バイキング_北米定住(1/7) ; 歴史深層が真相(004)

バイキング、知られざるその壮大な歴史

北米へ欧州から最初に渡り、ロシアの基礎も築いた中世の「襲撃者」
【この企画はWebナショジオ_“古代文明・歴史の記事”を基調に編纂】

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 氷に覆われた北の荒野で、王や戦士、ドラゴン、トロルたちが活躍するTVシリーズ『ヴァイキング〜海の覇者たち〜』や『ゲーム・オブ・スローンズ』などでは、ドラマチックで多分に暴力的な物語が繰り広げられる。こうしたTVドラマの発想の元となっているのが、「サガ」と呼ばれるアイスランドの古い物語だ。

歴史家のエレナー・ロザモンド・バラクロウ氏は、著書『Beyond the Northlands: Viking Voyages and the Old Norse Sagas(北欧の向こうへ:バイキングの航海と古代北欧サガ)』において、サガの世界を探究し、虚構の中に隠れた事実を探り出すことで、バイキング、すなわち中世のスカンジナビアのノース人がただレイプや略奪を繰り返していただけの人々ではないこと示してみせた。

英ダラム在住の著者に話を聞いた。

――あなたは著書の中で、「バイキングはこれまで、常に中世の問題児であると言われてきた」と書かれています。この偏見は見直されるべきということでしょうか。

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バイキングが中世における問題児であるとの認識の起源は、まさしく中世にあります。バイキングが最初に大規模な襲撃を行ったのは793年、場所は、新約聖書の有名な写本である「リンディスファーンの福音書」が書かれた今の英国北部の島、リンディスファーン島でした。しかしここで重要なのは、我々がこの事実をどうやって知ったのかです。情報の出典は『アングロ・サクソン年代記』ですが、これは襲撃から100年後、バイキングを退けたアルフレッド大王の時代に書かれた英国最古の歴史書です。

リンディスファーン島の襲撃とほぼ同じ頃、西ヨーロッパを支配していた大国フランク王国のカール大帝の宮廷にいたアルクィンという名の信心深いアングロ・サクソン人聖職者が、リンディスファーンの大修道院長宛にこんな手紙を送っています。「恐怖がこのように我々の海岸に現れたことはかつてなかった。『北から悪が起こる』という預言者の言葉を忘れるなかれ」。つまり、侵略者であるバイキングは、犯した罪に対する神の罰であるとの認識が当初から存在していたわけです。(参考記事:「千年前のバイキングが埋めたお宝が出土、英国」  https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/a/032800020/ )

「バイキング」と口にするとき、我々は中世の北欧にいた人々を想像します。しかし、バイキングとはそもそもは「襲撃者」を意味し、つまりは職名です。バイキングの時代に北欧に住んでいた人々が襲撃や略奪を行ったのは確かですが、彼らがしたことはそれだけではありません。彼らは遠くまで旅をしました。北大西洋、スコットランド諸島の一部、アイスランドに入植しました。北欧の極地方やロシアの川や水路へも進出しました。グリーンランドに500年間続く植民地を作り、はるか北米の端にまでたどり着きました。(参考記事:「氷に覆われてるのに「グリーンランド」、なぜ?」 https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/070500249/ )

 明日に続く・・・・・・ ヴァイキング-3

⨁⨂ 参考資料: ヴィンランド(Vinland) ⨂⨁

ヴィンランド(Vinland)は、かつて存在した北アメリカの地名。ヴァイキングレイフ・エリクソンが名付けたとされる。『 赤毛のエイリークルのサガ 』(Saga of Eric the Red)および『グリーンランド人のサガ』(Grœnlendinga saga)にその発見と入植の物語が記されている。

サガ(saga)は、おもに中世アイスランドで成立した古ノルド語による散文作品群の総称。同時代に書かれたエッダ詩ゲルマン民族の神話や英雄伝説を題材にしているのに対し、サガはノルウェーやアイスランドで起きた出来事を題材にしたものが多いことに特徴があり、約200点が現代に伝わっている。

転じて、フィクションにおいて、一家一門の物語を壮大に描く長編の叙事小説]やファンタジー作品、叙事詩的映画などがサーガと呼ばれたり、そのようなタイトルを称することがある(『グイン・サーガ』、『ニュームーン/トワイライト・サーガ』、『ゼノサーガシリーズ』など。)

ほとんどのサガは著者不明で、執筆期間はアイスランドで独自の民主制が置かれていた、いわゆるアイスランド共和国時代の後期である12世紀から13世紀とされる。それ以降に書かれた作品は大陸の騎士道ロマンスやおとぎ話の模倣(「騎士のサガ」、「嘘のサガ」)が多くなり、それらは通例サガに含まれない。北欧文学者の谷口幸男によると「宗教的学問的サガ」、「王のサガ」、「アイスランド人のサガ」、「伝説のサガ」の4つに分けている。

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赤毛のエイリークのサガ』によれば、エリクソンは新たな植民地を求めて出航、1000年頃に北米大陸に上陸し、その地をヴィンランドと名付けたとされている。名の由来について、『グリーンランド人のサガ』では「ブドウ(vín)の地」と説明されているが、近年は「草原(vin)の地」を意味するという説が唱えられている。正確な上陸場所は諸説あるが、現在のカナダ・ニューファンドランド島が有力である。

その他、俗説として、アメリカのニューヨーク州から、メイン州まで辿り着いたという説もある。当時の気象状況、ブドウの生産地を考証すると、エリクソンらはもっと南方まで辿り着いたのではないかとも言われている。また、正規には認められていない、北米における”ルーン文字“も出土しており、学者らの議論は続いている。

1010年ごろにはソルフィン・カルルセフニによる大規模な移住も行われヴァイキングの入植地が建設されたが、本国から距離があったこと(ニューファンドランド島説が正しければ、当時の海岸沿いの航路では、最も近い拠点であるグリーンランドまで3000km)や、アメリカ先住民スクレリング)との抗争が発生したこと、などの理由により、十年ほどで放棄されたと考えられている。

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