、非カトリック教徒はカトリック教会に対して強い懐疑を抱いていたという。そうした時期にコロンブスが注目を浴びたため、反移民・反カトリック主義者たちが、国をあげて記念するならコロンブスよりもむしろエリクソンだと言い出し、多くのアングロサクソン系プロテスタント教徒も、エリクソンを新大陸の真の発見者とする意見を支持したのだ。

・・・・・・明日に続く・・・

The Viking Trail of Newfoundland & Labrador, Canada! Adventure Awaits You!!!

⨁⨂参考資料: 米先住民とバイキングに血縁関係?(1/2) ⨂⨁

 コロンブスがアメリカ大陸に到達したのは1492年。その500年も前に、アメリカ先住民の女性がバイキングとともにヨーロッパへ渡っていたとする興味深いDNA研究が発表された。 母親からしか遺伝しないミトコンドリアDNA(mtDNA)を解析した結果、80人を超えるアイスランド人が、主にアメリカ先住民由来の遺伝子と類似した変異を持つことがわかった。この特徴は、バイキングとアメリカ先住民が初めて交雑した西暦1000年ごろに、アイスランド人の血統へ入り込んだことによる可能性が高いという。
歴史的・考古学的な証拠から、アイスランドのバイキングは西暦1000年の直前にグリーンランドへ到達し、すぐ現在のカナダに向かったとされている。約10年現地で過ごし、ニューファンドランド島に村も作っている。
アイスランドのデコード・ジェネティクス社とアイスランド大学で研究するアグナー・ヘルガソン氏は、「バイキングのアメリカ大陸上陸は周知の事実だ。彼らが現地の女性を、少なくとも1人連れて帰ったとしても不思議ではない」と話す。ヘルガソン氏は、研究室の学生シグリドゥア・エベネセルズドティア(Sigridur Ebenesersdottir)氏や同僚とともに今回の研究を進めた。
しかし研究チームも、最終的な結論を出すには時期尚早だと認めている。
研究チームは系譜学的な調査により、アメリカ先住民の遺伝的変異を保持するアイスランド人は全員、4つの家系に属すると結論づけた。元をたどると、1700年代前半に生まれた4人の女性に行き着く。
・・・・・・明日に続く

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「ヴァイキング」テーマ別解説 ⑤ヴァイキングが歴史に残したもの

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