メソアメリカの古代文明 =文明・文字と伝承=
~ 知ってるようで知らないマヤ・インカ文明 ~
マヤの神 そして 縄文の神 ; 蛇信仰
古代メソアメリカ文明でも日本の縄文文化でも、ヘビが重要なモチーフであった。 然り、ヘビはメソアメリカ文明では最高神、縄文文化でも最も重要な象徴の一つであった。
ヘビのシンボルは、メソアメリカ文明では土器その他に写実的に描かれているので、一見してそれと判る。 そして、より抽象化し神格化した巨大な建造物としてヘビ神にメソアメリカ文明は昇華している。 神殿型のピラミッドも球戯場も、ヘビを象徴化したものであると多くの学者は考えている。
一方、日本の縄文文化では、土器それ自体がヘビであると考えられ、ヘビをイメージしたと思われる粘土紐を土器の周囲に貼り付けたものが広範囲に出土している。 神器として使用した以外には不要な装飾であろう。
イブに善悪の知識の木の実を食べるよう唆すヘビ、そして アダムとイブは楽園を追放される。 ヘビは古代人にとって神の使いか・・・・
● 蛇はその形が男根に似ていることから、生命を生み出す源であると考えられた
● 蛇は鼠をよく捕り、人間の生命の糧である食糧を守ることになる
● 蛇は猛毒をもち、その毒によって人を殺すこともできる
=しかし、ヘビの毒によって死ぬのも、神の仕業であると考えられた
● 蛇は脱皮をする
=その様子は生命の再生であり、ヘビは永遠の生命をもつと考えらた
このように、ヘビは人間にとって、生死をつかさどる存在だったのだろう。 こういった力をもつ存在が神として崇められたのは、当然のことと言えるのではないだろうか。
縄文の土器は、粘土を転がして細く伸ばし、ちょうどヘビのような形にした粘土紐を、円形に積み上げて成型する。 これは、「輪積法」と呼ばれる方法で、粘土紐を貼り付ける「接合法」もあった。 土器は、食物を煮たり、貯蔵したりするものです。 食料が詰まった土器は、ネズミにとって格好のエサ場であり、縄文人はこのネズミによる被害に、大いに悩まされたことだろう。 食料を守るため、考えられるかぎりの試行錯誤をしたはずだ。
輪積法で作られた土器はヘビの集合体と同じものと考えられたので、それにふさわしく、表面にヘビのような粘土ひもの飾りを付けた。 さらに、ヘビの形をリアルにして貼り付けた土器も現れる。 それが、「蛇体取っ手付き土器」です。 また、縄文の神格的象徴として、石棒がある。 これは、男根を思わせるものですが、ヘビの連想から発展したものであると言う。
また、ヘビは上記のアダムとイブ以外にも聖書に重要な話として 登場する。
モーゼに率いられたイスラエルの民が、砂漠を渡って旅をしているとき、「パンも水もなく粗末な食べ物ばかりでは、気力がうせる」と、神とモーゼに不平を言います。 すると、神は民衆に炎のヘビを差し向け、大勢の人々がそのヘビにかまれて死んでしまい、 反省した民衆のためにモーゼが祈ると、神はモーゼにこう言のです。
「炎のヘビを作って、旗竿の先に掲げなさい。 ヘビにかまれた者がそれを見上げれば命を得るだろう」
そこで、モーゼは青銅でヘビを作り、旗竿に掲げた。 このエピソードは、「モーゼの青銅のヘビ」として知られ、 “旗竿に掲げられたヘビ”は、はりつけにされたキリストのイメージと結びつけられたのです。
また、今日 銀行・商業のシンボルが天秤に絡みつく二匹の蛇。 ゾロアスター教の民・シルクロードをシルクロードたらしめた交易の民ソグドの信仰を図案化したものなのです。
しかし、ヘビのような神が居所不明でうろうろしていたのでは、人々は安心して生活することができません。 そこで、神の居所を明確にし、捧げものをし、神に喜んでもらおうと考え、神に相応しい居所が必要だとメソアメリカのマヤの人々は考えた。 相応しい場所とは、村落の中心に神を具現するモミュメントを建造するのが自然でしょう。
聖書では、「教会はキリストの身体である」と述べられている。 そこで、大多数の教会は十字型に作られ、礼拝堂・教会の下には聖人の遺体が安置される(イタリアの古い教会・礼拝堂の地下)ようになった。
これらの事を考えると、ヘビを神と崇めた古代メソアメリカで、 ヘビに似せてピラミッド型の神殿を作ったと考えるのは、ごく自然なことだと言えるでしょう。 パレンケのピラミッドでは、王の石棺の中から粘土のヘビが飛び出てきたという話も伝わっている。
象徴としてのヘビは、その後 古代メソアメリカでも日本でも消滅してしまう。 古代アメリカでは、侵略者によって土着の宗教が徹底的に弾圧されたためです。 他方、日本では稲作による農耕革命によって、食料とその貯蔵方法に変化が起こった。 ネズミの害を防ぐため、土器ではなくネズミ返し付きの高床式倉庫が使われるようになり、ヘビの効用は不要になった。
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・・・・・・続く・・・・・・
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